1人じゃ無理がある? 重さ65kgの荷物と格闘する配達業者、悪態をついたり、荷物を落とす様子を捉えた動画が話題に

フェデックス

AP

  • フェデックス(FedEx)のドライバーが重さ144ポンド(約65キログラム)の荷物に何度も悪態をついたり、地面に落としたりする様子を監視カメラが捉えた。
  • WISNが掲載した動画によると、ドライバーは「意味が分からない。いつも重いものばかり頼んで……」と愚痴をこぼしている。
  • 配達業者にとって1年の中で最も忙しい時期を迎えていることから、ドライバーの行動を擁護する人もいる。この動画は、オンラインショッピングの現実を表しているとか、大きくて重い荷物に苦労しているスタッフもいるといった声も聞かれる。
  • フェデックスはドライバーの行動を「受け入れられない」と批判し、荷物の引き取りを依頼した客は謝罪を要求している。
  • Business Insiderへの声明文の中でフェデックスは、ラグや家具といった大きなアイテムを頼む客が増えていることから、同社はスタッフに重い荷物を運ぶための道具を提供していると述べている。

アメリカでは、フェデックスのドライバーが批判にさらされている。重さ144ポンド(約65キログラム)の荷物に悪戦苦闘する中、悪態をつく様子を捉えた動画が拡散したためだ。

フェデックスはドライバーの行動を「受け入れられない」と批判し、荷物の引き取りを依頼した客は謝罪を要求している。だが、配達業者にとって1年の中で最も忙しい時期を迎えていることから、中にはドライバーの行動に驚きはないという人々もいる。

玄関ドアに設置している監視カメラが捉えた映像には、道路に雪が残る中、フェデックスのドライバーが大きな長方形の箱を押し、トラックに積み込もうとしている様子が映っていた。

ドライバーは誰かと電話で会話をしながら荷物と格闘していたようで、地面にこの箱を何度か落としている。

WISNが掲載した動画によると、ドライバーは「意味が分からない。いつも重いものばかり頼んで……」と愚痴をこぼしている。

荷物の引き取りを依頼したアンドレア・ウェンドルフさんはWISNの取材に、箱の中身はカウチで、オンライン家具販売のウェイフェア(Wayfair)で購入したものだと話している。届いたカウチが壊れていたため、フェデックスを通じて返品するつもりだったという。

フェデックスのドライバーを擁護する声も

動画が配達業界で働くドライバーの間でシェアされると、フェデックスのこのドライバーの悩みは理解できるとして、擁護する声も上がった。

複数の人々が、ドライバーには誰かもう1人、荷物を運ぶのを手伝う人間が同行すべきだったと指摘している。この動画は、オンラインショッピングの現実を表しているとか、大きくて重い荷物に苦労しているスタッフもいるといった声も聞かれた。

「わたしだって、愚痴を言うと思います」と、サウスカロライナ州コロンビアでアマゾンフレックス(Amazon Flex)の配達ドライバーをしているブレンダ・アイサーンさんはBusiness Insiderに語った。「重いし、寒いし。1人であれをポーチから下ろしてトラックに積まなきゃいけないなんて、楽しい1日とは思えません」という。

Business Insiderへの声明文の中でフェデックスは、重さ最大150ポンドの荷物の大半はフェデックス・エクスプレス(FedEx Express)またはフェデックス・グラウンド(FedEx Ground)で運ばれると述べている。それ以上の重さがある荷物は追加料金の対象になるか、そもそも預からないという。

急増する荷物がプレッシャーに

近年、アメリカを含む世界全体で荷物の量が急増していて、需要に応え続けるために、配達業者は急速に成長することが求められている。この成長の真っただ中で、業界で働く人の中にはもっと早く、たくさんの荷物を配達するようこれまで以上にプレッシャーをかけられている人もいる。

同時に、買い物客はラグや家具といった大きなアイテムをネットで注文することにますます慣れ、重い荷物がさらに増えている。

フェデックスは、重量のある荷物を運ぶ助けになる新しいツールをドライバーに提供しているという。

「テレビや家具、ラグ、マットレス、自動車部品といった大きくて重いアイテムが増えるなど、オンラインショッピングが急速に進化する中、わたしたちは今年、その能力を高め、荷物を安全かつ効率的に扱うための多くの投資を発表しました」

「例えばフェデックス・グラウンドは、新しい、強化されたテクノロジーを利用できるようにすることで、荷物の特徴を含め、その日扱う荷物量についてリアルタイムに近いデータを見える化しようとしています。サービス・プロバイダーはこのデータを使って、使用する車両や装備、労働力を決めることができます」

これとは別に、フェデックスではウェンドルフさんがシェアした動画のスタッフの行動に対応するため、「適切なステップ」を踏む計画だとしている。 「この動画について、映っている行動は受け入れられないものであり、顧客に安全かつ確実に何百万という荷物を届けているフェデックス・グラウンドのサービス・プロバイダーが日々見せているプロ意識と一致するものではありません」としている。

[原文:Video of a FedEx worker struggling under the weight of a 144-pound package reveals the human impact of online shopping

(翻訳、編集:山口佳美)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み