世界5位のスマホメーカー「OPPO」の経営陣が心酔する「日本的経営」

RenoAの画像

中国のスマートフォンメーカー「OPPO」が日本市場に参入して間もなく丸2年。世界のスマートフォン市場では第5位のシェアを誇っている。日本での知名度はまだ高いとはいえないが、発売間もない「Reno A」や「Reno 10x Zoom」など、そのスタイリッシュなデザインとすぐれた機能で、じわじわとファンを増やしている。

同じ中国発のスマホメーカー、ファーウェイ(華為)やシャオミ(小米)とは一味違う戦略で躍進を続けるOPPOの経営哲学とはいかなるものか、オッポジャパン株式会社代表取締役社長の鄧宇辰(とう・うしん)氏に聞いた。

指原莉乃を起用した理由

オッポジャパン株式会社代表取締役社長の鄧宇辰氏

オッポジャパン株式会社代表取締役社長の鄧宇辰氏。

OPPOは2004年に中国で設立し、2008年から携帯電話の製造を開始、日本市場には2018年2月に参入した。だが、これまでその知名度は決して高くはなかった。

しかし、2019年10月にタレントの指原莉乃をイメージキャラクターに起用した「Reno A」を発表。その高い機能性やデザイン性への評価が高まっている。

Reno Aは、とくに「使いやすさ」で好評を得ているという。日本ではもともとiPhoneユーザーが多く、そうした人はアンドロイドの操作性に不満を持っているケースが多い。しかし、Reno Aに関しては、長年iPhoneを使ってきたという人であっても機種変更後の抵抗が少ないと評判だ。しかも、防水機能やFeliCa機能などを備えた日本市場オリジナルのモデル。外観も「手にとりたくなるデザイン」との声が寄せられているという。

ハード面では、これまで発売してきたスマートフォンの強みでもあったカメラ性能のよさが人気を呼んでいる。Reno Aのカメラはもちろん、2019年末に売り出した「Reno 10x Zoom」は、その圧倒的なズーム性能が注目されている。Reno 10x Zoomのアウトカメラには、「4800万画素の超高解像度メインカメラ」「1300万画素の望遠カメラ」「800万画素の広角カメラ」の3つのカメラを搭載。これらのカメラは光学ズーム機能とソフトウェア処理によるハイブリッドズームで、10倍にズームしても画質を落とすことなく、美しい画像を撮影することが可能だ。

RenoAの10倍ズーム

OPPOがこれまで発売してきたスマートフォンはカメラ性能の高さで人気に。2019年末に売り出した「Reno 10x Zoom」は、10倍ズームにしても画質を落とすことなく美しい画像を撮影できる。

「そういう評価を得ているのはうれしいことです。ですが、じつのところ私自身は普段、製品の品質向上のためにもネガティブな情報にしか目がいかないのです」

そう話すのは代表取締役社長の鄧宇辰氏。新製品と名前が同じ指原莉乃をイメージキャラクターに起用したことに触れると、「一緒に仕事をするにつれ、より縁を感じるようになった」と話す。

「指原さんのキャラクターに、OPPOという企業と共通するところがあると思うのです。常に自らの殻を破ろうと挑戦を続けている姿勢はもちろん、ファンの年齢層の広さも。それに、彼女自身とてもクレバーで、歌手はもちろん、MCや女優など、多様性のある活躍をしていますよね。OPPOもそうありたいと考えています」

純粋な「携帯電話メーカー」はいなくなる

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OPPOの設立は2004年。現在は世界のスマホ市場で5位にランクインしている。

Brook Mitchell/Getty Images for OPPO Australia

多様性は、5Gの時代には欠かせないものだ。2020年には日本でもサービスが始まる5Gだが、今後は携帯電話に限らず、あらゆる機器、設備がこれまで以上にネットワークでつながっていくことになる。OPPOでも、5G時代に合わせたウェアラブルデバイス、スマートウォッチやスマートヘッドフォンの発売を予定している。(日本での発売は未定)

「これからは、純粋な意味での携帯電話メーカーというのは存在しなくなりますよ」(鄧氏)

中国ではすでに2019年11月から5Gサービスが始まっており、中国での5Gの普及は速いスピードで進んでいくと予想されているという。

「中国では新しいサービスはいつもかなりのスピードで普及していきます。5Gについても、おそらく2020年には少なくとも2億人が移行し、続いて3~4億人が移行、4年もすればすべての人が5Gサービスを利用するようになるでしょう」(鄧氏)

