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うつ、肥満、免疫異常やガンのリスクも……健康のカギを握る「睡眠」の謎

| Life

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眠る若い男性の写真

Shutterstock

今、睡眠に対する社会的関心が高まっている。睡眠障害は肥満などメタボリック症候群の引き金になるだけでなく、免疫異常やがんの発生リスクを高める事実も明らかになってきた。

筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史教授が、睡眠と覚醒の切り替えを制御する脳内神経伝達物質「オレキシン」を世界で初めて発見し、一躍世界の注目を集めたのは1998〜1999年のこと。その後、米国の製薬企業のメルクが、オレキシンによる覚醒作用を抑えることで睡眠を促すタイプの新規の睡眠薬を発売。一方で、柳沢教授は覚醒作用を活かす創薬に挑戦している。これが開発されれば、うつ病やアルツハイマー病などによる日中の眠気を抑えるのに加えて、現代人を悩ませる、メタボリック症候群をはじめとした多くの生活習慣病の改善にも期待が集まる。

もう一つ注目したいのは「眠気とは何か」という眠りの本質に迫る研究でも成果が出始めていることだ。柳沢教授は2018年11月、マウスの睡眠と覚醒の制御に関する2つの遺伝子を突き止めて発表した。「睡眠は現代神経科学最大のブラックボックス」と語る柳沢教授に、睡眠研究の現状や展望を聞いた。

柳沢正史(やなぎさわ まさし)

文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長/教授、神経科学・分子薬理学者。1960年東京生まれ。筑波大学医学群・大学院終了、医学博士。博士課程の学生時代に血管の収縮を促すホルモン「エンドセリン」を発見。その成果がノーベル生理学・医学賞を受賞したゴールドシュタイン博士とブラウン博士の目に留まり、米テキサス大サウスウェスタン医学センターに独立研究室を開設。1998年には脳内神経伝達物質「オレキシン」を発見し、睡眠研究の糸口となりうる輝かしい成果となった。2003年には米国科学アカデミー会員に選出。現在の研究は、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択されており、睡眠と覚醒の制御機構の解明を目標として、果敢に挑戦を続けている。2010年に内閣府最先端研究開発支援プログラム(FIRST)の採択を受け、母校の筑波大学に研究室を開設。2012年、文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)を設立し機構長に就任、現在に至る。2016年、紫綬褒章を受章。

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