サンナ・マリーン氏。
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フィンランドでは、サンナ・マリーン(Sanna Marin)氏が次の首相に就任する予定だ。34歳の首相はフィンランドでは史上最年少で、マリーン氏は歴代3人目の女性首相となる。
ロイターによると、フィンランド連立与党第1党の社会民主党は12月8日(現地時間)、国内で発生した大規模ストへの対応を巡り批判を受けて辞任したアンティ・リンネ(Antti Rinne)首相の後任に、サンナ・マリーン氏を選出した。
マリーン氏は今週中に就任する予定で、現役首相としては世界最年少となる見通しだ。
フィンランドの運輸・通信大臣を務めていたマリーン氏が政治の世界に足を踏み入れたのは27歳の時で、2015年に30歳で国会議員になった。
マリーン氏のこれまでを振り返ってみよう。
マリーン氏は1985年、フィンランドの首都ヘルシンキで生まれた。一家が南部の都市タンペレで落ち着くまで、さまざまな都市で暮らした。
フィンランドの首都ヘルシンキ。
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タンペレでは、母親とその女性パートナーの同性カップルの家庭で育った。
フィンランド南部の都市タンペレ。
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マリーン氏は自身を「レインボーファミリー」の出身だと説明している。2015年には、自身の家族は「本物の家族と見なされず」、子どもの頃は自分を「目に見えない」もののように感じていたと、マリーン氏はフィンランドのメディアに語った。
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その生い立ちは、マリーン氏の政策に大きな影響を与えている。「わたしにとって、人間は常に平等です。どんな意見を持っているかは問題ではありません。これが全ての基礎です」と、2015年のインタビューで語っている。
記者会見をするマリーン氏(2019年10月)。
YouTube/Valtioneuvosto
Source: menaiset
マリーン氏は家族の中で初めて大学進学を果たした。2004年にプリッカラ高校を卒業し、タンペレ大学で行政学を学んだ。
タンペレ大学。
YouTube/UniversityofTampere
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アンティ・リンネ前首相は、国内で発生した大規模ストへの対応を巡り、激しい批判を受けて、12月3日に辞任した。
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ロイターによると、フィンランドでは複数の大手企業によるストが行われている。フィンランド産業連盟は、ストにより国内企業の売上高が約5億ユーロ(約600億円)失われると推計している。
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マリーン氏は12月10日、正式に首相に就任する見込みだ。現役首相としては世界最年少となる。
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「信頼を取り戻すために、わたしたちには取り組むべきことが数多くある」と、マリーン氏は党首選で勝利したあと、報道陣に語った。
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マリーン氏の功績は、その若さにして見事なものだ。アメリカ大統領に就任したとき、トランプ大統領は70歳だったし、イギリスでは1806年以降、40歳以下の首相は誕生していない。
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マリーン氏は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(39)やウクライナのオレクシー・ホンチャルク首相(35)といった世界の若き指導者に仲間入りする。
年齢やその進歩的な政策、そして母親になったばかりという事実から、マリーン氏はアーダーン首相としばしば比較されている。
Source: BBC
(翻訳、編集:山口佳美)