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2020年のスターバックスを知る4つのポイント ── 新型コロナ、キャッシュレス、おひとり様需要、脱プラ

カップとカード

スターバックスは2020年の戦略方針を発表した。

撮影:小林優多郎

世界各地でコーヒーチェーンとして大きな存在感を示すスターバックス。

日本法人であるスターバックス コーヒー ジャパンは非上場企業であるため、IR情報を開示していないが、日本でも2019年末までに1530店舗をオープン。同社広報は「2019年度(2018年10月1日〜2019年9月30日)決算は増収増益」と話すなど、依然成長を続けている。

そんな同社は1月29日に、報道関係者向けラウンドテーブルを開催。同社社長の水口貴文氏は2020年の経営方針を語った。その中でもキャッシュレスや同社の新しい取り組みなど注目の4つのポイントを解説しよう。

1. 新型コロナウイルスには注視

水口貴文氏

スターバックス コーヒー ジャパン社長の水口貴文氏。

撮影:小林優多郎

記者からの質問を受ける前に、水口氏は新型コロナウイルスに対する同社の考えを口にした。1月28日には国内でのウイルス感染が確認されたためだ。

1月29日付の日本経済新聞電子版によると、中国のスターバックスでは2000店以上が一時閉鎖になった。水口氏は日本において同様の対応をとると明言しなかったが「状況をきちんと注視し、すべての情報開示していく」と話し、まずはマスクの着用や手洗いうがいなど、「ふだんから行っていることを徹底する」という。

なお、スターバックスは平常時も、勤務中における店舗スタッフ(同社は「パートナー」と呼称)のマスク着用を認めている。

2. キャッシュレス比率は4割を超えた

2019年のデジタル戦略

2019年のデジタル戦略の結果。

撮影:小林優多郎

水口氏は2019年に取り組んだトピックの1つとして「デジタルとの融合」を挙げている。

2019年にスターバックスは、Uber Eatsと提携しデリバリーサービスを拡充。LINEと提携し、電子会員カード「LINE Starbacks Card」を発行。また、独自の取り組みとしてスマホで注文して店舗で受け取れる「Mobile Order&Pay」を開始した。

結果、デリバリー対応店舗は200店舗まで拡大、LINE Starbacks Cardの発行枚数は150万枚を突破。Mobile Order&Payの利用も、都市付近の利用の多い店舗で1日100杯程度の利用があるという。

2020年の予定

2020年のデジタル戦略の目標。

撮影:小林優多郎

水口氏は国内スターバックスのキャッシュレス決済比率について「40%を超えた」と話している。

スターバックスは消費税増税に伴うキャッシュレス還元事業には参画していないため、2019年から始めた各種施策や、約2年半前に始めて現在は500万人以上の基盤を持つ会員制度「Starbucks Rewards」が功を奏したと分析している。

3.「おひとり様需要」の開拓も進める

新店舗

新しい形態の新店舗がオープンする。

撮影:小林優多郎

2020年、スターバックスは日本で新しい形の店舗を展開する。その中でも注目は「おひとりさま需要」に応えるための取り組みだ。

スターバックスのような飲食店にとって、客の回転率は非常に重要な経営指針だ。当然だが、多くの人に多くのものを売ったほうが効率はいい。

しかし、水口氏は「おひとりで利用される方も大切なお客様」と話す。1名で長時間利用したいというニーズに対し、より付加価値を感じる施策を行い、質の良い集客の拡大を狙う。

具体的には、2020年春にオープンするJR東日本の高輪ゲートウェイ駅の店舗では、通常の席のほかにブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」を設置。出先でのビデオ会議などの需要に対応する。

さらに、2020年初夏には別の実験店舗を開店する。詳細は明らかにされなかったが、水口氏は同店を「働くことに付加価値をつけるお店」と表現している。

4. 脱プラの動きは日本でも本格化

紙ストロー

2020年3月、日本でも全店で紙ストローが導入される。

撮影:小林優多郎

そのほかに、サステナビリティの継続強化についての計画も明らかになった。すでに、紙製のStarbucks Cardやギフト資材の紙化など脱プラスチックの動きは実施されているが、今後は以下の内容も新規もしくは本格的に実店舗で展開される。

  • 2020年2月:リユーザブルカップの全店導入
  • 2020年3月:全店への紙ストローの導入
  • 2020年4月:アイスビバレッジ向け紙製カップの試験提供
  • 2020年中:ストローレスリッド(ストローなしで飲めるフタ)の導入検討

リユーザブルカップ

リユーザブルカップのサンプル。プラスチック製で1つ200〜300円ほど。タンブラーなどと違って安価なため、リユース入門的な製品となる。

撮影:小林優多郎

スターバックスはグローバルで、2030年までの目標に「二酸化炭素排出を50%削減」「廃棄物50%削減」「コーヒー生産のための水を50%節約または還元」を掲げている。スターバックスジャパンもこの動きに追従する方針だ。

(文、撮影・小林優多郎)

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