ロシア核攻撃用の大陸間弾道ミサイル「タイタンⅡ」の実物を見てきた。旧格納施設が博物館に

ミサイル タイタン 核戦争

1982年に退役した「タイタンⅡ」ミサイル。

Nicole Neri/Reuters

  • アリゾナ州の「タイタン・ミサイル博物館」では、現在は閉鎖された、ロシア(当時のソビエト連邦)への核攻撃を想定して製造された大陸間弾道ミサイル(ICBM)の制御施設を見学できる。
  • 施設内にあるミサイル「タイタンⅡ」は、いまも所在地不明の"ターゲット2"に照準が定められており、1945年に広島と長崎に投下された2つの核爆弾を足した250倍の威力をもつ。

タイタン・ミサイル博物館はアメリカ全土に合計54基配備された「タイタンⅡ」ミサイルの地下式格納施設(サイロ)のうちの1つ。観光客が地下にある発射管制室に立ち入り、冷戦時代につくられた全長103フィート(約31.4メートル)のタイタンⅡの実物を見られるのはここしかない。

深さ147フィート(約44.8メートル)のこのサイロは、アリゾナ州ツーソンの郊外に位置し、一般公開されている。身の毛もよだつようなこの冷戦時代の遺物を写真で見ていこう。

外から見ると、核ミサイルの博物館というより、みやげ屋の入っている建物みたいな感じ。アンテナがいくつか立っていて、サイロは薄茶色をした鉄製のマウンドに覆われていた。

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Nicole Neri/Reuters

簡単な紹介ビデオを見たあと、発射管制室とサイロをめぐる地下ツアーに出発。

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Ellen Ioanes

サイロがまだ使われていた時代、勤務時間に入る兵士たちは、アクセスポータルやエントラップメントエリア(部外者の立ち入りを防ぐセキュリティ設備)を通過するごとに、電話で暗号を伝えて本人確認する必要があった。

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サイロ内には常に4人の兵士がいて、24時間交代で警戒にあたった。機密指定任務のため、単独での立ち入りは許されなかった。

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発射管制室にある24時間時計には協定世界時(グリニッジ平均時)がセットされている。8時間ごとに手動で巻き上げなくてはならないが、施設が役割を終えたいまも、見学者のために時を刻んでいる。

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発射管制室の内部。兵士たちはこの部屋で国家指揮権限者からミサイル発射命令が下るのを待った。運用開始された当時の姿そのままに見える。

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全米に54基、アリゾナ州ツーソンに18基あるサイロの1つがここ。1963年に運用が始まり、レーガン大統領時代の1982年に退役した。他のサイロはアーカンソー州リトルロック周辺とカンザス州マッコーネル空軍基地にある。

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発射管制室と外壁との間は精密に設計された緩衝装置で隔てられている。核攻撃などで爆発が起きても、カップからコーヒーがこぼれることはないという。

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核ミサイルを発射するには、兵士2人がそれぞれに差し込んだキーを同時に回す。58秒後にミサイルは発射される。

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博物館のタイタン2ミサイルは"ターゲット2"が攻撃目標に設定されている。それがどこにあるのか、兵士たちは知らされていなかった。いまも機密情報のままだ。

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タイタン2は発射後30〜35分で目標に到達する。推力4万3000ポンド、核出力9メガトン。広島と長崎に投下された2つの核爆弾の250倍の威力をもつ。

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赤い引き出しにはタイタン2の発射キーが保管されている。機密指定の備品なので左右両側でロック。

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博物館のタイタン2は爆発力を下方向に集中させ、地下施設を破壊する地上爆発型のミサイル。

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SF映画で見たことがあるシーン? 1996年公開の『スタートレック:ファーストコンタクト』はこの博物館で撮影された。こんなロケができるのは、アメリカ全土を探しても、こことサウスダコタ州の「ミニットマン・ミサイル国立史跡」しかない。

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兵士たちは毎日3〜4時間かけて、隅から隅までサイロの点検作業を行っていた。

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