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- カルロス・ゴーン被告は、日本からレバノンに逃亡した。
- チューレーン大学教授でセキュリティ専門家のロバート・アレンは、ゴーンの脱出を計画した人物は熟練しているが、名のあるセキュリティ会社の仕事ではないだろうという。なぜなら、失敗によって評判を落とす危険を冒したくないからだ。
- この種の大きな賭けを成功させるには、発見される可能性を最小限に抑える必要がある。 例えば、夜にプライベート空港を使用するような方法で、とアレンは指摘する。
- アレンは、この作戦にどれくらいのお金がかかったのかを判断するのは難しいが数百万ドルだろうという。
- ゴーンは何らかのコンテナで運ばれたと推測されている。 そのシナリオは理にかなっている、変装では厳しい出入国審査に耐えられないだろうと、アレンは言う。
カルロス・ゴーン被告の日本から逃亡劇は、チューレーン大学の教授でセキュリティの専門家であるロバート・アレン(Robert Allen)によると、2つの優先事項を持っていた可能性が高い。迅速かつ慎重に行われることだ。
ルノー、日産、三菱連合のトップだったゴーンは、会社のお金を個人的に使用したなどと告発された後、日本で裁判を待っていた。 彼はそれらの訴えを否定していた。
ゴーンは12月29日夜に日本から逃げた、とロイターは報じている。ロイターによると、彼はイスタンブールで飛行機を乗り換えて、最終的に彼が育ったレバノンに到着したという。彼が公判が2021年4月まで延期されることを知っていたため、日本から逃げるという決断を動機付けたのではないかという。また、99%の有罪判決率を有する日本の司法制度について懐疑的であった。
アレンは、今回の作戦にどれくらいの費用がかかったかを判断するのは難しいが、数百万ドルだと推定した。
作戦を遂行するためにゴーンが雇った人々についての推測はさまざまだ。 ロイター通信は、彼らを「民間警備会社(private security firm)」と呼んだが、フィナンシャル・タイムズは「民間警備隊(private security operatives)」という用語を使った。 いずれにせよ、ゴーンの脱出を計画した人は熟練している可能性が高い、とアレンは言ったが、名の知れたセキュリティ会社の仕事ではないだろうと見ている。なぜなら、失敗によって評判を落とす危険を冒したくないからだ。
「これは間違いなくアマチュアの仕事ではないが、合法的な会社によるものだとは思わない」とアレンは言った。
「この手のことを熟知している、本当に頭の良い人物が2人以上いたはずだ」
この種の作戦を実行するには、発見される可能性を最小限に抑えるように計画する必要がある。それは、夜間に、プライベート空港を使用するようなことを意味する。そうすることで公共の空港よりも素早く飛行機に乗ることができ、厳しいセキュリティチェックを回避できる。
ゴーンはコントラバスのケースで運ばれたと推測されているが、彼に近い人々はそれを否定している。 しかし、そのシナリオは理にかなっているとアレンは言う。変装したとしても厳しいチェックに耐えられないからだ。2000年代初頭に日産を復活させた伝説を持つ、日本の有名人であるゴーンにとってはなおさらだ。
アレンは、日本の当局がゴーンの逃亡を防ぐために予防措置を取らなかったことにも疑問を投げかけている。特にゴーン氏の動きを追跡するために、電子アンクル・ブレスレットをつけるべきだったという。
「私なら、疑いもなく彼の足首にモニターをつけていたはずだ」とアレンは言った。
「彼は人知れずどこかに行くことはできなかっただろう」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)