最新研究で判明! 最低賃金が1ドル上がるだけで、自殺率は3.5~5.9%低下する

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Elaine Thompson/AP Photos

  • 最新研究によると、最低賃金が1ドル(約110円)上がると自殺率の低下につながる可能性がある。
  • エモリー大学の研究者たちは、金融危機(グレートリセッション)の後に労働者の1時間あたりの賃金がもう1ドル高ければ、18~64歳のアメリカ人1万3800人の自殺を予防できただろうとの見方を示した。
  • アメリカでは2000年代初め以降、自殺率が上昇していて、中でも白人の中高年で特に顕著だ。
  • Business Insiderが2019年夏に行った調査では、最低賃金「15ドル」を支持する声は多かったが、見込まれるその経済的なインパクトを知ると支持はぐらついた。

最低賃金が1ドル上がると、高校卒業またはそれ以下の学歴を持つ人々の自殺率が3.5~5.9%低下する可能性がある。『Journal of Epidemiology and Community』に1月7日に掲載された最新研究で分かった。

失業率が高い時、その効果は特に顕著だという。

エモリー大学の研究者たちは、1999年から2017年のアメリカ50州およびワシントンD.C.の月毎の平均自殺率のデータを分析。金融危機(グレートリセッション)の後に労働者の1時間あたりの賃金がもう1ドル高ければ、2009年から2015年にかけて、高卒またはそれ以下の学歴を持つ18~64歳のアメリカ人1万3800人の自殺を予防できただろうとの見方を示した。

同研究ではまた、過去30年間でアメリカ人のうち最も裕福な20%の人々の平均寿命が延びた一方で、最も貧しい20%の人々の平均寿命は縮まったと指摘。労働者の賃金アップは経済格差の是正に役立つかもしれないが、それはそれぞれの置かれた経済環境によるだろうとしている。

アメリカでは2000年代初め以降、自殺率が上昇していて、中でも白人の中高年で特に顕著だ。米疾病予防管理センター(CDC)のデータによると、 1999年から2017年の間に25の州で少なくとも30%増えている。

2020年の大統領選で民主党の候補指名獲得を目指す候補者の大半は、連邦最低賃金を15ドルに上げるよう呼びかけていると、ワシントン・ポストは報じている。連邦最低賃金は現在7.25ドルで、2009年から上がっていない。

その代わり、ここ10年で州政府や地方政府が独自に労働者の賃金を上げてきた。21の州が1月1日から最低賃金を上げた

民主党が多数を占める下院は2019年7月、2025年までに最低賃金を15ドルにする法案を可決したが、共和党が多数を占める上院ではそうはいかず、法律になる可能性は低い。

Business Insiderが2019年に行った調査では、アメリカ人の大多数が最低賃金を上げることを支持していたが、見込まれるトレードオフを知るとその支持はぐらついた。

米議会予算局はその分析の中で、最低賃金を上げるとアメリカ人130万人が貧困から抜け出せる一方で、130万人の雇用が失われるだろうと述べている。

[原文:Hiking the minimum wage by just $1 could lead to a drop in suicide rates, study finds

(翻訳、編集:山口佳美)

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