武漢市民にマスク5万枚寄付、自宅に無料配送。日本企業が新型肺炎予防を支援

インアゴーラ社内

インアゴーラ東京本社では、拡大する新型肺炎に備えマスク着用で仕事をしている

撮影:浦上早苗

日本商品専門の中国向け越境ECを手掛けるインアゴーラ(東京)は、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大し、都市が事実上封鎖されている武漢市など湖北省の消費者にマスク5万枚の無料提供を始めた。直接申し込みを受け付け、自宅まで届ける。

同社は東京に本社を置くベンチャー企業で、越境ECアプリ「豌豆公主」で日本の商品を中国人消費者に販売している。

本社は日本人社員が多いが、北京、杭州にある支社は中国人が中心。新型肺炎の感染拡大を受けて春節休暇中の社員の所在確認を行ったところ、10人弱が武漢市のある湖北省に帰省していた。湖北省に帰省中の社員は春節明けの業務復帰後も在宅勤務を行うことを決め、東京の本社でも社員がマスクを着用し勤務している。

一方、同社の越境ECアプリには、1月20日からマスクの注文が急増。22日には売り上げ金額が前月同日比128倍に増え、以降も注文が増える一方だという。

アプリ

1月27日夜から、アプリ内で無料配送の受け付けを始めた。

インアゴーラの越境ECアプリより

インアゴーラは通常、船便で輸送した商品を中国の倉庫に保管し、そこから消費者に配送しているが、マスクについては中国倉庫の在庫が全てなくなり、現在は仕入れた商品を日本から空輸で配送している。

送料を含めた販売価格を変えていないため、利益は出ていない。また、注文急増に対応し、春節休暇中の社員も自宅からアプリの管理などを行っているという。

中国ではマスク不足が深刻化し、国内の工場では休暇中の従業員に5倍の給料を払い生産ラインに戻らせるなど必死の対応が続いているが、需要に全く追いついていない。

また、不当に高い価格で販売する例が後を絶たず、天津市では定価12元のマスクを128元で販売していた薬局が営業停止処分を受けた。中国EC最大手のアリババが運営する「タオバオ(淘宝)」も、マスクの高額販売の取り締まりを強化している。

このような状況を踏まえ、インアゴーラは日本メーカーのマスク5万枚(5枚入りを1万パック)を無料で湖北省の消費者に直接配送する取り組みを始めた。商品代と送料は同社が負担する。数日前から検討しており、一定の商品数と湖北省内の配送ルートが確保できた27日夜から開始した。アプリ内に専用コーナーを設け、希望者を募っている。

翁永飙(おうえいひょう)CEOは、「病院には医療物資が集まっているが、一般市民は手に入りにくいと聞いている。当社は日本のメーカーからマスクを仕入れ、武漢や湖北省の市民の自宅まで届けられるノウハウがある。必要とされるものを、必要な人の玄関に直接届けたい」と述べた。

今後も、新型肺炎で苦労を強いられている現地向けの支援を継続的に続ける方針。

武漢市に帰省中の同社社員によると、外出して日用品を買うことは可能な状況にあるが、極力自宅に待機し、人との接触を避ける状況が続いているという。

(文・写真、浦上早苗)

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