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- 15年前にデビューした初代iPhoneは、ポケットサイズのタッチスクリーンという現代のスマートフォンの原型となった。
- アップルのiPhoneは、基本的なアプリを実行するだけのデバイスから、プロユースにも耐えうる高性能なカメラを備えたコンピューターへと進化した。
- 2007年の発売以来、iPhoneがどのように進化してきたのかを振り返ってみよう。
約15年前、テクノロジーの世界は大きく変化した。
スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)が2007年に最初のiPhoneを発表したとき、彼はそれを「iPodと電話とインターネットコミュニケーターが一つになったもの」と呼んでいた。ジョブズは、iPhoneが我々のコミュニケーションとインターネット・アクセスを変えることを知っていたはずが、おそらく彼でさえ、それがどれほどインパクトがあることかを正確に予測していなかっただろう。
初代iPhoneは現代のスマートフォンの基礎を築き、タップするだけであらゆることを調べることができるポケットサイズのコンピューターが標準になった時代を切り開いた。
今では、我々の仕事、コミュニケーション、買い物、旅行、財務管理、エンターテイメント体験など、すべてのことをスマートフォンで行うことができる。GSMA Intelligenceの推定によると、世界中の50億人以上が何らかのモバイルサービスを使用している。Insider Intelligenceのデータによると、アメリカの消費者は1日平均4時間以上を携帯電話に費やしているという。
我々の仕事、コミュニケーション、買い物、旅行、家計管理、エンターテイメントの体験など、あらゆることをスマートフォンで行うことができる。そして、世界中の何千万人もの人々が iPhone を利用している。
iPhoneがどのように進化してきたかを見てみよう。
iPhone(2007年)
David Paul Morris/Getty Images
2007年に発表された初代iPhoneからすべては始まった。 3.5インチの画面、2メガピクセルのカメラ、わずか16GBのストレージで、しかもサードパーティのアプリはまだサポートしていなかった。
これらのスペックは、今日の超強力なスマートフォンと比較すると原始的に見えるが、初代iPhoneは、モバイルデバイスの標準を決定する重要な役割を果たした。 例えば、そのマルチタッチディスプレイは、現在世界中のスマートフォン、タブレット、コンピューターに搭載されているタッチベースのオペレーティングシステムへの道を開く上で重要だった。
iPhone 3G(2008年)
Paul Sakuma/AP
iPhone 3Gには、GPS、3Gネットワーク、パフォーマンスの高速化などの機能が追加された。しかし、おそらく最も重要なことは、App Storeによって、単にインターネットにアクセスできるモバイルデバイスから本格的なコンピューティング・プラットフォームに変わったことだろう。今日、App Storeには200万以上のアプリがあり、UberやSnapchatなどサービスが繁栄することを可能にしたアプリ経済圏を作り上げた。
iPhone 3GS (2009年)
Getty
iPhone 3GSでは、3メガピクセルのカメラ、音声コントロール、バッテリー寿命の延長など、さらなる改良がなされた。新しいソフトウェアも同様に重要で、マルチメディアメッセージングのサポートだけでなく、カット&ペーストなどの後に標準となった機能が導入された。
iPhone 4 (2010年)
Associated Press
iPhone 4は初めてのメジャーアップデート。以前のモデルと比較して、薄型でシャープな形状をしており、ガラス製の本体とステンレススチールの縁取りが特徴だ。これ以降のアップル製品の特徴となっているRetinaディスプレイが導入された。また、ビデオ通話のFaceTimeを搭載した初のiPhoneとなった。
iPhone 4は一般に好評を博したが、批判もあった。最も大きなものはアンテナ問題だ。一部のiPhone 4では、持ち方によって通話が途切れることがあった。
iPhone 4S (2011年)
AP
iPhone 4Sから音声アシスタントのSiriが導入された。 Siriは今ではアップルのほぼすべての製品に搭載されている。
iPhone 5 (2012年)
Getty Images/Justin Sullivan
iPhone 5でアップルは画面サイズを4インチに拡大した。3.5インチからの大きなアップグレードで、サムスンなどの大画面のAndroidデバイスと競合していることを考えると特に重要だった。iPhone 5はまた、今日のiPhoneにも搭載されているLightningポートを備えた最初のモデルだ。
iPhone 5S (2013年)
Steve Kovach/Business Insider
