新型肺炎の感染拡大を警戒し、マスクをつけて仕事をする空港スタッフ、1月21日、インドネシア・ジャカルタの空港。
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中国の国家移民管理局は1月22日、春節(1月25日)の長期休暇に出入国する人が前年同期比2%増の1日平均のべ187万人に達すると発表した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染が深刻化する中、中国だけでなく世界の空港や港湾が水際対策を強化する必要に迫られている。
中国の春節は1月25日で、大晦日にあたる24日から30日までの1週間が法定休暇となっている。
国家移民管理局は主要国際空港の1日当たりの出入国者数を以下のように予測している。
- 北京首都空港:7万7000人(前年同期比5.9%増)
- 上海浦東空港:11万6000人(同2%増)
- 広州白雲空港:5万6000人(同7.7%増)
- 成都双流空港:2万2000人(同7%増)
北京の国際空港では既に春節休暇の出国ラッシュが始まっている。
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中国オンライン旅行会社のシートリップ(携程)によると、今年の春節の海外旅行で日本は人気トップ。体験型消費への関心向上によって旅行範囲も広がっており、特に地方のスキー場や温泉地の人気が高まっている。20日に成田空港入りした北京在住の女性(36)とその家族は、「伊坂幸太郎の小説に出て来る仙台と、温泉、スキーが一緒に楽しめる青森を一週間かけて回る」と話した。
中国では22日時点で500人以上の新型肺炎感染者と17人の死者が出ている。ほとんどが湖北省武漢市に集中しているが、首都の北京でも22日夜に4人の患者が新たに確認され、北京市内の患者数は累計14人に拡大した。
武漢市は23日に市内の公共交通の運行を当面見合わせることを決定。市外に出る車両についても、検問を強化している。
(文・浦上早苗)