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国境を越えた引越しも。気温が3℃上昇すると何が変わる?

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阿部彩子(あべ・あやこ)さん写真

大雪、猛暑、豪雨……。 近年、記録的な異常気象による大規模な災害が世界中で相次いで発生している。

こういうニュースを目にすると、私たちはすぐに人間社会が排出するCO2(二酸化炭素)による地球温暖化の影響を懸念する。だがそれは、もともと10万年規模のスパンで繰り返されている地球自体の気候変動のメカニズムも、影響しているらしいのだ。

地球は、氷床(地表部を覆う総面積5万km²以上の氷塊の集合体)が発達する「氷期」と、氷が解けて海水面が上昇する「間氷期」を約10万年周期で繰り返してきた。氷期はゆっくりと進み、間氷期はその後に急激にやって来る。その変化の波形はまるで「のこぎりの刃」のようだ。

東京大学大気海洋研究所の阿部彩子教授は、謎に満ちた氷期と間氷期のサイクルが起きる理由を、コンピューターの数値モデルで見事に解き明かした。同時に、大気中のCO2の増減が、気候変動の振幅を増幅し不安定にすることも明らかにした。

間氷期に入っている現在の地球のCO2濃度は、産業革命以降の人間の活動によって過去に類を見ないほど上昇している。阿部教授は、「過去の間氷期にも解けたことがない南極やグリーンランドの氷床がこれからどう変化するのか、注意して観測する必要がある」と指摘する。

国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書は、温暖化が洪水、熱波、農作物被害、疾病などで人間社会や自然生態系に甚大な被害を与えると警告している。この間氷期に発達した人類の文明や地球環境は、この先どうなるのだろうか。同報告書の執筆者の1人である阿部教授に伺った。

阿部彩子(あべ・あやこ):東京大学大気海洋研究所 地球表層圏変動研究センター教授 東京生まれ、横浜育ち。1985年、東京大学理学部地学科卒業。スイス連邦工科大学に留学、理学博士取得。1995年、東京大学気候システム研究センター助手、2004年、同助教授。2007年から現職。海洋研究開発機構地球環境変動領域のチームリーダーでもある。2007年、日本気象学会堀内賞受賞。2012年、第32回猿橋賞を受賞。国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次、第6次評価報告書の執筆者を務める。専門:気候システム学、古気候モデリング、氷床力学。

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