ロサンゼルス国際空港をあとにする、上海からの乗客。
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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、航空会社はウイルスが見つかった中国へのフライトをキャンセルまたは減らしている。
中国行きの需要が低下していること、ウイルスの感染拡大への恐れが重なった形だ。中国以外の複数の都市でも、感染が報告されている。
中国本土へのフライトをキャンセルまたは減らしているのは主に、ヨーロッパやアメリカの航空会社だ。アジアの一部航空会社も同様の判断をしている。中には、3月末まで運行を取りやめる航空会社もある。
影響が最も大きいのは、北京と上海だ。一部航空会社は香港へのフライトもキャンセルした。
中国への便を減らしていない航空会社では、フライトの変更・キャンセル料を受け取らないとしているところもある。多くの航空会社が2月末までのフライトについて、利用者に変更を提示している。
中国へのフライトをキャンセルした航空会社をチェックしておこう。
エア・カナダ(Air Canada)
REUTERS/Ben Nelms
エア・カナダは1月29日、中国へのフライトを減らすと発表した。グローブ・アンド・メールが報じた。
エア・カナダは、カナダの各都市と北京、上海を結ぶ便を運航している。
エア・インディア(Air India)
Fabrizio Gandolfo/SOPA Images/LightRocket/Getty
エア・インディアは上海便を2月中旬まで中止し、香港便の本数を減らすと、ザ・タイムズ・オブ・インディアが報じた。
香港便では、クルーは特別なマスクの着用が義務付けられているという。
エアソウル(Air Seoul)
韓国の飛行機。※エアソウルではありません。
Reuters
韓国の格安航空会社エアソウルは、武漢に加えて、張家界、臨沂を含む中国本土へのフライトの中止を延期したと、USAトゥデイが報じた。
武漢以外の中国の都市へのフライトを取りやめている韓国の航空会社は少ない。
エア・タンザニア(Air Tanzania)
ボーイング787 ドリームライナー。
Reuters
エア・タンザニアは、タンザニアのダルエスサラームから中国への就航フライトを先送りしたと、ロイターが報じた。中国が東アフリカへの関与を強める中、エア・タンザニアはタンザニアの経済都市と中国本土を結ぶフライトを売り出している。
だが、ウイルスの感染拡大を受け、就航フライトは無期限の延期となった。フライトにはボーイング787 ドリームライナーが使用される見込みだ。
アメリカン航空(American Airlines)
Nicolas Economou/SOPA Images/LightRocket/Getty
アメリカン航空は1月29日、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスと上海、北京を結ぶ便の運航を取りやめると発表した。CNBCが報じた。
同社は2月末まで、武漢、香港、北京、上海便の変更・キャンセル料を受け取らないとしている。
アシアナ航空(Asiana Airlines)
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韓国のアシアナ航空は2月1日以降、中国の桂林、長沙、海口の3都市の路線を運休すると、公式サイトに書かれている。
また、中国本土、台湾、香港便の変更・キャンセル料は免除するという。
オーストリア航空(Austrian Airlines)
LEONHARD FOEGER/Reuters
オーストリア航空は1月29日、ウィーンと中国の北京、上海を結ぶ路線を運休すると述べたと、ロイターが報じた。
ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)
Jack Taylor / Getty
ブリティッシュ・エアウェイズは、少なくとも1月末まで中国へのフライトを全便運休すると発表している。ブリティッシュ・エアウェイズはイギリスのロンドンと北京、上海を結んでいる。
キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)
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キャセイパシフィック航空は、中国本土へのフライトを継続させるが、定員を半分に減らすという。ただ、子会社のキャセイドラゴン航空が運航する武漢への直行便はキャンセルされた。
また、温かいタオルやまくら、ブランケット、雑誌といったサービスも取りやめているという。
フィンエアー(Finnair)
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フィンエアーは中国への大半の路線の運航を維持しているが、北京へのフライトを減らし、南京へのフライトを取りやめた。広州や上海の路線に影響はない。
中国本土もしくは香港への2月末までのフライトは、変更・キャンセル可能だ。
ジェットスター・アジア航空(Jetstar Asia)
Reuters
格安航空会社のジェットスター・アジア航空は1月30日から3月末まで、合肥、貴陽、徐州へのフライトをキャンセルすると、公式サイトに書かれている。
フライトの変更・キャンセルも無料だ。
ルフトハンザ(Lufthansa)
Ralph Orlowski/Reuters
ルフトハンザ・グループは1月29日、ルフトハンザ、スイス航空、オーストリア航空の中国本土への路線の運航を2月末まで取りやめると発表した。ロイターが報じた。
ルフトハンザのフランクフルトやミュンヘンと、北京、上海、南京、青島、瀋陽などを結ぶ多くの路線が影響を受ける。ただ、香港便に影響はない。
スイス航空(Swiss International Air Lines)
ARND WIEGMANN/Reuters
スイス航空はチューリッヒと中国本土(北京、上海)を結ぶ路線の運航を全てキャンセルした。ロイターが報じた。
香港便に影響はない。
ユナイテッド航空(United Airlines)
David McNew/Getty Images
ユナイテッド航空は、アメリカで最初に中国本土の都市や香港へのフライトをストップしたアメリカの航空会社になったと、USAトゥデイが報じた。シカゴやサンフランシスコなど、アメリカ24都市から中国への路線の運航が一時取りやめになる。
キャンセルになっていないフライトについても、変更・キャンセル料は免除されるという。
[原文:16 airlines have canceled flights to China amid coronavirus fears]
(翻訳、編集:山口佳美)