iPhone 5Sは、ホームボタンにTouch ID(指紋認証)を搭載した最初のiPhoneであり、この機能は2017年にiPhone XでFace ID(顔認証)に代わるまでiPhoneの定番だった。これによってユーザーはロックを解除するたびにパスコードを入力することから解放された。
iPhone 5C (2013年)
Steve Kovach/Business Insider
カラフルなiPhone5Cは、これはフラッグシップのiPhone5Sよりも低価格だった。青、緑、黄などの色が揃っていて、5Sよりも100ドル安い。
iPhone5cには指紋センサーがなく、前世代のプロセッサーが搭載されており、アルミニウム製のiPhone5sに対してプラスチック製のボディだった。これは、アップルが低価格の選択肢を提供した初めてのケースであり、iPhone XRやiPhone11の前例となった。
iPhone 6/iPhone 6 Plus (2014年)
Business Insider
iPhone 6とiPhone 6 Plusは、iPhoneの歴史における重要な転換点を示している。大画面のiPhone 6 Plusで消費者は初めて、2つの異なる画面サイズを選択できるようになった。Androidスマートフォンがますます大きな画面サイズを提供していたことを考えると、これは特に重要なことだった。
また、アップルはiPhone 6と6 Plusで、2017年のiPhone Xで変更されるまで続くデザインの刷新を行った。その他にiPhone 6は、より高速なプロセッサーとストレージオプションを導入した。
iPhone 6s/iPhone 6s Plus (2015年)
Business Insider / Lisa Eadicicco
iPhone 6Sと6S Plusは、iPhone 6のマイナーアップデートで、3D Touchと呼ばれる新しい機能が追加された。これにより、ディスプレイを深く押すことでショートカットにアクセスできるようになった。 その他には、より高速なプロセッサと12メガピクセルのカメラが搭載された。
iPhone SE (2016年)
REUTERS/Stephen Lam
2016年に発売されたiPhone SEは、iPhone 6Sよりも小さくて安価なiPhoneを探している消費者向けの製品だ。 iPhone 5のような4インチのディスプレイに、フラッグシップモデルのiPhone 6Sと同じプロセッサーを搭載していた。
iPhone 7/iPhone 7 Plus (2016年)
Hollis Johnson/Business Insider
iPhone 7とiPhone 7 PlusでAppleは、ヘッドフォンジャックをなくして、一つの時代の終わりを示した。代わりにヘッドフォンをLightningスロットに接続する必要がった。この年、ワイヤレスイヤフォンAirPodsも発表した。
Appleはヘッドフォンジャックをなくした最初の企業ではなかったかもしれないが、それはiPhone 7の発売後すぐにスタンダードになった。以降、AirPodsの人気は急上昇しており、Wedbush Securitiesのアナリストは、2020年には8500万台から9000万台のAirPodsが販売されると予測している。
iPhone 7 Plusは、デュアルカメラとポートレートモードを搭載した最初のiPhoneでもあった。これは、背景をボカして被写体をシャープに見せる機能。iPhone 7と7 Plusは、防水機能を備えた初のiPhoneでもあった。
iPhone 8/iPhone 8 Plus (2017年)
Hollis Johnson/Business Insider
iPhone 8と8 Plusは、ワイヤレス充電ができる最初のiPhoneだった。また、iPhone 5以降何年も販売していたアルミニウム製からの脱却を象徴する新しいガラスのデザインを採用した。
iPhone X (2017年)
Hollis Johnson
iPhone Xはアップルにとって重要な製品だった。iPhone8およびiPhone8Plusと同時に発売されたこのスマートフォンは、ほぼ縁なしの有機ELディスプレーを搭載し、顔認識をサポート、そしてホームボタンのない最初のiPhoneだった。これは現行iPhoneのルックアンドフィールの先例で、最低価格が1000ドル以上する最初の機種だった。
iPhone XS/iPhone XS Max (2018年)
iPhone XS(左)とXS Max
Getty
iPhone XSとiPhone XS Maxは、iPhone Xの後継機であり、より高速な新しいプロセッサー、より優れた耐水性、ポートレートモードの改良版を追加した。iPhone Xと劇的な違いはなかったが、将来のフラッグシップモデルでもiPhone Xで導入された全画面デザインを続けることの意思表示と言えた。
iPhone XR (2018年)
Justin Sullivan/Getty Images
アップルはiPhone XSとXS MaxとともにiPhone XRを発売した。カラーバリエーションが豊富で、iPhone XSよりも約250ドル安い。
