ハーバード卒、NASAの宇宙飛行士候補になったネイビーシールズ隊員が明かす、子どもへのシンプルなアドバイス

ジョニー・キム氏

ジョニー・キム氏。

Robert Markowitz/NASA

  • 米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)の隊員で、ハーバード大学を卒業した医師でもあり、NASAの基礎訓練を修了したジョニー・キム(Jonny Kim)氏は、今やネットで話題のセレブだ。
  • キム氏は、自身のキャリアはいずれも勲章を追い求めたり、人から認められようとしたものではないと言う。そして、キム氏はこうした考え方を自身の子どもたちにも授けたいとしている。
  • 「子どもたちには、わたしを喜ばせるためにはシールズの隊員になったり、医学の道に進んだり、宇宙飛行士になる必要があるなどと感じてほしくない。それはフェアじゃないと思う。子どもたちには自分の人生を生きてほしい」とキム氏は話している。

1月10日(現地時間)、NASAの宇宙飛行士候補生の公開卒業式が開かれた。

この卒業式以来、その経歴から大いに注目されているのが、米海軍に所属するジョニー・キム氏だ。

卒業式に出席したテキサス州選出の共和党のテッド・クルーズ上院議員は、候補生たちの前で自身と同僚のジョン・コーニン上院議員について「我々はこれまでの人生で一体何をしてきたんだ」とジョークを飛ばし、キム氏について「君はハーバードの医学部卒のネイビーシールズだ」とし、「すごいな。だって、彼は君たちを殺せるし、命を救うこともできる —— その全てを宇宙でできるんだ」と話した。

キム氏について「彼に関する映画が作られても、誰も絶対に信じないだろう」と語ったのは、退役軍人に関するポッドキャスト『Zero Blog Thirty』のホスト役の1人だ。

こうしたコメントについて、キム氏は「おもしろいですね」とBusiness Insiderのインタビューで語った。

「こうしたジョークを深刻に受け止めてはいませんが、ありがたく思っています」

トレーニングを受けるキム氏

NASAジョンソン宇宙センターで訓練を受けるキム氏。

Josh Valcarcel/NASA

NASAの訓練を修了したロサンゼルス出身、35歳のキム氏は、マーク・ポランスキー氏に次いで2人目のNASAの韓国系アメリカ人宇宙飛行士だ。

キム氏の経歴を見ると、ネイビーシールズの隊員としてイラクへの2度の派遣を含め100を超える戦闘ミッションに狙撃手、衛生兵、航海士として加わり、シルバースターの勲章を授与された。数学の学位を取ってサンディエゴ大学を卒業したキム氏は、米海軍に入った。

「死んだ仲間たちと約束した」

その後、キム氏はハーバード大学のメディカルスクールに入り、2017年に卒業。キム氏が世界トップクラスの医学部に進学した理由の1つには、2006年にイラクのラマディで展開中に撃たれたかつてのチームメイトたちの存在がある。2人の友人が命を落とし、そのうち1人は顔面を撃たれたという。

「これほど無力感を覚えたことはありません」と、キム氏は2017年に『The Harvard Gazette』で語っている。「わたしにできることはほとんどなくて、出血が気道をふさがないようにし、体勢を保つことくらいでした。彼は手術を必要としていました。彼は医者を必要としていて、最終的にわたしが連れてきましたが…… この時の無力感がわたしにとっては非常に大きいのです」

子どもの頃のキム氏

子どもの頃のジョニー・キム氏。

NASAexplores

素晴らしい経歴を持つキム氏だが、自身のキャリアはいずれも勲章を追い求めたり、人から認められようとしたものではなく、「自分の心に従った」結果だという。

キム氏はBusiness Insiderに語った。

「厳しい戦争体験をし、そこで自分の大好きだった数多くの友人を失った後、わたしは死んだ仲間たちに約束したんです。この世界をより良い場所にするために残りの人生で自分にできる全てのことをやる、と」

「彼らは素晴らしい人間で、ぽっかりと空洞を残していきました」

「わたしはこれを追い求めて、医学部に進んだんです」

「『これは素晴らしい業績になるからやりたい』といったシンプルなものではありませんでした。わたしにとって、これはそんなに浅いものではないんです」

3人の子どもの父親でもあるキム氏は、こうした考え方を自らの子どもたちにも授けたいと言う。

「わたしが望むのは、子どもたちには自分の心に従ってもらいたいということだけです。子どもたちには常にそう言っています」

「子どもたちが『お父さん、アーティストになりたい』と言ってくる時がわたしは大好きなんです」

「わたしは、それは素晴らしいね…… 父さんが望むのは、幸せになってくれること、自分の心に従ってくれることだよと言うんです」

「子どもたちには、わたしを喜ばせるためにはシールズの隊員になったり、医学の道に進んだり、宇宙飛行士になる必要があるなどと感じてほしくありません。それはフェアじゃないと思うからです。子どもたちには自分の人生を生きてほしい。わたしはあらゆる機会をとらえて、これを子どもたちにためらうことなく伝えていくつもりです」

[原文:This Harvard-educated, NASA-qualified, Navy SEAL gives his kids this simple advice every day

(翻訳、編集:山口佳美)

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