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水中写真コンテストに集まった、美しく印象的な32枚を見てみよう

アマクサクラゲの触手をシェルターにするクラゲウオ。

アマクサクラゲの触手をシェルターにするクラゲウオ。

Tianhong Wang/Ocean Art

  • オーシャン・アート・水中写真コンテスト」では毎年、その年に撮影された優れた水中写真が表彰される。
  • 受賞作は、タツノオトシゴの赤ちゃんの一群や、大きなエイの背中に乗る小さなエイ、廃棄物とともに生きようとする(そしてときに失敗する)生きものなどをありありと伝えている。
  • ここでは、同コンテストから厳選した32作品を紹介しよう。

この世界の大半は水でできている。そして、我々人間は、水のなかで起きているたくさんのことを見逃している。

さいわい、世界中の写真家がカメラとともに水中に潜り、我々には見ることのできない生きものたちを記録している。「オーシャン・アート・水中写真コンテスト(Ocean Art Underwater Photo Competition)」は8年前から毎年、優れた水中写真を表彰している。

最新の受賞作では、いたずら者のアシカから、クラゲの腕に潜り込む魚まで、海の生きものたちの美とドラマが写し出されている。

このコンテストでは、16の部門ごとに最優秀作品が選ばれ、さまざまな種類の生物をとらえた写真や各種の撮影テクニックを使った写真に賞が贈られる。今回は、78カ国から集まった数千点にのぼる写真が審査された。

受賞作は、枝のようにずらりと並ぶタツノオトシゴの赤ちゃんや、変装現場を押さえられた擬態の達人、ごみとともに生きようとする(そしてときに失敗する)生きものたちといった姿をありありと伝えている。とはいえ、次点となった作品も、それらに劣らず、美しかったり奇妙だったりするものばかりだ。

ここでは、受賞作16作品とともに、同コンテストに出品されたそのほかのおすすめ16作品を紹介しよう。


最優秀作品は、南極の氷の下に潜るカニクイアザラシの写真だ

最優秀作品は、南極の氷の下に潜るカニクイアザラシの写真だ。

Greg Lecoeur/Ocean Art

カニクイアザラシという名前が付いているが、このアザラシの主食は、カニではなくオキアミだ。撮影者のグレッグ・ルクール(Greg Lecoeur)は、南極大陸の西部にある南極半島近くで、このアザラシの姿をとらえた。

別の受賞作は、このクマノミの卵のように、もっと小さい生きものの姿をとらえている

別の受賞作は、このクマノミの卵のように、もっと小さい生きものの姿をとらえている

Paolo Isgro/Ocean Art

写真家パオロ・イスグロ(Paolo Isgro)は、インドネシアのトランベンにあるダイビング・スポットでこの卵を見つけた。

「海洋生物行動」部門を制したのは、オーストラリアのクイーンズランド近海で撮影された作品。ガンギエイの一種の背に乗るオグロオトメエイをとらえた珍しい写真だ

「海洋生物行動」部門を制したのは、オーストラリアのクイーンズランド近海で撮影された作品。ガンギエイの一種の背に乗るオグロオトメエイをとらえた珍しい写真だ

Paula Vianna/Ocean Art

小型のエイがこうした行動をとるのは、エネルギーを節約したり、捕食者から身を守ったり、大型のエイの食べ残しにありついたりするためと考えられている。ポーラ・ヴィアナ(Paula Vianna)は、オーストラリアの難破船の沈没場所にほど近い海域で、このエイたちに出会った。

エジプト沖の紅海で撮影された受賞作では、別の魚の友情がとらえられている。ハタとホンソメワケベラだ

エジプト沖の紅海で撮影された受賞作では、別の魚の友情がとらえられている。ハタとホンソメワケベラだ

Ferenc Lorincz/Ocean Art

小さなホンソメワケベラは、ハタの寄生虫や死んだ皮膚、食べ残しを掃除してくれる。まさにウィンウィンの関係だ

落ちつきのない6匹のタツノオトシゴの赤ちゃんが同じ方向に顔を向けたのは、新人写真家のジュールズ・ケイシー(Jules Casey)がこの1枚を撮影した一瞬だけだった

