自動運転技術開発のWaymo、自動運転車による郵便物の配送を開始

Waymoの自動運転技術を搭載したミニバン、クライスラー・パシフィカ。

Waymoの自動運転技術を搭載したミニバン、クライスラー・パシフィカ。

Waymo

  • グーグルからスピンオフした自動運転技術開発のWaymoは、2020年3月末までにアリゾナ州でUPSの荷物輸送を開始する。
  • 自動化されたWaymoの車両が、同州フェニックスのUPSの拠点からテンペにある配達業者の店舗に荷物を運ぶ。
  • UPSは、自動運転トラックのスタートアップTuSimpleの株式取得、配送施設の自動化に3年間で200億ドルの投資、などを行っている。

グーグル(Google)からスピンアウトした自動運転開発企業のWaymoは、3月末までにアリゾナ州でアメリカ郵政公社(UPS)の荷物配送を開始すると1月29日に発表した。

Waymoは自動運転技術を搭載したクライスラーのミニバンを使って、フェニックスのUPSの拠点からテンペにある配送業者へと荷物を運ぶ。車両は人間の手を借りずに走行するが、Waymoの従業員が性能を監視するために乗車する。

Waymoは2018年にアメリカ初の商用自動運転配車サービスであるWaymo Oneをアリゾナ州の一部地域で開始し、2019年には同サービスで使用される車両の一部から安全のために乗車する運転手を排除し始めた。同社は現在、多くの専門家から自動運転車業界のリーダーと見られている。

Waymoは、カリフォルニア、ミシガン、テキサス、ワシントン、ジョージアの各州でもトラックを含む自動運転車のテストを行っている。2019年には、自動車部品を配送するためにAutoNationと共同テストを実施した。

UPSの自動運転への関わりはWaymoとの提携が初めてではない。UPSは2019年、自律走行トラックのスタートアップTuSimpleの株式を取得しており、その後、TuSimpleはアリゾナ州でUPSの荷物を運んでいる。UPSはまた、荷物仕分け設備の自動化に200億ドルを投資している。この動きは、配送ドライバーに代表される同社の50万人の従業員の雇用が危機に瀕しているように見える。しかし、UPSの最高マーケティング責任者、ケヴィン・ウォーレン(Kevin Warren)氏はBusiness Insiderの取材に対し、「技術は人的資本を増大させる」と述べ、この考えを否定した。

UPSの最高戦略・改革責任者であるスコット・プライス(Scott Price)氏によると、アメリカ国内の荷物輸送量は今後10年間で2倍に増えるという。これらの荷物は人間と機械によって、仕分けられて配達される。

プライス氏によると、UPSは今後も、正社員や季節的な仕事のための労働者を雇用する。2019年のホリデーシーズンに同社は10万人の臨時社員を雇った。そして季節労働者の中には長く働くようになる人もいる。同社CEOのデイビット・アブニー(David Abney)氏は、UPSで季節従業員としてそのキャリアをスタートした。

[原文:Waymo will start shuttling packages for UPS in Arizona by the end of March (UPS, GOOGL)

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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