ジェネレーションZは、大手テクノロジー企業の大スキャンダルにうんざりしている。
Brad Doherty/AP Images
- ニューヨーク・タイムズによると、Z世代の卒業生の中にはフェイスブックやグーグルのようなテック企業で働きたくない人もいるという。
- アイビーリーグの工学系の卒業生は、かつてグーグル、アマゾン、フェイスブックを最も働きたい職場トップ10にランクインさせ、金融機関もオフィス文化をシリコンバレーに倣うようになった。
- LinkedInやGlassdoorによると、テック企業は依然として働きたい企業の上位にランクされているが、フェイスブックの元リクルーターの中には、採用率がここ数年で40%も低下していると話す人もいる。
フェイスブック(Facebook)とグーグル(Google)は常に、働くのに最適な場所の上位を占めているが、中にはそうは思わない人もいる。
ニューヨーク・タイムズの記事によると、ジェネレーションZ(1996から2010年生まれ)の大卒者は、企業倫理への懸念から大手テクノロジー企業への就職を希望していないという。
過去10年間には、グーグルが2018年に性的暴行が発覚して退職した最高幹部に退職金を支払ったことや、2016年の大統領選に先立ってケンブリッジ・アナリティカ社がトランプ支持の広告を掲載するためにフェイスブックの数百万人のユーザーデータを不正に取得していた疑いがあることなど、大手IT企業を巻き込んだスキャンダルが頻発した。
その結果、フェイスブックの元リクルーターがCNBCに語ったところによると、フルタイムのエンジニアの採用率は40%も下がったという。
ジェネレーションZの新卒者が増えれば、大手IT企業は優秀な人材を失う可能性がある。Z世代の多くは、仕事を探す際に企業の社会的責任を重要視し、企業がその基準を満たしていない場合はすぐに辞めると述べている。
「フェイスブックのような会社での仕事は、投資銀行よりもはるかに大きな規模で社会に害を与える可能性がある」とスタンフォード大学でコンピューターサイエンスを専攻する学生がニューヨーク・タイムズに語っている。
「何百万人もの人々のポケットの中にあり、何百万人もの人々のニュースの源となっている。それは恐ろしい規模で機能している」
グーグルとフェイスブックはかつて、無料の食事やマッサージなどの特典を利用して、優秀な人材を奪い合っていた。しばらくはうまくいっていた。アイビーリーグのエンジニアリング専攻の卒業生は、最も働きたい企業にグーグル、アマゾン、フェイスブックを上げていた。
アイビーリーグの大学では依然として金融系が支配的で、ウォール街での仕事はアメリカのエリート大学生に人気がある。しかし、最近のテック業界の人気の高まりは、金融機関がシリコンバレーを真似て、オフィスカルチャーを緩和するきっかけになった。
グーグルとフェイスブックは、LinkedInとGlassdoorによる2020年「働くのに最適な場所」のリストに名を連ねたが、会社に不満を持つ現役従業員と将来の従業員はこの流れを変えるかもしれない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)