落ちつきのない6匹のタツノオトシゴの赤ちゃんが同じ方向に顔を向けたのは、新人写真家のジュールズ・ケイシー(Jules Casey)がこの1枚を撮影した一瞬だけだった

Jules Casey/Ocean Art

「場面がまったく変わってしまう前の、このわずかな一瞬をとらえられて、本当によかった」。ケイシーはこの写真についてそう書いている。


ウミウシとも呼ばれる裸鰓(らさい)類は、海生軟体動物の一大グループで、それだけでコンテストの一部門になっている

ウミウシとも呼ばれる裸鰓(らさい)類は、海生軟体動物の一大グループで、それだけでコンテストの一部門になっている

Jenny Stock/Ocean Art

この部門の受賞作品は、鮮やかな紫色の蓮華模様のようなウミウシをとらえたもの。撮影されたのは、350種を超える裸鰓類が生息しているオーストラリアのムールーラ川だ。

サンゴ礁は、水中写真家に無限のチャンスを与えてくれる。インドネシアで撮影されたこの写真は、その一例だ

サンゴ礁は、水中写真家に無限のチャンスを与えてくれる。インドネシアで撮影されたこの写真は、その一例だ

Eduardo Acevedo Fernandez/Ocean Art

「サンゴ礁の風景」部門を制したこの写真では、リボンスイートリップス(Ribbon sweetlips)のグループの上を流れる、小さなグラスフィッシュの大群がとらえられている。

このレモンゴビー(Lemon Goby)の夫婦は、捨てられたガラスの上に産んだ卵を見守っている

このレモンゴビー(Lemon Goby)の父と母のペアは、捨てられたガラスの上に産んだ卵を見守っている

Stan Chen/Ocean Art

「この場面を写真に撮ろうと思ったのは、魚が人間の出したゴミと共存する姿を伝えられるからだ」と撮影者のスタン・チェン(Stan Chen)は書いている。


注意:次の写真には動物の死骸が写っているため、人によっては動揺する可能性がある。

だが、たいていのゴミは、海洋生物に害を及ぼす。新設された「環境保護」部門を制したのは、釣り糸に絡まって死んだウミガメの姿を伝える、忘れがたいこの写真だ

だが、たいていのゴミは、海洋生物に害を及ぼす。新設された「環境保護」部門を制したのは、釣り糸に絡まって死んだウミガメの姿を伝える、忘れがたいこの写真だ

Shane Gross/Ocean Art

この写真を撮ったシェーン・グロス(Shane Gross)によれば、一緒に潜っていたダイビング・パートナーがこのウミガメの死骸を見つけ、泣きながら知らせにきたという。

「彼女には釣り糸を外す時間がなかったので、場所を聞いて、私が戻った。死骸を食べる動物も絡まってしまうのは避けたいと思った」と、グロスはコンテストの応募書類に書いている。「私がカメラを手にとったのは、こうした写真が、未来に向けた警告になるからだ」

もう1つの新設部門「ブラックウォーター」は、写真家たちが夜にダイビングすることを後押しした。このクロボウズギス科の幼魚が姿を現したのも、夜だった

もう1つの新設部門「ブラックウォーター」は、写真家たちが夜にダイビングすることを後押しした。このクロボウズギス科の幼魚が姿を現したのも、夜だった

Fabien Michenet/Ocean Art

撮影者のファビアン・ミケネ(Fabien Michenet)によれば、クロボウズギス科の魚は海面近くで生まれ、その後の成魚の時期は深海の堆積物のなかで過ごすという。

このイエロークレステッド・ウィードフィッシュ(Yellow Crested Weedfish)は、オーストラリアのシェリービーチに生える海藻のなかに隠れていた。この擬態の達人を写真に収めるには、忍耐が必要だった

