編集部員が、東京から7時間離れた村で働いてみた! そこでの気付きと課題とは

リモートワーク中の横山記者

2019年11月中旬から12月上旬にかけて、カヤックLivingとBusiness Insider Japan(以下、BI)は「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」を共同開催した。実施場所は三重県・尾鷲市、奈良県・下北山村、和歌山県・田辺市の3拠点。カヤックLivingとBIのメンバーに加え、50名超の読者も参加したリモートワーク実験だ。

「東京から遠く離れた場所でリモートワークは可能か?」

「リモートワークをしたことで生まれる変化や収穫は?」

BI編集部からは横山耕太郎記者が奈良県・下北山村を訪れ、リモートワークを体験した。

効率を落とさず普段の仕事をこなせるか?

下北山村のコワーキングスペース

奈良県・下北山村のコワーキングスペース「SHIMOKITAYAMA BIYORI」。かつて保育所だった場所をリノベーションして生まれたこのスペースが、今回のリモートワーク実験の拠点だ。

四方を山に囲まれた奈良県の東南端に位置し、村内の半分ほどが吉野熊野国立公園に指定されている下北山村。東京からの移動時間は片道約7時間という自然豊かな村で、横山記者はリモートワークに挑戦した。急なニュースへの取材対応や他の編集部員とのコミュニケーションを通じての企画立案など、普段している仕事をストレスなく、また生産性を落とすことなくこなせるのかを検証するためだ。

大手新聞社に新卒入社して約7年間、地方支局と東京本社で記者として働いていた横山記者は、2019年10月にBI編集部に加わった。新聞よりもウェブメディアのほうが自分の書いた記事への反響がわかりやすいこと、また同世代の友人により多く読まれていることに魅力を感じての転職だった。しかし当初は、新聞社とBI編集部のカルチャーの違いに戸惑いを感じたという。

「新聞社は“出社文化”で、取材以外の仕事は基本的に会社ですべてやるというカルチャー。一方、BIは、育児中の編集部員などは編集部にいないことも多く、やりとりには電話やチャットも活用されています。そして、編集部員はみんな、チャットへの返信が速い“即レス”の人ばかり。自分もすぐに返信しなければというプレッシャーを感じていて、まだ慣れないというのが正直なところです」

ビデオ通話を経験して感じた、顔が見えることの安心感と話しやすさ

打ち合わせ中の横山記者

編集部との打ち合わせを行う横山記者が使用しているのはシスコシステムズの「Cisco Webex DX80」。タッチ操作にも対応した23インチディスプレーやカメラなどが一体化し、Cisco Webexのビデオ会議を簡単に行える機材だ。

日頃からコミュニケーションを大事にしながら記事を生み出しているBI編集部。横山記者も記事のネタ探し、企画アイデアのブラッシュアップ、執筆した記事のチェックなどで、他の編集部員とのやりとりは緊密に行っている。

今回のリモートワークでは、横山記者は編集部との打ち合わせに「Cisco Webex」のビデオ会議機能を利用した。シスコシステムズが開発した同ツールは、場所や時間に縛られることなく、社内外の人たちと円滑に仕事を進めるためのチームコラボレーションツール。PCやスマホ、タブレットなどマルチデバイスに対応しており、無料版も用意されている。

「ビデオ通話の経験はあまりなかったのですが、映像のきれいさに驚いたのと、安心感や話しやすさはすごく感じました。相手の顔を見ながら話すと、表情がわかって、気持ちを推しはかれる部分が大きいんだと思います。映像なしの通話とは違い、いつも編集部で雑談しているような雰囲気で話せると感じました」

Cisco Webexの機能が企画会議の効率をアップする

取材で話す横山記者

編集部に加わってまだ日が浅い横山記者は、企画アイデアを練る作業ではまだ試行錯誤しているそうだ。企画会議は、先輩記者たちの知見を吸収するための貴重な場だと話す。

BI編集部では、定期的に企画会議を行っている。編集部員が参加してお互いの企画アイデアに対する意見をブレスト的に出し合い、企画の完成度を高めることが目的だ。取材や打ち合わせでオフィスにいない編集部員も、この会議にはビデオ会議機能を使って参加することが少なくない。

