流行を懸念。中国で流行「新型コロナウイルス」が日本で初確認、「ヒトの間での感染は限定的」見解

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日本で確認された新型コロナウイルスに感染した患者は、すでに回復して退院している。

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厚生労働省は1月16日、中国の湖北省武漢市に滞在歴のある肺炎患者を検査したところ、武漢市で流行している新型コロナウイルスに対して陽性だったことを発表。国内で新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生を確認したのは今回が初めて。

武漢市では2019年末から原因不明の肺炎が相次いでおり、2020年1月12日の段階で報告された59例のうち41名で新型コロナウイルスだと診断。うち61歳の男性1人が死亡している。1月13日には、武漢市からタイへ渡航した観光客に感染していたことで、世界的な広がりが懸念されていた。

患者はすでに回復も、ヒトから感染した可能性があり

今回新型コロナウイルスによる肺炎を発症したと思われる患者は、神奈川県在住の30代男性。1月3日から発熱があり、1月6日に武漢市から帰国。その後すぐに医療機関を受診し、10日から入院していた。

現在は症状は軽くなり、1月15日に退院している。

厚生労働省によると、男性は武漢市で多くの感染者が出ている海鮮市場には近づいていなかったものの、詳細不明の肺炎患者と濃厚接触をした可能性があるという。

厚生労働省は

「新型コロナウイルス関連肺炎に関するWHOや国立感染症研究所のリスク評価によると、現時点では本疾患は、家族間などの限定的なヒトからヒトへの感染の可能性が否定できない事例が報告されているものの、持続的なヒトからヒトへの感染の明らかな証拠はありません。風邪やインフルエンザが多い時期であることを踏まえて、咳エチケットや手洗い等、通常の感染対策を行うことが重要です」

と現時点でのヒトからヒトへの感染は限定的であるとみている

ヒトに感染するコロナウイルスは、一般的な風邪のウイルスとしても知られている。しかし、2002年に流行したSARSや、2012年に流行が確認されたMERSなど、重症化する例も確認されている。また日本では1月末の春節に合わせて毎年、多くの中国人観光客が来日するため、日本での流行が懸念される。

(文・三ツ村崇志)

編集部より:初出時、春節を2月としておりましたが、2020年の春節は1月25日です。お詫びして訂正致します。 2020年1月16日 14:15

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