上海にあるUcommuneのコワーキングスペース。
Reuters
- 中国最大のコワーキングスペースのスタートアップ、Ucommuneは、ニューヨーク証券取引所への上場を準備中だ。
- WeWorkが9月にIPOを試みて以来、上場を目指す初の大手シェアオフィス企業となる。
- ウォール・ストリート・ジャーナルによると、UcommuneがWeWorkと同じ運命をたどるのではないかと懐疑的なアナリストもいる。
- Ucommuneはまだ収益を出していないが、同社はWeWorkのIPO目論見書とほぼ同じ言葉を使って収益化までの道筋を説明している。
大手シェアオフィスのスタートアップ、Ucommune(優客工場創業投資:ユーコミューン)は、初期投資家から数百万ドルを集め、まだ収益化していないにも関わらず、ニューヨーク証券取引所での上場の準備を進めている。似たような話を聞いたことはないか。
Ucommuneは「中国のWeWork」として知られる、北京を拠点としたシェアオフィスのスタートアップだ。同社はニューヨーク証券取引所に上場申請書を提出した。WeWork以来の、上場を目指す大手コワーキングスタートアップとなる。
Ucommuneは、前回の資金調達ラウンドでは、26億ドル(約2845億円)の評価額で2億ドル(約218億円)を調達した。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、早ければ1月にも株式が公開されると見られているが、WeWorkと同じ運命をたどるのではないかと懸念するアナリストもいる。WeWorkは、収益性をめぐって投資家の懸念が高まり、9月に上場申請を撤回している。
Ucommuneの申請書には、WeWorkが上場を試みる際に提出した目論見書と著しく類似した文言がある。Ucommuneの収益化への説明は、WeWorkとほぼ同じだ。
「スペースが成熟すると稼働率は安定する。会員獲得のためのマーケティングなどの初期投資は終了しており、今後は収益とキャッシュフローのサイクルを生み出す」と、Ucommuneの目論見書に記載されている。WeWorkの目論見書には、これとそっくりの文章が含まれていたが「スペース」の代わりに「ロケーション」という言葉を使っていた。
また、WeWorkの前CEO、アダム・ニューマン(Adam Neumann)は、彼が所有する不動産をWeWorkに貸していたことで批判にさらされたが、Ucommuneの申請書によれば、同社は創業者でCEOの毛大慶(Mao Daqing)の関連企業が所有する6つの施設と、リース契約を結んでいる。
Ucommuneは、Business Insiderのコメント要請に回答しなかった。同社は申請書の中で「今後12カ月間、毎日の運営を行うための適切な流動性資金と資金源がある」と述べている。
一部の初期の投資家はすでにUcommuneの株式公開から手を引いている。ロイターによると、シティバンクとクレディ・スイスは同社が求める高い評価額への懸念により、出資を撤回した。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)