昨冬大ヒットしたロイヤルホストの「苺のブリュレパフェ」。コーンフレークは使われていない。
撮影:西山里緒
「M-1グランプリ」で優勝したミルクボーイのネタに使われ、話題沸騰中のコーンフレーク。
「パフェとかのかさ増しに使われているらしい」という説明に、スプーンで掘っても掘ってもコーンフレークのジャリジャリという音しか聞こえない、「法律スレスレ」のパフェを思い浮かべ、大爆笑した人も多いと思います。
日本ケロッグや和菓子メーカーがSNSでコーンフレークネタに次々に乗っかる中、ファミレスのガストのTwitterアカウントも、「もしかして #コーンフレーク の口になってますか??北海道ソフトのいちごパフェでも活躍しています!」と、コーンフレーク入りのパフェをアピール。
かさ増しの程度が法律を犯してるなら(罪名は詐欺でしょうか?)「私も動くよ」とばかりにパトロールを進めると、令和の時代はパフェの脱コーンフレークが進んでいるという意外な事実が明らかになりました。
ガストご自慢のコーンフレーク入りパフェの実態は?
ガストがお勧めするコーンフレーク入りパフェは、「北海道ソフトのいちごパフェ」(税抜き649円)です。
昼ごはんを食べた後、早速お店に行って注文しました。
横から見る限り、コーンフレークの存在は感じ取れません。
外から見る限り、コーンフレークの気配がないガストのパフェ。
撮影:浦上早苗
今回のミッションは、パフェを食べるというより、「パフェに入ったコーンフレークを食べる」ことなので、生クリームとイチゴを、めくりながら口に入れていきました。すると、中から薄いじゅうたんのようなコーンフレーク地帯がついに現れ、「コーンフレークやないか!」と小声で突っ込みを入れました。
こんな食べ方は不本意ながら、上のイチゴを最初に片付けてしまう。と、そこにお目当てのアレが。
ところが、コーンフレークは「かさ増し」に使われているどころか、ぱらぱらとアクセント的に散らされている程度で、薄い層の下はゼリーとヨーグルトが詰まっていました。
パフェに入っているコーンフレークは写真に映っている程度。全くかさ増しになっていない。
法律スレスレどころか、ガストの優しさを感じます。
ミルクボーイに食べてほしい、もなかとコーンフレークのコラボ
仙台銘菓「萩の月」を製造する菓匠三全のTwitterアカウントも、コーンフレークネタに反応しました。
同社が埼玉県の高速道路サービスエリアにある店舗で販売している「ずんだ白玉パフェ」は、コーンフレークだけでなく、決勝のネタだった「もなか」も入っている「奇跡」とのこと。大変気になりますが、車を持っていない私は駆け付けることかないません。冬休みの宿題とします。
コーンフレークの親戚も続々
ところで、ミルクボーイの駒場さんの「パフェとかのかさ増しに使われているらしい」という言葉に、内海さんは間髪入れず「コーンフレークや!」と突っ込みましたが、調べてみると、ミルクボーイ風にいうところの「コーンフレークの親戚」的な食材で代替しているチェーン店も結構ありました。
スシローのパフェは、ファンから「コーンフレークでかさ増ししてない」との投稿が多く寄せられており、公式アカウントもM-1の番組終了後すぐに、「スシローのパフェは#コーンフレーク の代わりに#スポンジケーキ が入ってるやん‼」とツイートしています。
そしてファミレス大手のデニーズのパフェは、コーンフレークではなくグラノーラが入っているそうです。
SNSでは「デニーズのパフェはコーンフレークではなくグラノーラを使っていて好き」との投稿が少なくない。
デニーズプレスリリースより。
ミルクボーイは、「もなかともみじ饅頭がいとこ」と言ってましたが、コーンフレークとグラノーラも、3親等くらいの近さを感じます。
フルグラを展開しているカルビーは、「次はグラノーラのネタでお願い!」と思っていそうですが、グラノーラの立ち位置を考えると、コーンフレークほどは面白くならないかもしれません。
コーンフレークをあえて使わないロイホ、その理由は
さて、ミルクボーイのネタからも分かるように、パフェのコーンフレークは、基本的には「悪」なのです。法律スレスレなので「グレー」と言った方がより適切でしょうか。
「M-1グランプリ2019」第15代王者となったミルクボーイ。
出典:M-1グランプリ2019公式サイト
周囲の意見やSNSの反応を見ると、パフェにコーンフレークを入れるのは「ごまかし」「邪道」「ずる」「逃げ」と、辛辣な言葉が並んでいます。パフェにおけるコーンフレークの意味を論じる「コーンフレーク問題」なるものも、昔から存在するようです。
そして、そんなパフェ原理主義者を納得させるファミレスが、ロイヤルホストらしいです。
昨冬、ロイヤルホストが期間限定で提供している「苺のブリュレパフェ」を食べに行った後輩も、「コーンフレークや適当なグラノーラ等でお茶を濁そうという『逃げ』もない」と論評記事を書いていました。Twitterを検索しても、「コーンフレークを使ってない、さすがロイホだ」との誉め言葉が並びます。
ということで、私はロイヤルホストに向かうことにしました。看板はブリュレパフェらしいですが、ガストで食べた後でおなかいっぱいなので、食後にオススメという「紅玉りんごと紅茶シフォンの小さなパフェ」を注文しました。
クリスマスケーキからのパフェはしごで、泣く泣く小さいパフェを注文。
本来、コーンフレークが収まるべきポジションには、小さくカットされたシフォンケーキが並んでいます。コーンフレークがないと、大人のスイーツへの格上げ感もあります。
ロイヤルホストによると、数種類あるパフェはいずれもコーンフレークを使っていないそうです。
その理由は、「コーンフレークは、食感や味が強いため、フルーツやパフェ全体の調和を考えて、入れておりません」(広報担当者)とのこと。
ミルクボーイの漫才を機に調べてみると、パフェの脱コーンフレーク化が着実に進んでいることが分かりました。
昭和生まれ、冷たいものが歯にしみがちな私は、アイスのおともにウエハースやコーンフレークがあると、割とありがたいのですが、令和の時代が進むと、「パフェのかさ増しに使われている」と言われても、「コーンフレークや!」という答えが出てこなくなるかもしれません。
(文・写真、浦上早苗)