アメリカの「ファーウェイ排除」は成功するのか…同社の5G製品使用国と情報共有しない法案を提出

ファーウェイの任正非CEO。

ファーウェイの任正非CEO。

AP Photo/Ng Han Guan

  • 共和党のトム・コットン上院議員は1月8日、アメリカがファーウェイの5G機器を利用する国との情報共有を禁じる法案を提出した。
  • アメリカ政府は、ファーウェイが中国政府のためにスパイ行為を働いているとしていて、長期にわたって対立している。
  • 同盟国に対してファーウェイの5G機器を排除するよう、アメリカは懸命に訴えかけてきたが、1年が経過した現在も、大きな成果は見られない。

アメリカの議員は、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)に対して圧力をかけ続けている。

アーカンソー州選出の共和党トム・コットン(Tom Cotton)上院議員は1月8日、アメリカ政府がファーウェイの5G機器を利用する国との情報共有を禁じる法案を提出した。

「我が国は重要な機密情報を、中国共産党が自在に情報収集できる国々と共有すべきではない」とコットン上院議員はCNBCに語った。

アメリカとファーウェイが敵対するようになったのは2012年に遡るが、昨年来の米中貿易戦争以降、緊張感はいっそう高まっている。ファーウェイに対するトランプ政権の論調は激しさを増し、同社が中国政府のためにスパイの役割を果たしていると非難するようになった。ファーウェイはたびたびそれを否定している。

「ファーウェイとの取り引きにより、中国に国益をもたらすことになる。それがどのような結果につながるのか、同盟諸国は慎重に検討してほしい」とコットン氏は付け加えた。

アメリカは同盟国に対し、次世代通信規格「5G」ネットワークからファーウェイの機器を排除するよう説得してきた。

マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は2019年、ファーウェイ機器のインフラとしての使用を許容している国々とパートナーシップを結ぶのは、「難しいこと」になるだろうと、同盟国に警告した。

ポンペオ米国務長官は昨年来、ファーウェイ機器を排除するよう、同盟国に警告している。

アメリカのポンペオ国務長官は昨年来、ファーウェイ機器を排除するよう、同盟国に警告している。

AP Photo/Jacquelyn Martin

だが、アメリカによる同盟国への説得は、まだうまくいっていない。オーストラリアと日本はファーウェイが政府と契約することを禁じたものの、イギリスやドイツといった主要な同盟国は、明確な態度を示していない。中東におけるアメリカの主要な同盟国であるアラブ首長国連邦は2019年2月、ファーウェイによる5Gネットワークを採用すると宣言し、同社を支持する意向を示した。

ファーウェイの通信機器は、安価で高品質だとみなされていることも、ファーウェイ排除に当たっての課題となっている。市場調査会社デローログループ(Dell'Oro Group)の2019年調査によると、ファーウェイは世界の通信機器市場で28%ものシェアを保っている。

ファーウェイ排除に向けたロビー活動は、苦戦を強いられているようだ。ロイターによると、ポンペオ国務長官は、イギリスのドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外務大臣と1月9日に会談し、ファーウェイ排除に向けて最終的な判断を迫る予定だった。だが会談は1月8日に繰り上げられ、その後発表されたラーブ大臣の公式声明によると、イラン情勢に対するイギリスの対応について議論が集中し、ファーウェイについて語られることはなかった。

[原文:A senator wants to ban the US from sharing intelligence with countries using Huawei 5G — which is most of America's allies

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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