中国でのメーカー間の競争は非常に激しい。1社が5Gの商品を出せば、他社もすぐに追いつけ追い越せと新商品を出してくる。加えて中国では、5Gに関してはかなりしっかりとしたインフラが整備されている。そうした要素が、5G普及を加速させると考えられている鄧氏は話す。

「日本の5Gについては、キャリアが5G ネットワークをどのくらいのカバー率でスタートするかによっても、展開が変わってくるでしょう」(鄧氏)

OPPO経営陣を動かす「稲盛イズム」

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中国の経営者の中で絶大な人気を誇る稲盛和夫氏。

Koichi Kamoshida/Getty Images

OPPOが海外市場に進出してから、まだ10年ほど。しかし、2019年末までに、海外市場でのスマートフォン販売台数は、すでに中国国内での販売台数を超えている。とはいえ、OPPOが参入しているのはアジア、アフリカ、中東、ヨーロッパの40カ国に過ぎない。アメリカに子会社は置いているが、OPPOブランドとしてはまだ参入していない。

もちろん将来的には、グローバル化をさらに推し進め、世界的なブランドとなることを目指している。そのための日本市場参入でもあると鄧氏は語る。

「日本は、先進的で発達した市場であり、消費者も成熟しています。消費者とのコミュニケーションなど、日本での経験は、今後、グローバルブランドとなっていくうえで重要な意味を持つはず。日本市場には、勉強をするつもりで参入しました」

グローバル化の過程では、国の文化や人口、携帯電話をめぐる習慣など、参入先の国によって異なる事情に対応していくことが求められる。今後さらに困難な課題に取り組んでいくためにも、日本市場でブランドを「鍛錬したい」と鄧氏は話す。

こうした姿勢は、OPPOが掲げる「本分を尽くす」という企業理念からくるものだ。 「製品や販売ルート、市場、戦略などはとても表面的なもの。OPPOの最大の競争力は、文化への理解だと思います。『本分を尽くす』とは、OPPOの企業理念であり文化であり、それは理性と平常心をもってやるべきことを長期的視点でやり抜くということなのです」(鄧氏)

そして、この企業理念に大きな影響力を与えているのが、日本を代表する経営者である稲盛和夫氏の経営哲学だという。

「稲盛さんは、不確かな環境下で多くのプレッシャーや誘惑に直面したとき、心の声に耳を傾けて真摯に向き合ってみろと言っています。そして、どの方向へ進むべきか、その時、最も正しいことを行わなければならない、と。短期的な競争での勝利を追求するのではなく、消費者がほんとうにそれを求めているのかどうかを見極め、他とは異なるものを追求していく。それが、OPPOが進むべき道だと、私たちは考えているのです」(鄧氏)

2020年も、日本の市場に合った製品を

オッポジャパン株式会社代表取締役社長の鄧宇辰氏

2020年は、日本での5Gサービスが始まる。そのなかでOPPOは、どのような目標を掲げているのだろうか。

鄧氏がまず挙げたのは、さらにハイエンドな製品づくり、そして日本での5G端末の発表だ。そして、日本市場に対応した製品で、ユーザーの裾野を広げていく考えだ。

「Reno Aが非常に消費者に受け入れられているので、今後も、防水やFeliCa機能を搭載した、日本向けの製品を販売していきたいですね。そして、首都圏や都市部だけでなく、もっと幅広いお客様にOPPOの製品を手に取っていただけるようにしていきたいです」(鄧氏)

加えて、カスタマーサービスをより一層充実していく計画だという。日本の消費者は他国の市場と比べても購買前の商品研究が熱心な傾向にあり、そうした消費者のニーズに応えるのが狙い。

「私たちの会社が、市場の中でのランキングでどういった順位を占めているかは、あまり重要ではありません。それよりも、これまで市場から学んできたことを商品に表現していきたいし、私たちの商品をもっと受け入れていただけるようにしたい。そうした意味で、より高い目標や夢を抱いて、さらに自らを高めていきたいと考えています」(鄧氏)

稲盛イズムに強い共感を示すOPPOは、今後も徹底して市場に学び、市場に寄り添う姿勢を貫いていく考えだ。


■OPPOについて詳しくはこちら。

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