「まだウェブメディアの記者としては新人の立場なので、自分の企画に対して先輩たちから出た意見はとても勉強になります。取材日程の都合などで会議に参加できなかった場合、議事録メモを見れば大まかな内容はわかるのですが、やはり場の空気感を知りたいという気持ちもあります。リモートで参加すれば、映像で空気感を把握できるのは大きいですね」

なお、Cisco Webexの活用法は、リアルタイムのコミュニケーションだけにとどまらない。例えば、ファイル共有機能を使えば、会議の前後の資料共有なども簡単に行える。参加者が会議の前にあらかじめ資料を読むことを徹底することで、会議時間の短縮にもつながる。

また、ビデオ会議を録画する機能も備えるため、リモート参加も不可能な場合には誰かに録画を依頼し、あとからその映像を確認することができる。どうしても忙しい時は、自分の企画に対する意見が出た場面だけを見るといったことも可能だ。

「記者の重要な業務=取材」はリモートでできるのか?

ビデオ通話中の横山記者

取材は対面で行うのがポリシーだと語る横山記者だが、現状でも取材内容によっては、電話で行うケースもある。今後、それがビデオ通話に置き換わることも考えられる。

ところで、記者の業務として誰もが頭に思い浮かべるのが取材だろう。原稿執筆と並ぶ重要な業務だが、これをリモートで行えるのか。

「対面でインタビューをすると、やはり取材相手との信頼関係を築きやすいと思います。顔を合わせることでこちらの真剣さも伝わりますし、そのことで今後のお付き合いもしやすくなります。これは自分が記者として一番重要だと感じている部分ですし、今後も直接会ってお話を聞くことは大事にしていきたいと考えています」

とはいえ、すべての取材相手に直接会って話を聞くのはほぼ不可能だ。現状でも横山記者は、取材の内容によっては電話で話を聞いている。これをビデオ通話に切り替えることについては、今後の可能性を感じているという。

「理由はやっぱり顔を見て話せることの安心感です。ただ、取材相手にも受け入れ態勢が整っている必要はあります。取材は電話でなくビデオ通話でするものという文化が、日本の社会にも根付くと変わるかもしれませんね」

ツールの活用が肝だと実感

談笑中の横山記者

コワーキングスペース内で、他の参加者と談笑する横山記者。同世代の“生の声”を記事にしていきたいと話す彼にとっては、楽しく、そして有意義な経験となった。

最後に、今回のリモートワーク実験の感想を横山記者に聞いてみた。

「一番刺激的だったのは、普段は仕事で会わないような人たちと意見交換できたこと。しかも自分と同世代の人の話を聞けて、これはコワーキングスペースを利用したことのメリットでした。コワーキングスペースで仕事をすると周囲の音などが気になるかと思っていたのですが、まったく問題ありませんでした。仕事の効率も東京と変わりません。

コミュニケーションツールを活用すれば、リモートワークは十分に可能だと実感できたのも大きいです。記者の仕事は取材して、原稿を書き、(編集部内で協力して)記事に仕上げること。このうちの取材については、現時点では取材相手が東京にいることが多いので、東京で話を聞く。でも、原稿を書いて記事に仕上げるプロセスはどこにいてもできます。今後、自分の仕事スタイルが変化していくことは十分に考えられますね」

下北山村の風景


現在は、あまねく日本全国においてネットワーク環境が整備され、社内外の人たちと協力して仕事をするためのツールも揃っている。働くという行為が場所や時間の制約から自由になるのは、それほど遠くない未来なのかもしれない。

自由に働く、が叶うシスコのコミュニケーションツール、

Webexについて詳しくはこちらから。

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