ThinkPad X1 Foldの実機。画面の縦横切り替えなどは動作してるようだったが、現時点ではWindows10Xではなく独自にドライバー実装したWindows10のようだ。
撮影:伊藤有
レノボは世界初の“画面を折り曲げられる”(フォルダブル)ノートPC「ThinkPad X1 Fold」の詳細を、米ラスベガスで実質開幕したテクノロジー展示会「CES2020」で一部プレス向けに先行公開した。
X1 Foldは2019年5月に試作機を披露済みだが、今回、実機の装備も含めて詳細を公開した形。
スマートフォンの世界では、有機ELディスプレイを使って、画面を曲げられる端末(国内でもサムスンの「Galaxy Fold」が発売済み)が既に登場しているが、これらと同様の仕組みをノートPCに持ち込んだものと言える。
レノボは、「折り曲げられる有機ELディスプレイを搭載した世界初のフル機能のPC」とアピールしている。
X1 Foldを開いたところ。13.3インチの液晶ディスプレイ。この状態でBluetooth接続のキーボードと組み合わせてPCとして使うこともできる。
撮影:伊藤有
専用フォリオケースの背面の一部が折れ曲がる形で立てかけるスタンドになる構造。
撮影:伊藤有
X1 Foldはフォルダブル機構を搭載することで、利用シーンによって違う画面サイズのタブレットのように使えることが特徴。開いた状態では13.3インチのタブレットPCのような姿。画面解像度は2048×1536ドット。厚さ7.8ミリで、単体重量は約999g。
専用のキックスタンド付きのフォリオケースを装着し、画面を折りたたんだ状態にすると、9.6インチのディスプレイを搭載した小さなノートPCのようにも使える。
専用のBluetoothキーボードを載せると、ディスプレイサイズ10インチ程度の小型PCのような姿になる。
撮影:伊藤有
キーボードを載せたまま、画面を折りたたんで持ち歩ける設計。キーボードが折りたたむ際の邪魔にならないよう、少し隙間をあけてある。
撮影:伊藤有
手前側の画面に専用のBluetoothキーボードを載せられる仕組みは、マイクロソフトが発表済みの2画面PC「Surface Neo」に極めて近い。ペン対応する点も同様だ。
CPUはインテルコアプロセッサーとしか明かされておらず、メモリーは8GB搭載、ストレージは最大1TB。公称バッテリー駆動時間は11時間。無線充電にも対応する。
キーボードの配列。英語配列ということもあるが、Pキーの右側のキーなどにコンパクト化のための工夫が感じられる。
撮影:伊藤有
レノボ関係者によると、後日登場する2画面PC向けOS「Windows 10X」(Surface Neoにも搭載)対応版のX1 Foldも用意するという。
ThinkPad X1 Foldの価格は最小構成で2499ドル(約27万円)からを予定。5G通信機能も搭載できるという。
実機の発売は2020年半ばとアナウンスしており、予定どおりであれば2020年ホリデーシーズンに発売予定のSurface Neoより数カ月早く、市場に登場することになる。
(文、写真・伊藤有)