都会に疲れたら行ってみたい…北極圏での巣ごもり体験

住民よりも多くのトナカイが生息するラップランド

住民よりも多くのトナカイが生息するラップランドは、世界でも最高レベルの澄んだ空気を堪能できる場所でもある。

Samuel Taipale / Courtesy HaliPuu

フィンランド北部のラップランド地域。松の木々が生える人里離れた森を訪ね、ハンモックに横たわる人たちがいる。しかもこの人たちは、わざわざ料金を払ってこの体験に参加している。

全部で2時間にわたるこのウェルネス体験は、「アークティック・コクーニング(Arctic Cocooning:北極での巣篭もり)」と呼ばれていて、フィンランドでも最も北に位置するこの地域に数世代にわたって住んできたレカッリオ(Raekallio)家によって提供されている。

レカッリオ家がこのサービスを開始したのは2017年秋のこと。一家が所有する「ハリプー(HaliPuu)の森」の癒やし効果を、ゲストにも体験してもらうことを目的としている。考案者のリーッタ・レカッリオ=ブンデリンク(Riitta Raekallio-Wunderink)さんによれば、このような体験を提供するのは、フィンランドではここが最初だという。

アークティック・コクーニングの料金は、1人あたり98ユーロ(約1万2000円)。ガイド付きでの森の散策、感覚をリラックスさせるエクササイズなどを体験できる。では、その様子を写真とともに紹介しよう。

ハリプーの森は、フィンランド最北の地域、ラップランドに位置する。著名なスキーリゾート、レヴィ(Levi)からもほど近い

ハリプーの森は、フィンランド最北の地域、ラップランドに位置する。著名なスキーリゾート、レヴィ(Levi)からもほど近い

Google Maps

最寄のキッティラ(Kittilä)空港へは、国際空港であるヘルシンキ空港から直行便が出ている。

ラップランドには、住民よりも多くのトナカイが生息している。そして、世界でも最高クラスの澄んだ空気が味わえる場所でもある

ラップランドには、住民よりも多くのトナカイが生息している。そして、世界でも最高クラスの澄んだ空気が味わえる場所でもある。

Courtesy HaliPuu

ラップランドに生息するトナカイは約20万頭を数える。一方、住民の数は18万人ほどだという(ラップランド観光局調べ)。

Source:House of Lapland;India Today

ラップランドは北極圏に位置するため、冬はまったく太陽が昇らない日が続き、逆に夏の間は太陽が1日中沈まない

ラップランドは北極圏に位置するため、冬はまったく太陽が昇らない日が続き、逆に夏の間は太陽が1日中沈まない

Courtesy HaliPuu

キッティラに通年で住んでいる人はわずか6436人だが、この地域を訪れる観光客は年間75万人にのぼる。ハイキング、スキー、オーロラ、温泉など、その目的はさまざまだ。この地の観光では、自然に親しむものやウェルネスをテーマにしたものなど、多様なアクティビティが用意されている。

Source:Kittilä;Levi-Lapland;Levi Tourist Office

リーッタさんは夫のステファン(Steffan)さんとともに、この地を訪れる人たちに北極圏の自然とひとつになる感覚を体験してもらおうと、アークティック・コクーニングを考案した

リーッタさんは夫のステファン(Steffan)さんとともに、この地を訪れる人たちに北極圏の自然とひとつになる感覚を体験してもらおうと、アークティック・コクーニングを考案した

Courtesy HaliPuu

レカッリオ家は長年、一家の所有地で「木の里親」プログラムを実施している。ハリプー(HaliPuu、フィンランド語で「木を抱きしめる」の意味)と名付けられた場所で樹木を保護してきた。

アークティック・コクーニングは2017年秋に始めた。その目的は、「森に守られている」体験を共有することだと、リーッタさんはBusiness Insiderに話してくれた。

