ドコモが5Gビジネスを加速、ジャニーズ起用の8KVRライブや5Gのさらに未来の技術を公開

ドコモの5Gモニュメント

NTTドコモは5G関連の技術やソリューションを体験できる「DOCOMO Open House」を開催した。

撮影:小林優多郎

NTTドコモは1月23日から24日、東京ビッグサイトで同社の技術展示イベント「DOCOMO Open House」を開催する。22日には記者向け内覧会を実施し、同社や連携する他社を含む250以上のサービスやソリューションを披露した。

ジャニーズの新ユニットを起用した8KVRライブをアピール

ジャニーズのアイドルユニットを起用

8KVRライブにSixTONE(左)とSnow Man(右)の起用を発表したNTTドコモ社長の吉澤和弘氏(中央)。

撮影:小林優多郎

なかでも同社が大きく打ち出していたのは当然、2020年春から本格運用が開始される5Gにまつわる技術や取り組みだ。とくに、内覧会と同時に行った発表会では、音楽ライブの360度映像をほぼリアルタイムに配信する「8KVRライブ」を披露した。

8KVRライブは、同社が2019年1月から提供していた映像配信ソリューション「新体感ライブ」のメニューの1つとして追加され、名称も「新体感ライブCONNECT」に変更された。

8KVRの技術

8KVRライブはNTTドコモの独自技術などで構成されている。

撮影:小林優多郎

サービスを実現する上で、リアルタイムスティッチング処理技術や、NTTテクノクロスの技術をベースにした高効率配信処理技術、クラウドサーバーによる並行処理技術を活用。NTTドコモ社長の吉澤和弘氏は「5Gを象徴する体験になる」と自信を語る。

※スティッチング処理とは:
複数のカメラの映像をつなぎ合わせて、全天周映像に加工すること。

その商用化第1弾として、同日にデビューシングルが発売されたジャニーズ事務所所属のアイドルグループ「SixTONES」および「Snow Man」が出演するスペシャルイベントが告知された。

同イベントは3月18日に都内会場で開催され、その様子は8KVR映像として配信。渋谷ストリームホールのライブビューイングのほか、スマートフォンなどでも鑑賞できる。

未来の「6G」では機内Wi-Fiがもっと快適になる?

6Gのホワイトペーパー

NTTドコモはさらに5Gの先となる技術のコンセプトも発表した。

出典:NTTドコモ

さらに、NTTドコモは22日、5Gの先の技術を示す「5G evolution」および「6G」のホワイトペーパー(技術コンセプト)を公開した。コンセプトの概要は以下のとおり。

  • 100Gbpsを超える超高速・大容量通信(5Gでは20Gbps台)
  • 1平方kmあたり1000万端末&誤差10cmの高品位位置サービスの超多接続&センシング性能(5Gでは1平方kmあたり100万端末)
  • 1ms以下の超低遅延(5Gでは1ms台)
  • 空・海・宇宙まで見据えたエリアカバー率100%の超カバレッジ拡張
  • 超低消費電力・低コスト化
  • 信頼度99.99999%の超高信頼通信

5Gの本格運用がまだ始まっていないのにも関わらず、もう次の世代の話と感じる場合もあるが、NTTドコモは2018年には研究開発を進めている。

AIRBUS Zephyr

NTTドコモがHAPS分野で協業するAIRBUS社の「Zephyr S」。ただし、NTTドコモ自身が飛行機を所有して飛ばすのではなく、別の企業との協業で実現しようとしているという。

撮影:小林優多郎

Open Houseではコンセプトムービーのほかに、5G evolutionおよび6Gを支える技術の1つである「HAPS」についての解説を展示していた。

※HAPSとは:
High-Altitude Platform Station(高高度疑似衛星)の略称で、おもに基地局装置を搭載した無人飛行機のことなどを指す。

HAPSについては、2019年4月にソフトバンクがアメリカのAeroVironmentとの合弁会社を作り、高度20kmの成層圏に無人飛行機を飛ばし、災害時やエリア化の難しい場所へのサービス提供を目指すと発表している。

NTTドコモの場合もコンセプトとしては同じで、高度20km付近までアメリカのAIRBUSが開発したHAPS「Zephyr S」を飛ばし、地上にある専用の基地局(地球局)の電波をバックボーンに、空を飛ぶ飛行機や空中ドローン、海上の船舶や山間部、災害箇所のエリア化を計画している。

ドコモのHAPSの概要

NTTドコモが取り組むHAPSの概要。

撮影:小林優多郎

例えば、すでに一部の航空会社の飛行機では、機内のWi-Fiサービスを高度3万6000kmも離れた衛星回線を用いて提供しており、現状では地上での通信に比べて使いにくいといった状況がある。同展示の担当者はHAPSの技術が確立すれば「環境にもよるが、100Mbps程度が可能になるように目標を定めている」と語った。

また、この担当者は「技術的な課題以外にも法整備に関する課題も今後解決する必要がある」と指摘。HAPSは上空に飛ばす際、旅客機などが飛ぶ領域を通過するため、各管理・規制当局の許可が必要だが「アメリカやオーストラリアでは(AIRBUSが)既に実験のために許可をとれているが、日本では許可できるかなどの議論をする最初の段階」と実情を話している。

前述のとおり、5Gの次となる技術は決して、HAPSによる今ネットが使えない・使いにくい場所の改善だけではないが、未来への技術開発は確実に進んでいる。

(文、撮影・小林優多郎)

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