iPhone XRはフラッグシップモデルの安価な代替品として位置付けられ、低価格でフルスクリーンデザインを手に入れることができた、iPhone XSにはある有機ELスクリーンとデュアルカメラはないが、それ以外は価格の高いモデルとかなり似ていた。
iPhone 11 (2019年)
Hollis Johnson/Business Insider
700ドルという比較的安い価格と幅広いカラーオプションのiPhone 11は、基本的にはiPhone XRの後継モデルだ。超広角カメラを含む新しいデュアルカメラシステムを特徴とし、ナイトモード、高速プロセッサー、および高解像度の前面カメラを搭載している。
iPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Max (2019年)
Hollis Johnson/Business Insider
より高価なiPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxは、広角カメラ、超広角カメラ、望遠レンズというトリプルレンズカメラを搭載した最初のiPhoneだ。 9月に行われる恒例のイベントで発表したとき、同社はプロの写真家や映像作家にとって究極のモバイルカメラであると位置付けた。
iPhone 12/iPhone 12 mini (2020年)
Business Insider/Lisa Eadicicco
2020年に登場したiPhone 12で、iPhoneは再びデザインを刷新した。
iPhone 6で採用された丸みを帯びた金属のエッジはなくなり、代わりにアップルの初期のiPhoneを思わせる、四角いスマートなデザインになった。また、ハイエンドの有機EL(OLED)ディスプレイに加え、改良されたカメラ、5G接続、MagSafeアクセサリーとの互換性などが追加された。
iPhone 12には安価なMiniも登場し、その姿は人気が高かったiPhone SEを復活させたかのようだ。
iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max (2020年)
Business Insider/Lisa Eadicicco
iPhone 12と同様に、iPhone 12Proもデザインが刷新され、スタイリッシュでハイエンドな雰囲気を醸し出している。
より高価なこのモデルでは、前世代の 「iPhone 11 Pro」 や 「iPhone 11 Pro Max」 よりも大きな画面が搭載されたほか、トリプルレンズカメラ、拡張現実(AR)機能や高速なプロセッサーを装備し、バッテリー持続時間も改善された。
iPhone 13/iPhone 13 mini (2021年)
Carlos Garcia Rawlins/Reuters
2020年のデザイン刷新に比べると、2021年のiPhone13は、ディスプレイの明るさ、新しいカメラモード、カメラ性能の向上という、段階的な改良が施されている。
最大のアップグレードは、おそらくバッテリー駆動時間になるだろう。iPhone 13は、より大きなバッテリー、より効率的なディスプレイ、そして改良されたプロセッサによる電力効率の向上を実現した。
iPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Max (2021年)
Mike Segar/Reuters
iPhone 13 Proもバッテリーライフがアップグレードされ、Insiderのテストによると16時間以上のビデオストリーミングが可能になった。それ以外では、13 Proと13 Pro Maxはよりスピーディーなパフォーマンスとクラス最高のカメラ画質を提供している。
iPhone 14/iPhone 14 Plus (2022年)
Apple
iPhone 14とiPhone 14 Plusはどちらもバッテリー駆動時間が向上し、カメラも改善され、アメリカではSIMカードトレイなし(eSIMのみ)へと移行している。
iPhone 14 Plusは、iPhone 14 Pro Maxと同じサイズの6.7インチの大型スクリーンを搭載している。
また、iPhone 14には、衛星に接続して救急隊に通報できる緊急衛星SOSシステム(アメリカとカナダで利用可能)や、自動車事故などを起こしたときに認識する衝突検知機能が新たに搭載された。
iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Max (2022年)
Apple
この2機種はインカメラ部分のノッチ(切り欠き)を廃止し、ダイナミックアイランド(Dynamic Island)という新デザインを採用した。また、通知はダイナミックアイランドに表示されるようになる。
カメラは1200万画素のセンサーではなく、4800万画素のセンサーを搭載しており、これはアップルにとって初めてのことだ。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)