このイエロークレステッド・ウィードフィッシュ(Yellow Crested Weedfish)は、オーストラリアのシェリービーチに生える海藻のなかに隠れていた。この擬態の達人を写真に収めるには、忍耐が必要だった

Talia Greis/Ocean Art

撮影者のタリア・グレイス(Talia Greis)は、「彼らが身を隠している海草は、体とほとんど同じ色だし、身体も海草とそっくりに揺れる。そのため彼らは、変装の究極の達人になっている」と書いている。「この瞬間をとらえるには、少し下がってじっとしたまま、完璧な瞬間を待つしかなかった。私の様子をうかがってみようという気になった魚が表面に出てくる瞬間のことだ」

タツノオトシゴは人気の被写体だ

タツノオトシゴは人気の被写体だ

Stephano Cerbai/Ocean Art

この小さなタツノオトシゴは、フィリピンのプエルトガレラ近くで暮らしている。


こちらのタツノオトシゴの写真は、「ポートレート」部門を制した

こちらのタツノオトシゴの写真は、「ポートレート」部門を制した

Virginia Salzedo/Ocean Art

「パンク調のヘアスタイルには驚いた」と、撮影者のヴァージニア・サルゼード(Virginia Salzedo)は書いている。

タツノオトシゴは、「水中アート」部門でもスポットライトを浴びた

タツノオトシゴは、「水中アート」部門でもスポットライトを浴びた

Francisco Sedano/Ocean Art


一方、リボンスイートリップスの群れも、撮影対象として人気があるようだ

一方、リボンスイートリップスの群れも、撮影対象として人気があるようだ

George Kuo-Wei Kao/Ocean Art


リボンスイートリップスの群れをとらえたこの1枚は、撮りたい写真を並べたウィッシュリストの「いちばん上」にあったものだと、撮影者のニコラス・モア(Nicholas More)は話している

リボンスイートリップスの群れをとらえたこの1枚は、撮りたい写真を並べたウィッシュリストの「いちばん上」にあったものだと、撮影者のニコラス・モア(Nicholas More)は話している

Nicholas More/Ocean Art

「スイートリップスに焦点をあわせるために、低速のシャッタースピードを使い、パンのスピードを加速させて、背景をぼやけさせた」とモアは書いている

「この効果は、群れがグループとして一体となって、同じ方向に動いていることを強調するのにも役立っている」

以下の写真は、どの部門でも1位には選ばれなかったが、最優秀作に劣らず魅力的で、見る者を驚かせる作品ばかりだ

以下の写真は、どの部門でも1位には選ばれなかったが、最優秀作に劣らず魅力的で、見る者を驚かせる作品ばかりだ

Aîa Mar/Ocean Art


写真家のペドロ・カリーリョ・モンテロ(Pedro Carillo Montero)は、岩棚の下で遊ぶこの若いアシカたちの姿をとらえた。写真のなかのアシカたちは、まるで歌っているように見えるとモンテロは書いている

写真家のペドロ・カリーリョ・モンテロ(Pedro Carillo Montero)は、岩棚の下で遊ぶこの若いアシカたちの姿をとらえた。写真のなかのアシカたちは、まるで歌っているように見えるとモンテロは書いている

