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6歳の少女が受け取った中国の囚人からのメッセージ…真偽は永久に闇の中

トナイン・エマニュエル・エヌジュン(Tohnain Emmanuel Njong)が中国の刑務所で書いた手紙

2014年に見つかった、トナイン・エマニュエル・エヌジュン(Tohnain Emmanuel Njong)が中国の刑務所で書いたとされる手紙。

dnaInfo.com

  • イギリスの6歳の少女は、中国の囚人からのSOSメッセージが入ったクリスマスカードを見つけた
  • 「我々は上海清浦刑務所の外国人囚人だ。意志に反して強制労働させられている。人権団体に通知してほしい」と、食料品店テスコで買ったクリスマスカードに書かれていた。
  • Zara、Kマート、ウォルマートなど、中国に工場がある大手小売業者の製品から、毎年、この種のメッセージが発見される。
  • ただし、事実だと確認されることはほとんどない。一部の小売業者は、これを「デマ」と呼んだり、活動家を非難したりしている。

サンデー・タイムズ紙によると、クリスマスカードを書いていた6歳の少女が、そのうちの1枚に、中国の囚人だと主張する誰かからのSOSメッセージが書き込まれていたことを発見した。

赤いサンタ帽をかぶった子猫の絵が描かれたこのカードは、中国の東海岸、温州の南約50kmに位置する浙江印刷(Zhejiang Yuanguang Printing)でスーパーマーケットチェーンのテスコ(Tesco)向けに作られたものだ。

ロンドンに住むフローレンス・ウィディコム(Florence Widdicombe)さんは、カードに書かれた「我々は中国の上海清浦刑務所にいる外国人の囚人だ。意志に反して働くことを強要されている。人権団体に通報して、我々を助けてほしい」という書き込みを見つけた。

フローレンス・ウィディコムさん、6歳。ロンドン南部のトゥーティングにある自宅で。

フローレンス・ウィディコムさん、6歳。ロンドン南部のトゥーティングにある自宅で。

Dominic Lipinski/PA Images via Getty Images

テスコはサンデー・タイムズ紙に、中国の印刷工場でのカードの生産を停止したと語った。ウィディコムさんの家族は、最初はいたずらだと思ったと言った。

このメッセージは、世界中の囚人がほとんどあるいはまったく報酬を受けずに働かされていることを思い出させる。ここ数年、この種の話がメディアで話題になると、小売業者は悪ふざけだと非難し、ジャーナリストは信憑性を確認しようとするがたいていはうまくいかない。

ほとんどのメッセージは中国の工場から発信されており、ウォルマートやプライマークのような小売業者にとっては、中国の安価な労働力を利用しているとしばしば批判されることにつながっている。

2017年3月、アリゾナ州の女性が購入した中国製のハンドバッグの底にSOSのメッセージが入っているのを見つけ、ウォルマートは非難を浴びた。

このメモによると、バッグを作ったのは英山刑務所の受刑者で、「1日14時間働き、正午に休むことも許されない」「深夜まで残業しなければならない。人々は仕事を終わらせなかったことで殴られている」という。

中国のウォルマート。

中国のウォルマート。

Yepoka Yeebo / Business Insider

ウォルマートによると、メッセージが本当かどうかを確認する方法はないという。

2015年、イギリスのニューカッスルに住む男性が、プライマークの靴下の中に、中国の拘置所にいると主張する男性からのメッセージを見つけた。

プライマークによると、これはでっち上げで、同時期に複数のメッセージが現れたという。当時の社長は「この人の主張を世間に知らせるためにプライマークの名前が使われている」と話した。

「この個人と中国のサプライヤーの工場との間には何のつながりも見い出せなかった。製造後に書き込まれた可能性が高く、輸送中または港の倉庫で追加された可能性が考えられる」

アメリカのプライマークの店舗。

アメリカのプライマークの店舗。

AP Photo/Steven Senne

2012年10月、オレゴン州の女性がKマートで販売されていたハロウィーンのデコレーションパックにメモを見つけた。ニューヨーク・タイムズは、メモには「サディスティックな警備員とともに週に7日、1日15時間働いている」と書かれていたと報じた

2012年にKマートのハロウィーン装飾で発見された手紙。元収容者である47歳の男性は、ニューヨーク・タイムズに、自分が書いたと語った。

2012年にKマートのハロウィーン装飾で発見された手紙。元収容者である47歳の男性は、ニューヨーク・タイムズに、自分が書いたと語った。

YouTube

しかし、2013年5月、47歳の元収容者が、手紙を書いたと主張し、他にも20件もそうだ、とタイムズは報じている。

男性は「長い間、手紙が海外で発見されることを空想していたが、時が経つにつれ、私は希望を捨て、それらのことを忘れてしまった」と語り、書き込みが実証されたまれな例としてタイムズで紹介された。

2017年、イスタンブールのZaraで買い物をした人々が「私はあなたが買う商品を作ったが、報酬が支払われていない」という札が店内に散らばっているのを見つけた。

Voxによると、近くで製品を製造している工場の従業員は、最近、工場が閉鎖されることを知らされたので抗議として始めたという。

これらの話は信憑性がありそうだが、決定的な証拠の発見には至らず、一部ではマーケティングやPR活動ではないかと言われている。

中国の工場でアメリカ国旗を作る従業員。2017年。

中国の工場でアメリカ国旗を作る従業員。2017年。

REUTERS/Stringer

書き込みに対する責任は、多くの場合、政府に抗議したり、混乱させようとしたりする活動家が負わされる。

2014年6月、イギリス・ウェールズのスウォンジーの店舗で販売されていた2つのサマードレスでメモが見つかったとき、プライマークは再び自らを擁護した

プライマークは、それはデマであると延べ、なぜなら1つのドレスはインドで作られ、もう1つはルーマニアでで作られているからだと指摘した。

Voxによると、書き込みが発見される直前に、活動家グループがプライマークの労働者の扱いに抗議していた。Voxは、2013年にプライマーク製品を製造しているバングラデシュの工場が崩壊して1100人が死亡した後に、「貧困への戦い(War on Want)」がキャンペーンを主導したと報じた。

[原文:A 6-year-old girl found a Christmas card with an apparent call for help from a prisoner in China inside. We'll probably never find out if the message was real.

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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