時価総額で見るテック企業の栄枯盛衰…クラウド、スマホへの対応で明暗

マイクロソフトの前CEO、スティーブ・バルマー氏。

マイクロソフトの前CEO、スティーブ・バルマー氏。

AP

  • 過去10年の間に、テック業界は新たな企業を迎えながら飛躍的な発展を遂げてきた。
  • テック業界の時価総額ランキングで、マイクロソフトとアップルが上位を保つ一方、2010年当時はグーグル、アマゾン、フェイスブックはトップ10にすら入っていなかった。
  • 2010年、テック業界における大企業は、IBM、シスコ、オラクルなどのように企業向けソフトウェアを提供していた。だがその後、インターネットサービスや消費者向け製品を提供する多くの企業に追い抜かれていった。

過去10年の間に、新たなテクノロジーが発展し、新たな企業が誕生するにつれ、テック業界は大きく変化してきた。10年前は企業向けソフトウェア等を扱う企業が優勢で、グーグル、アマゾン、フェイスブックといったブランドは、まだ成長の初期段階だった。

2019年も終わりに近づいている。モーニングスター・ダイレクトのデータで、テック業界の上位を占める10の上場企業について、10年前と比べて時価総額がどう変化したか、振り返ってみよう。

データ出典:モーニングスター・ダイレクト(時価総額は2009年12月31日と2019年11月30日時点でのもの)

1.マイクロソフト(Microsoft)は、2010年時点ですでに大企業だった。だがiPhoneの人気が高まるにつれ、陰りが見えてきた。それでもサティア・ナデラ新CEOの指揮の下、クラウド・コンピューティングに注力するという賭けに出たことが、活力を取り戻すことにつながった

マイクロソフト前CEOスティーブ・バルマー氏。

マイクロソフト前CEOスティーブ・バルマー氏。

Getty Images/Justin Sullivan

2010年の時価総額:2686億ドル(約29兆4000億円)

2019年の時価総額:1兆1500億ドル(約125兆9000億円)

2.アップル(Apple)が2007年にiPhoneを発表して、コンピューターとの付き合い方に革命が起こった。改良する度に販売台数は増加し、発表から10年以上が経過した現在も、iPhoneは成功を重ね、アップルは業界でのトップあるいはそれに近い地位を保ち続けている

アップルの共同設立者で元CEOの故スティーブ・ジョブス氏。

アップルの共同設立者で元CEOの故スティーブ・ジョブス氏。

David Paul Morris / Getty

2010年の時価総額:1901億ドル(約20兆9000億円)

2019年の時価総額:1兆1900億ドル(約130兆3000億円)

3.2010年当時、IBMは大企業だったが、この10年の間にマイクロソフト、アマゾン、グーグルといった企業がクラウド・コンピューティングをリードするようになり、IBMの成長は停滞している

IBMの元CEO、サミュエル・パルミサーノ氏。

IBMの元CEO、サミュエル・パルミサーノ氏。

Sean Gallup/Getty Images

2010年の時価総額:1701億ドル(約18兆7000億円)

2019年の時価総額:1191億ドル(約13兆円)

4.この10年のクラウド・コンピューティングの発展により、シスコ(Cisco)も大きな打撃を受けた。企業がクラウドに移行し、シスコが提供してきたネットワーキングのための製品のニーズが低下したからだ。それでも同社はこの荒波によく耐えてきた

シスコの元CEO、ジョン・チェンバース氏。

シスコの元CEO、ジョン・チェンバース氏。

Getty Images/Ethan Miller

2010年の時価総額:1377億ドル(約15兆円)

2019年の時価総額:1922億ドル(約21兆円)

5.2010年当時のオラクル(Oracle)は、データベース製品などの企業向けソフトウェアを提供し、業界をリードしていた。だが、クラウド・コンピューティングへの参入が後れ、セールスフォース、アマゾン、マイクロソフトといった競合企業の後塵を拝することになった

オラクルの共同設立者で会長兼CTOのラリー・エリソン氏。

オラクルの共同設立者で会長兼CTOのラリー・エリソン氏。

Justin Sullivan/Getty Images

2010年の時価総額:1229億ドル(約13兆5000億円)

2019年の時価総額:1843億ドル(約20兆2000億円)

6.ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)にとってのこの10年は、社内紛争と戦略的混乱をどう乗り切るかということから始まった。結果的にはヒューレット・パッカードとヒューレット・パッカード・エンタープライズ(Hewlett Packard Enterprise)という2つの会社に分割された

ヒューレット・パッカードの元CEO、故マーク・ハード氏。

ヒューレット・パッカードの元CEO、故マーク・ハード氏。

Justin Sullivan/Getty Images

2010年の時価総額:1218億ドル(約13兆3000億円)

2019年の時価総額:298億ドル(約3兆3000億円)

7.インテル(Intel)はパソコンやサーバーに搭載されるプロセッサーの主要メーカーとして、長年君臨してきた。だがスマートフォンの発展は同社にとっての盲点となり、対応が遅れ、クアルコムなどのモバイルプロセッサーのメーカーを台頭させることにつながった。現在、同社は人工知能(AI)に力を入れている

インテルの元社長兼CEOポール・オッテリーニ氏。

インテルの元社長兼CEOポール・オッテリーニ氏。

Justin Sullivan/Getty Images

2010年の時価総額:1127億ドル(約12兆3000億円)

2019年の時価総額:2525億ドル(約27兆6000億円)

8.クアルコム(Qualcomm)は、パワフルなモバイルプロセッサーの生産と、そのライセンス料を他社から得ることで繁栄してきた

クアルコムの元CEOポール・ジェイコブス氏。

クアルコムの元CEOポール・ジェイコブス氏。

David Becker/Getty Images

2010年の時価総額:774億ドル(約8兆5000億円)

2019年の時価総額:954億ドル(約10兆4000億円)

9.アメリカ最大のクレジット会社Visaは、電子商取引とスマートフォンでのショッピングの増加により、大きな利益を得てきた

Visaの前CEO、ジョセフ・サンダース氏。

Visaの前CEO、ジョセフ・サンダース氏。

REUTERS/Chip East (UNITED STATES POLITICS BUSINESS)

2010年の時価総額:609億ドル(約6兆7000億円)

2019年の時価総額:4100億ドル(約44兆9000億円)

10.SAPは主力のデータベース製品や企業向けソフトウェアにより、エンタープライズIT業界で支配的な地位を築いた。最近ではアマゾンやマイクロソフトなどの企業と提携し、クラウド・コンピューティングへの移行を進めている

SAPの元CEOビル・マクダーモット氏。

SAPの元CEOビル・マクダーモット氏。

REUTERS/Ralph Orlowski

2010年の時価総額:562億ドル(約6兆2000億円)

2019年の時価総額:1670億ドル(約18兆3000億円)


[原文:A look at the most valuable tech companies from 10 years ago shows how much has changed — and that Microsoft and Apple still dominate

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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