Pedro Carillo Montero/Ocean Art


獲物を狙ってうろつく捕食者は、ぞくりとするような写真になる。写真家のエミリー・オックスフォード(Emry Oxford)は、キューバでこのワニを目撃した

獲物を狙ってうろつく捕食者は、ぞくりとするような写真になる。写真家のエミリー・オックスフォード(Emry Oxford)は、キューバでこのワニを目撃した

Emry Oxford/Ocean Art


矢のように海に突入し、魚を捕えるシロカツオドリ

矢のように海に突入し、魚を捕えるシロカツオドリ

Johan Sundelin/Ocean Art


写真家のデイヴ・ジョンソン(Dave Johnson)は、インドネシアのレンベ海峡の砂のなかでくつろいでいた、このアオマダラウミヘビを写真にとらえた

写真家のデイヴ・ジョンソン(Dave Johnson)は、インドネシアのレンベ海峡の砂のなかでくつろいでいた、このアオマダラウミヘビを写真にとらえた

Dave Johnson/Ocean Art


ひれを鳥の翼のようにはためかせて泳ぐ、イトマキエイの大群。コルテス海(カリフォルニア湾の別名)で撮影された

ひれを鳥の翼のようにはためかせて泳ぐ、イトマキエイの大群。コルテス海(カリフォルニア湾の別名)で撮影された

Jason Clue/Ocean Art


この好奇心旺盛なカリフォルニアドチザメは、しきりに写真家ジェイク・ウィルトン(Jake Wilton)に近づこうとした。このサメが人間を攻撃することはめったにない

この好奇心旺盛なカリフォルニアドチザメは、しきりに写真家ジェイク・ウィルトン(Jake Wilton)に近づこうとした。このサメが人間を攻撃することはめったにない

Jake Wilton/Ocean Art


写真家のファビアン・マルティナッツォ(Fabien Martinazzo)は、水中に波のような軌跡を描くこのオキクラゲを写真にとらえた

写真家のファビアン・マルティナッツォ(Fabien Martinazzo)は、水中に波のような軌跡を描くこのオキクラゲを写真にとらえた

Fabien Martinazzo/Ocean Art


このクラゲウオは、アマクサクラゲの触手をシェルターにしている

このクラゲウオは、アマクサクラゲの触手をシェルターにしている

Tianhong Wang/Ocean Art


海底の古い瓶をシェルターにする、2匹のキイロサンゴハゼ

海底の古い瓶をシェルターにする、2匹のキイロサンゴハゼ

George Kuo-Wei Kao/Ocean Art


キイロサンゴハゼと同じ戦略をとる別の魚が、イソギンポだ。沈没船にあったビールの空き瓶のなかに、ぴったり収まっている

キイロサンゴハゼと同じ戦略をとる別の魚が、イソギンポだ。沈没船にあったビールの空き瓶のなかに、ぴったり収まっている

Enrico Somogyi/Ocean Art


モンハナシャコはおそろしく複雑な眼を持つことで知られており、12~16種類の光受容体を備えている。それに比べて、ヒトの光受容体はわずか3種類だ

モンハナシャコはおそろしく複雑な眼を持つことで知られており、12~16種類の光受容体を備えている。それに比べて、ヒトの光受容体はわずか3種類だ

Yat Wai So/Ocean Art


写真家のハカン・バサル(Hakan Basar)は、ミナミハナイカがカラフルに輝いたこの瞬間をとらえた

写真家のハカン・バサル(Hakan Basar)は、ミナミハナイカがカラフルに輝いたこの瞬間をとらえた

Hakan Basar/Ocean Art


写真家のファビアン・マルティナッツォ(Fabien Martinazzo)は、このトムポットブレニー(tompot blenny)が、カメラのレンズに映る自分の姿を見ていたと確信している

写真家のファビアン・マルティナッツォ(Fabien Martinazzo)は、このトムポットブレニー(tompot blenny)が、カメラのレンズに映る自分の姿を見ていたと確信している

Fabien Martinazzo/Ocean Art

「ほぼ1分近く、じっとしていた」とマルティナッツォは書いている。

「長い会話を交わしているような気がした」

海の環形動物にもカラフルなものがいる。このウキゴカイ科の一種は、人間と同じような虹彩と角膜のある眼球を持っている

海の環形動物にもカラフルなものがいる。このウキゴカイ科の一種は、人間と同じような虹彩と角膜のある眼球を持っている

Fabien Michenet/Ocean Art


フランス領ポリネシアにあるこの島の沖では、海面のすぐ下に、まったく違う世界が広がっている

フランス領ポリネシアにあるこの島の沖では、海面のすぐ下に、まったく違う世界が広がっている

Taeyup Kim/Ocean Art


[原文:32 award-winning underwater photos reveal a troupe of tiny seahorses, a hot-pink sea slug, and fish living in beer bottles

(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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