アメリカのトランプ大統領は、イランによるイラク国内の米軍基地へのミサイル攻撃を受けて自身のTwitterを更新し、「明日の朝に声明を発表する」と表明した。
All is well! Missiles launched from Iran at two military bases located in Iraq. Assessment of casualties & damages taking place now. So far, so good! We have the most powerful and well equipped military anywhere in the world, by far! I will be making a statement tomorrow morning.
トランプ大統領は「全ては順調だ!」とした上で、「イランから、イラクにある2カ所の軍事基地にミサイルが発射された。負傷者、被害を調査している」と説明。「今のところ、全く問題ない!」として、被害は限定的だったとの認識を示した。
一方で、トランプ大統領は「我々は世界最強かつ、十分な装備をしている!」と軍事力を誇示。「明朝、声明を発表する」とつづった。
「報復の連鎖」警戒高まる
イラン政府系ファルス通信が、イラク国内の米軍基地に向けて発射されたミサイルとされる写真をTwitterに掲載。
Twitter/@FarsNews_Agency
アメリカ軍はトランプ大統領の命令を受けて1月3日、イランの革命防衛隊(IRGC)の遠征部隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官らをイラクの首都バグダッドで殺害したと発表した。
これを受けてイラン側が報復を宣言。1月8日、イラン国内の米軍基地をミサイルで攻撃した。
トランプ大統領は、Twitter上で報復にはさらなる攻撃で応じる意向を示すなど、両国間で緊張が高まっていた。
大統領声明、どんな内容になるか?
星条旗がはためくホワイトハウス
REUTERS
現時点でトランプ大統領がどのような声明を発表するかは明らかになっていない。
歴代のアメリカ大統領は何らかの軍事行動や重大な政策、自身の進退について説明する場合、大統領執務室からテレビ中継などを通して国民に支持を訴えてきた。
例えばジョン・F・ケネディ氏は1962年の「キューバ危機」の際、対キューバの海上封鎖ついて説明している。
また、ジョージ・W・ブッシュ氏は2001年の米同時多発テロと2003年のイラク戦争の開戦時に。前任のバラク・オバマ氏はイラク駐留米軍の戦闘任務終結などについて、大統領執務室から演説した。
トランプ大統領の声明の発表がどのような形式で、どのような内容で発表されるのか注視される。
イラン外相「戦争は求めていない」
イランのザリフ外相
REUTERS
イランのザリフ外相は8日、Twitterで「イランは国連憲章に則り(ソレイマニ司令官殺害に対する)釣り合った自衛措置を行使し、終わらせた」と表明した。
Iran took & concluded proportionate measures in self-defense under Article 51 of UN Charter targeting base from which cowardly armed attack against our citizens & senior officials were launched.
We do not seek escalation or war, but will defend ourselves against any aggression.
その上でザリフ外相は「私達は事態のエスカレートや戦争は求めていないが、あらゆる侵略から自分たちを防衛するつもりだ」と投稿した。
(文・吉川慧)