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オーストラリアの火災、煙が国土の70%を覆う…宇宙ステーションからの最新の写真

オーストラリア火災、宇宙ステーションからの最新の写真

国際宇宙ステーションから見た、オーストラリア火災の煙。

Christina Koch/NASA

NASAのクリスティーナ・コック(Christina Koch)宇宙飛行士は1月14日、短いが力強いメッセージを送った

「オーストラリア。我々の心と思いは、あなた方とともにある」

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のコックは、オーストラリア火災の煙が見える写真を投稿した。上空400kmにいる、彼女の位置から見えるものだ。

オーストラリア火災、宇宙ステーションからの最新の写真

オーストラリアの森林火災の煙。ISSで任務に当たっているNASAのクリスティーナ・コック宇宙飛行士から見えるものだ。

Christina Koch/NASA

760万平方kmのオーストラリアの国土の約70%が、灰色や茶色の煙に覆われている。NASAによると、1月8日までに煙は地球を半周し、南アメリカにもやのかかった空をもたらして、日の出と日の入りを煙ったものにしている。

NASAは、煙が地球を一周してオーストラリアまで戻ってくるとみている。

1月第2週の時点で、オーストラリアの歴史で最悪の状況となったこの森林火災は、10万平方kmの土地を焼き、27人の命を奪い、2000軒の住宅を焼失させた。動物は10億匹が死亡したとみられる。

宇宙から見た火災の煙

人工衛星は数週間にわたり、オーストラリアの森林火災が広がる様子を追ってきた。カメラは、人間の目には見えない、赤外線による火災発生地点(ホットスポット)も示している。データは火災の中心を明らかにできるため、この情報は消火活動をしている現地の消防士らに送られている。

オーストラリア火災、宇宙ステーションからの最新の写真

日本の気象衛星ひまわり8号がとらえた、オーストラリア東部の火災発生地点。2019年11月7日。

RAMMB/CIRA/CSU

ここ数週間で、衛星によって茶色の煙が広がったことが確認された。煙で覆われた面積はアルゼンチンの2倍近く、カナダの半分強になる。

煙に含まれる粒子は、人の目や呼吸器を刺激し、慢性的な心臓病や肺疾患を悪化させる可能性がある。AP通信によると、アメリカではタバコの煙によって毎年推定2万人が早く死亡している。

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気象衛星ひまわり8号がとらえた、オーストラリア東部の森林火災、2020年1月2日。森林からの巨大な煙は、ニュージーランド上空に達し、空を黄色くさせていた。

RAMMB/CIRA/CSU

オーストラリアの火災は9月に始まったが、記録的に乾燥した月だった12月に激しくなった。オーストラリア気象局によると、2019年は史上最も暑い年だった。

1月に入って、多くの地域で雨が降って気温もわずかに低下し、これにより火災は多少弱まったが、大部分はまだ燃え続けている。

気候変動と森林火災

オーストラリアの火災のほとんどは自然発火が原因だが、アマゾンなど近年の他の主要な山火事と同様に、気候変動の影響を受けていると思われる。

大気中の二酸化炭素濃度の増加は気温を上昇させ、暑く乾燥した天気や、長い干ばつ、蒸発率の上昇につながっている。これらの条件が、森林火災のリスクを上げている。

もちろん、問題はオーストラリアに限らない。カリフォルニア州は2018年に史上最悪の山火事を経験し、2019年のシベリアの森林火災では2万6000平方kmが焼失した。

森林火災は、温室効果ガスを大気中に排出することで、さらなる気候変動をもたらすだろう。

「ウールジー・ファイア(Woolsey Fire)」によって、カリフォルニア州マリブの一部が焼失した。2018年11月。

「ウールジー・ファイア(Woolsey Fire)」によって、カリフォルニア州マリブの一部が焼失した。2018年11月。

Associated Press/Ringo H.W. Chiu

エクセター大学の地理学のリチャード・ベッツ(Richard Betts)教授はThe Guardianに、「世界の気候が産業革命前より摂氏3度上がったら、オーストラリアの森林火災のような極端な出来事が当たり前に起こるようになる」と語った。世界の平均が1.1度の上昇に対し、オーストラリアの平均気温は1.4度上がっている。

「未来の世界がどうなるかを示している。気温が3度上昇した世界では何が当たり前になるか、我々はその兆候を見ている」とベッツ教授は述べた。

2019年9月、メルボルンでの気候変動に対する抗議デモ。

2019年9月、メルボルンでの気候変動に対する抗議デモ。

Rosie Perper/Business Insider

だが、オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相の政権は、石炭産業からの排出量をさらに制限する予定はないと述べている。シドニーでは、政府の森林火災と気候変動への対策が不十分だとして、3万人以上が抗議活動を行ったことが、The Sydney Morning Heraldで報じられた。

オーストラリアではあと2か月間、山火事の季節が続く。

[原文:An astronaut in space photographed the giant smoke plume from Australia's fires. 70% of the country is covered in haze

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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