「アイリッシュマン」
Netflix
- Netflixの作品は、ゴールデングローブ賞に数多くノミネートされたにもかかわらず、わずかな賞しか獲得できなかった。
- しかし、「アイリッシュマン」や「マリッジ・ストーリー」などのストリーミングの巨人の作品をアカデミー賞候補から除外するには早計だ。
- 投票する人々が異なるため、ゴールデングローブ賞は必ずしもアカデミー賞で何が勝つかを示す指標ではない。
2020年のゴールデングローブ賞では、Netflixの作品から映画とテレビの17部門に34のノミネートがあった。しかし、その夜、映画部門で受賞したのは最優秀助演女優賞のローラ・ダーン(「マリッジ・ストーリー」)だけで、テレビでは「ザ・クラウン」のオリビア・コールマンがドラマ部門の最優秀主演女優賞を獲得した。
しかし、まだオスカーレースからストリーミングの巨人を除外することはできない。今年のNetflixの作品は強力だ。そしてゴールデングローブ賞は、アカデミー賞で何が勝つかを示す確かな指標になるとは限らない。
「2人のローマ教皇」
Netflix
Netflixの「ROMA/ローマ」は昨年のアカデミー賞で、同賞での存在感を高めるために最大2000万ドルをキャンペーンに投じたと報じられたことから、「グリーンブック」に作品賞を奪われた。しかし、この映画はアルフォンソ・キュアロンの監督賞を始め、撮影賞、外国語映画賞の3つのオスカーを獲得しており、これは、業界を揺るがしているNetflixが正当なライバルであるとアカデミー会員たちが考えていることを示唆している。
今年、Netflixのオスカーの展望は、批評家に絶賛された複数の映画によって展開されている。実際にNetflixの「マリッジ・ストーリー」はゴールデングローブ賞で6部門にノミネートされ、以下、マーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」は5部門、「二人のローマ教皇」は4部門、エディー・マーフィー主演の「ルディ・レイ・ムーア」は2部門でノミネートされた。
1月13日(現地時間)にノミネート作品が発表されるアカデミー賞では、これらの映画は作品賞を含む複数の部門の候補になる可能性がある。受賞予想ウェブサイトGold Derbyの専門家は、最優秀作品では「アイリッシュマン」がリードしており、それがヒット作であるという事実は疑いようがない。Netflixは先週、同作が2019年の最も人気のあった作品の一つだと述べた。
「マリッジ・ストーリー」
Netflix
さらに、ゴールデングローブ賞は国際的なジャーナリストであるハリウッド外国人映画記者協会の会員によって投票され、それはオスカーに投票する映画芸術科学アカデミーとはまったく別のものだ。
もちろんゴールデングローブ賞によって勢いを得ることができるが、それは何がオスカーを獲得するかを予測するものではない。事実、2010年代にゴールデングローブ賞を獲得し、アカデミー賞も獲得した映画は5作品だけだ。
アカデミー賞がどういう結果になったとしても、近年、Netflixが映画を強化していて、すでに手ごわい存在になったことは否定できない。クアロンやスコセッシなどの映画製作者を惹きつけたのも理解できる。2020年は、デヴィッド・フィンチャー、スパイク・リー、ロン・ハワードなどの監督の映画がリリースされる予定だ。
[原文:Netflix had a dismal night at the Golden Globes, but could still win big at the Oscars]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)