ハダカデバネズミはワーカホリック、その驚異の生態……30年生き、高度な社会性も【2020年干支】

ハダカデバネズミ

食べ物をつかむ、ハダカデバネズミ。

Neil Bromhall/Shutterstock.com

2020年の干支「子年(ねずみどし)」。いま、研究者の間で注目の的となっている「すごいネズミ」がいる。

アフリカ大陸東部、サバンナの地下にトンネルを作って生活している「ハダカデバネズミ」だ。「ハダカ(裸)」や「デバ(出歯)」と、なんとも可愛げのない名前だが、その生態が驚異的だと、大いに注目を集めている。

群れ(コロニー)の中に女王ネズミ働きネズミといった“階級”があり、高度な社会生活を営んでいたり、寿命が約30年と一般的なネズミに比べて長かったり、さらにがん耐性老化耐性低酸素状態への耐性があったりと、ただのネズミとは思えない、かなりすごいヤツである。

【すごい生態その1】地中生活に最適化して「ハダカ」と「デバ」を獲得

ハダカデバネズミ

実験室で飼育されているハダカデバネズミ。唇を覆うように皮膚を突き破って上下から歯が出ている。この状態は「口を閉じている状態」。口の中には、さらに咀嚼するための歯がある。

提供:総合研究大学院大学 沓掛展之教授

ハダカデバネズミはネズミの仲間であるげっ歯類で、分類的にはモルモットやヤマアラシに近い。皮膚にはネコのヒゲに相当する「感覚毛」(刺激を感知するセンサーのような役割)が少しある程度で、基本的に体毛がなく“ハダカ”だ。また、唇の上下から皮膚を突き破って飛び出している「出っ歯」が特徴的。加えて、地中での生活が長く、目はほぼ見えない

「デバネズミ」の仲間は約20種類存在し、全てアフリカに生息している。ただし、その中で“ハダカ”なのはハダカデバネズミだけだ。

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