節約への意識が高そうなクーポンサービスの利用者だと9割が「消費増税は家計に影響があった」と回答。
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2019年に家計に起きた大きな変化と言えば、8%から10%に引き上がった消費増税。クーポンサイトのグルーポン・ジャパンの調査では、9割の人が「消費増税は家計に影響があった」と感じており、8割近くの人が「意識的に節約をしている」と回答した。
出費を抑えている項目で多かったのが外食(38%)、贅沢品(34%)、衣服(32%)の順番。クリスマスに忘年会、大晦日、お正月と、イベント続きの年末年始の過ごし方にも影響が出そうだ。
ほとんど家で過ごすお正月、連休中は外食も控え気味?
もっとも節約を意識する傾向があるのが、食費という結果になった。
出典:グルーポン・ジャパン調査
調査は、グルーポン・ジャパンがユーザー773人を対象に実施(小数点以下切り捨て)。普段から割引クーポンを定期的に使うなど、節約意識の強い人が回答した傾向があるとみられるが、それを踏まえても消費増税後の消費の買い控えが浮き彫りになる結果となった。
消費増税が、キャッシュレス決済を取り入れるなど「普段のライフスタイルにもっとも影響している」カテゴリーとしては以下の順で多かった。
- 外食(31%)
- 贅沢品/サービス(19%)
- 飲食料品(9%)
また、半数近く(45%)の人が「生活必需品以外の出費額が減った」と回答。1週間あたりに減った金額では「2000円以上」が3割を占め、もっとも多かった。
2019〜20年にかけての年末年始は大型連休(12月28日〜1月5日)になる人も多い。調査では、年末年始の過ごし方にも半数の人が「影響を及ぼすと予想される」としている。影響があると予想する人は節約を目的にこんな過ごし方も。
- ほとんど家で過ごす(14%)
- 旅行に行くのを控える(13%)
- 連休中の外食を控える(12%)
- 冬のアクティビティを控える(7%)
クリスマスは外食控えて「自宅で」最多
家で過ごすクリスマス向けのセットメニューをオイシックスが販売中。中食や自炊の商品はニーズが高まりそうだ。
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出費のかさみがちなイベントといえば、間近に迫るのがクリスマスだ。食品宅配「oisix」を展開するオイシックス・ラ・大地が関東在住の20歳以上の既婚女性266名に対し、増税の影響についてアンケートを実施したところ、 7割超の人が「増税の影響で食費を減らそうと思う」と答えた(小数点以下切り捨て)。
中でも、4割が「クリスマスの食卓にかける金額を節約しようと思う」(40%)と回答し、具体的にどうやって節約するかについては「外食を控えて、自宅で祝う」(40%)がもっとも多かった。続いて「外食を控えて、テイクアウトを増やす」(23%)も多く、ここでも「贅沢を控える」意識が伺われた。
増税後の反動で10月の家計支出は大幅減
政府調査でも、消費増税が始まった10月の家計は落ち込みが目立った。
総務省の10月の家計調査によると、1世帯(2人以上)あたりの消費支出は27万9671円で、前年同月比で5.1%の大幅減。11カ月ぶりにマイナスに転じている。下げ幅は、消費税率が5%から8%に引き上げられた直後に当たる2014年4月の4.6%減を上回っている。
台風19号の影響で小売り店舗が営業休止を余儀なくされたことも影響していると見られているが、増税前の駆け込み需要の反動など、消費増税の影響も出ている。
今後、どれほど増税後の買い控えや節約の影響が出るかは未知数だが、2020年は東京五輪後の景気動向や世界経済の減速も注視されている。クーポンやポイント、キャッシュレス決済を使ったり自炊したりと、生活者が工夫をこらす傾向は当面、続きそうだ。
(文・滝川麻衣子)