「ペットボトルはダサい」タピオカも紙ストローに。エシカル消費が「当たり前」な世代

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環境に優しい商品を選ぶ、エシカル(倫理的)消費が2020年はますます盛り上がりそうだ。

企業がプラスチック製ストローの廃止を決めたり、お菓子の包装を環境負荷の少ない素材に変更したりと、2019年は次々にエシカル消費が打ち出された1年だった。エシカル消費の流れは脱プラスチックにとどまらず、大量の食品ロスを生むコンビニ業界や、多くの衣服を廃棄しているファッション業界への批判にもつながった。

消費者の意識も急速に変化しつつあり、環境保護への意識の高い若い世代からは「ペットボトルはダサい」という声も。

「ちょっと不便。でも気にならない」

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買い物袋の有料化をきっかけに、生活を見直す人たちも増えている(写真はイメージです)。

撮影:今村拓馬

都内の大学に通う女子大生(21)は、ファッションブランド「earth music&ecology(アース ミュージック&エコロジー)」で買い物した際、袋が有料化され、1枚20円すると言われて驚いたという。それ以来、買った商品はバッグに詰めたり、そのまま手にもって持ち帰るようにしている。

「袋は家に帰って捨ててしまうことも多かったので、袋はいらないかな。ちょっと不便ではあるけれど、全然気にならなくなりました」

都内在住の会社員の女性(42)は、レジ物袋が有料化される店が増えたことをきっかけに、家庭で出るプラスチックごみの分別を意識的に始めたという。

これまで可燃ごみとして捨てていた野菜を包むプラスチックなども、洗ってから分別したところ、プラごみは約2倍の量になったという。

「分別してみると、身の回りにはこんなにもプラスチックが多いのかと。環境の負荷を考えると大きな問題。社会の環境への意識のギアが変わったと思うので、できることを続けたい」

ブームのタピオカも紙ストローの時代へ

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脱プラスチックの動きで注目されたのがストローだ。

スターバックスコーヒージャパンでは、2020年1月から段階的に紙ストローを導入すると発表。3月から日本の全店約1500店で提供するとしており、これにより年間約2億本のプラスチックストローが削減されるという。

タピオカドリンクで知られるティーストア「THE ALLER(ジ アレイ)」を日本で運営するポトマックは、2019年9月にオープンした「渋谷道玄坂店」など、関東4店舗でこれまでのプラスチック製ストローではなく紙ストローを採用した。

当初は「時間がたつとふやけてしまい、タピオカを吸いにくい」という声もあったが、徐々に浸透してきたという。ポトマックによると「すべてのプラスチックをすぐに廃止するのは難しいので、まずは紙ストローを導入した。今後は他の店舗でも紙ストローに切り替えていきたい」と話す。

紙ストローを記者も初体験

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タピオカミルクティーの「アイス」(右)と「マイルドホット」を注文。どちらの温度でも15分で飲み終えるまでは強度に問題はなかった。

撮影:横山耕太郎

実際の紙ストローはどんなものか。10代20代でにぎわう「ジ アレイ渋谷道玄坂店」に、タピオカドリンク好きのインターン記者と向かった。

タピオカドリンク用の紙ストローは直径約1.5センチで太めだ。口に入れたときには、最初紙の匂いがしたものの、飲んでいるうちに気にならなくなった。口に入れる部分が次第に柔らかくなったが、15分ほどで飲み切るまで強度に問題はなかった。

インターン記者は「ストローが口にくっつく感じがある。慣れるまでには時間がかかるかもしれない」と話していた。

脱プラに続々生まれ変わるお菓子たち

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紙製のパッケージに切り替わった「キットカット」。

撮影:横山耕太郎

ストローだけでなく、企業側は次々に脱プラスチックの方針を打ち出している。

ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは、9月からプラスチック製のショッピングバッグを、再生紙を使った紙製バッグに変更。2020年中に、全世界のグループ全体でプラスチック包装を85%、約7800万トンの削減を目指す。

お菓子の「キットカット」の外袋も2019年9月からプラスチックから紙に切り替わった。販売のネスレ日本によると、製品の包装材料を2025年までに100%リサイクル可能、あるいはリユース可能にするという。

カルビーも11月に発売した商品で、初めてクラフト包材を使用したパッケージを使用。再生可能なバイオマスインクも使用しているという。

コンビニ廃棄に厳しい目、減らす取り組み相次ぐ

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環境への負荷が大きい企業へ向けられる視線は、一層厳しくなってきている。

消費期限が過ぎたお弁当など多くの食品ロスを生むコンビニ業界も、変化を迫られている。

ファミリーマートでは2019年のクリスマスに、ケーキを完全予約制に切り替えて、売れ残りが出ないように。ローソンでは今後、消費期限が迫った商品を値引きして販売する「見切り販売」を、加盟店に勧める方針だ。これまでは値下げが常態化することを避けるため、一部の店舗しか行っていなかったという。

ファッション業界でも、衣服の大量廃棄が問題視された。

ファストファッション大手H&Mは、2011年から環境に配慮したエコな素材で作られる「コンシャスコレクション」を発売しているが、2018年に発表した決算レポートで、43億ドル(約4680億円)の売れ残り在庫が出ていると発表。ファストファッション大手のZARAは2019年7月、すべての製品を2025年までにサステナブルな素材で製造するとした。

「ペットボトルはかっこ悪い」世代が求めるものとは

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消費者の意識も確実に変化し始めている。

都内の私立大学1年生の男性(19)は、エシカル消費を「当たり前のこと」と考えている。

「周囲ではペットボトルで飲み物を飲むのはダサいという意識があります。飲み物はマイボトルを持ち歩くのが基本です。プラスチック製の袋を使いまくるのも、日本ははっきり言って世界から遅れている」

2020年、エシカル消費が企業にとってのキーワードになるかもしれない。

前出の男子大学生はこう続けた。

「僕たちの世代では、消費の考えがかなり変わってきている。これからは売れるものも変わっていくと思います」

(文・横山耕太郎)

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