リーッタさんによれば、アークティック・コクーニングのような体験が味わえるのは、フィンランドではここだけだという。

アークティック・コクーニング体験は、ガイド付きの散策で始まる。レカッリオ家が所有する森林で、ラップランドに生える樹齢100年以上の松の間を歩いて回る

アークティック・コクーニング体験は、ガイド付きの散策で始まる。レカッリオ家が所有する森林で、ラップランドに生える樹齢100年以上の松の間を歩いて回る

Courtesy HaliPuu


森の中のハンモック(「コクーン(繭、保護するもの)」と呼んでいる)が張られた場所に到着すると、ゲストはステファンさんとリーッタさんの指導に従い、感覚をリラックスさせるエクササイズを行う

森の中のハンモック(「コクーン(繭、保護するもの)」と呼んでいる)が張られた場所に到着すると、ゲストはステファンさんとリーッタさんの指導に従い、感覚をリラックスさせるエクササイズを行う

Courtesy HaliPuu


その後、ゲストはそれぞれのハンモックに案内され……

その後、ゲストはそれぞれのハンモックに案内され……

Juha Tolonen / Courtesy HaliPuu


……暖かい毛布に包まれる

……暖かい毛布に包まれる

Courtesy HaliPuu


このコクーニング体験は、その日の外気温に応じて、20分から45分ほど行われる

このコクーニング体験は、その日の外気温に応じて、20分から45分ほど行われる

Samuel Taipale / Courtesy HaliPuu

「フィンランドでは、真冬でも、赤ちゃんは外でお昼寝をする。寒くないようにしっかりと毛布に包まれ、優しく揺れる乳母車に収まる」と、リーッタさんはフィンランドの習慣について説明した。

「この体験も、ある意味ではそれと同じことだ。ゲストのみなさんは暖かい毛布に包まれ、(ハンモックに)気持ちよく収まって、林の中でお昼寝をする。ゆらゆらと揺れるハンモックのなかから、木のてっぺん、さらには広大な北極圏の空を見上げながら」

フィンランド政府観光局による説明も、この体験の「何もしない」ことの良さを強調している。

「成し遂げるべき目標や、やるべきことなどはない。ただそこにいるだけで良いのだ」

コクーニング体験が終わった後、ゲストはたき火の周りに集まり、地元産のコケモモが入ったマシュマロを焼く

コクーニング体験が終わった後、ゲストはたき火の周りに集まり、地元産のコケモモが入ったマシュマロを焼く

Juha Tolonen / Courtesy HaliPuu


また、冬の時期には伝統の暖かいブルーベリー・スープが供されるほか…

また、冬の時期には伝統の暖かいブルーベリー・スープが供されるほか……

Courtesy HaliPuu


……オプションで、こだわりのコーヒーや自家製クッキーも味わえる

……オプションで、こだわりのコーヒーや自家製クッキーも味わえる

Courtesy HaliPuu


リーッタさんとステファンさんは通常、1回につき2名から10名のゲストを案内している

リーッタさんとステファンさんは通常、1回につき2名から10名のゲストを案内している

Olli Autonen / Courtesy HaliPuu

プログラムの内容を調整することで、20人までは対応が可能

コクーニング体験の所要時間は2時間だ

コクーニング体験は、全部で2時間だ

Courtesy HaliPuu

料金は、1人あたり98ユーロ(約1万2000円)。コーヒーとクッキー付きの場合は、さらに15ユーロ(約1800円)の追加料金がかかる。

フィンランドまではとても行けないという人でも、この極北の森を体験できる方法がある。レカッリオ家は2019年12月に、モバイルアプリ「HaliPuu - Forest in Your Pocket(ハリプー:森をあなたのポケットに)」をGoogle Play上に公開した。森からのライブ中継、瞑想用のビデオクリップ、動画、読み物などのコンテンツが用意されている。

リーッタさんはBusiness Insiderに対し、このアプリを作成した目的について以下のように語った。

「私たちの目的は、自然とふれあう体験を人々と共有することだ。人々に、絆に気づいてほしいと思っている。これまで存在に気づいてさえいなかったかもしれないつながりを思い出してほしい」

[原文:A Finnish family is offering a wellness experience called 'Arctic cocooning' where they tuck customers into hammocks in a remote pine forest in the winter. Here's what it's like.

(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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