ソレイマニ司令官の肖像写真を掲げる男性。
Reuters
イラン国営テレビは1月8日、米軍がイラク西部に展開するアル・アサド基地にミサイルを発射したと伝えた。ホワイトハウスのグリシャム米大統領報道官も、自身のTwitterで攻撃が事実だと認めている。
米軍はトランプ大統領の命令を受けて1月3日、イランの革命防衛隊(IRGC)の遠征部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官をイラクの首都バグダッドで殺害したと発表。これを受けてイラン側が報復を宣言した。一方で、トランプ大統領もTwitter上で報復にはさらなる攻撃で応じる意向を示すなど、両国間で緊張が高まっていた。
ソレイマニ司令官の喪が明ける1月6日以降、イラン政府が実際に報復攻撃に出るのか、また攻撃するとしたらどのようになされるのか注視されていた。イラク内の米軍基地が攻撃されたことを受けて、ニューヨークの原油市場(WTI)の原油先物価格は、日本時間8日の時間外取引で1バレル=65ドルを突破。米軍がソレイマニ司令官殺害を発表した3日以降で、最高値となった。
ニューヨーク・タイムズなどによると、米国防総省はイランの報復措置に備え、中東地域に4500人を増派する方針だ。今後、米軍がイランの攻撃に対してどのように対応するのか注目される。
(文・吉川慧 )