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一部議員は戦争権限決議案の採決を要求! トランプ大統領、自身のツイッター投稿は今やイラン攻撃に関する議会への「正式な通知」と主張

トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領。

Associated Press

  • アメリカのトランプ大統領は1月5日(現地時間)、自身のツイートが今や米軍のイラン攻撃に関する連邦議会への正式な通知と見なされると主張した。
  • トランプ大統領のこの主張に根拠はない。ツイートは連邦議会への正式な通知にはあたらない。
  • アメリカでは、トランプ政権が1月3日に大統領の命じた空爆によってイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が死亡したと発表した後、戦時の行政権限 vs 立法権をめぐる議論が再燃している。
  • その後、トランプ大統領はイランが報復すれば、アメリカはイランの文化遺産を攻撃する —— これは戦争犯罪となりかねない —— と脅すことで、火に油を注いでいる。
  • イラン政府は5日、ウラン濃縮に関して一斉の制限を撤廃すると発表し、2015年に結んだ核合意からさらに逸脱する姿勢を打ち出している。

トランプ大統領は1月5日、自身のツイートが今や米軍によるイラン攻撃のあらゆる計画に関する連邦議会への正式な通知と見なされると主張した。

「こうしたメディアへの投稿は、アメリカ連邦議会への通知としての役割を果たすだろう。イランがアメリカ人やアメリカの標的を攻撃すれば、アメリカは早急かつ完全に、そして恐らくは不釣り合いな方法でこれに反撃するだろう」と、トランプ大統領はツイートし、「こうした通知は法的に義務付けられていないにもかかわらず、行われてきた! 」と主張した。

ツイートは、正式な通知にはあたらない。

アメリカでは、軍事行動が急を要する場合、大統領に議会への事前の相談は法的に義務付けられていないが、憲法上、宣戦布告の権限は議会のみに認められている。また、歴代大統領たちは国家の安全保障にかかる問題について、ほぼ必ず「ギャング・オブ・エイト(Gang of 8)」として知られる議会の有力者グループに事前に相談してきた。

トランプ政権が1月3日に大統領の命じた空爆によってイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が死亡したと発表した後、アメリカでは戦時の行政権限 vs 立法権をめぐる議論が再燃している。

ソレイマニ司令官はイランで尊敬を集める人物で、トランプ大統領は同司令官の暗殺を命令することでイランに対して「戦争行為」を犯していると批判されてきたことから、ソレイマニ司令官の死亡を受け、イランがどのように、そしてどのくらいの報復をするか、注目が集まっている。

今回の攻撃をめぐっては、事前に相談も通知もなかったとして、民主党議員らの批判も招いた。

バージニア州選出のティム・ケイン上院議員は、議会はトランプ大統領に対し、イランに対する追加の軍事行動を取る前に議会の承認を得るよう義務付ける戦争権限決議案を採決すべきだとの考えを示した。ニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員など複数の民主党議員がこの考えを支持している。その後、ロイターはペロシ下院議長が5日、週内に下院で戦争遂行権限決議案を上程する方針を示したと報じている。

一方、トランプ大統領は今回の攻撃について、戦争を始めるためでなく「戦争を止める」ために行ったと述べている。だが、大統領の行動は自身のレトリックと食い違っているように見える。安全保障や外交政策の専門家らは、大統領の動きは恐らく、緊迫したイランとアメリカの関係をここ数年来、最も大幅に悪化させるだろうと考えている。

さらに、トランプ大統領は4日、「もしイランがアメリカ人やアメリカの資産を攻撃すれば、我々はイランの52か所を標的にしており、その一部はイランやイランの文化にとって非常にハイレベルかつ重要なものであり、こうした標的やイランそのものが、非常に迅速かつ激しく攻撃されるだろう」とツイートし、火に油を注いだ。52カ所という数字は、1979年にイランで起きた米大使館占拠事件で人質になったアメリカ人の数だと説明している。

意図的に文化施設や文化遺産を標的にするのは、戦争犯罪となりかねない

トランプ大統領の扇動的なコメントとソレイマニ司令官の死を受け、イランは復讐を誓っている。油田の攻撃やサイバー攻撃、中東におけるアメリカ人の誘拐および処刑、核兵器の開発など、さまざまな対応の可能性がある。

実際、イラン政府は5日、ウラン濃縮に関して一斉の制限を撤廃すると発表し、2015年に結んだ核合意 —— 正式には「包括的共同作業計画(Joint Comprehensive Plan of Action: JCPOA)」として知られる —— からさらに逸脱する姿勢を打ち出している。

オバマ政権が交渉したこの核合意は、2018年5月にトランプ大統領が一方的に離脱して以来、崩壊の危機に瀕している。トランプ大統領の離脱の決断は、戦争への不安を段階的に高めるきっかけと広く見なされている

アメリカが離脱した後も、イランは約1年間、合意を守ってきた。だが、トランプ大統領が経済制裁を含めイランに対する「最大限のプレッシャー」キャンペーンを実行する中、合意から逸脱する姿勢を見せ始めた。

[原文:Trump claims his 'Media Posts' on Twitter now count as official notification to Congress about any plans to attack Iran

(翻訳、編集:山口佳美)

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