フィンランドのサンナ・マリーン首相。
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- フィンランドのサンナ・マリーン首相(34)は、フィンランドや他の北欧諸国は国民に"アメリカン・ドリーム"の実現のチャンスを提供する態勢が最も整っていると述べた。"アメリカン・ドリーム"は、全ての人に自分の目標を達成し、夢を叶える機会が与えられるべきという考え方だ。
- 「アメリカン・ドリームは、自身の生い立ちや家族の生い立ちに関係なく全ての子どもが何にでもなれる北欧諸国でこそ最も実現できるのではないかと感じています」とマリーン首相は1月、ワシントン・ポストに語った。
- マリーン首相のコメントは、アメリカの2020年の大統領選で民主党候補指名を争っている上院議員のバーニー・サンダース氏を暗に支持するかのようだ。
- サンダース氏は以前からアメリカで"北欧スタイル"の社会主義を提唱していて、2008年には、フィンランドには「世界で最も優れた経済的、社会的モデルの1つ」があると述べた。
フィンランドの若きリーダー、サンナ・マリーン首相は、フィンランドや他の北欧諸国は国民に"アメリカン・ドリーム"の実現のチャンスを提供する態勢が最も整っていると述べた。
マリーン首相は1月、スイスのダボスでワシントン・ポストに語った。
「アメリカン・ドリームは、自身の生い立ちや家族の生い立ちに関係なく全ての子どもが何にでもなれる北欧諸国でこそ最も実現できるのではないかと感じています」
"アメリカン・ドリーム"の最も基本的な考え方は、全ての人に自分の目標を達成し、夢を叶える機会が与えられるべきというものだ。
フィンランドは、その公共サービスのおかげでアメリカン・ドリームを提供できるとマリーン首相は言う。
「フィンランドには、非常に素晴らしい教育システムがあります」
「誰もが何にでもなれる、素晴らしい医療システム、社会保障システムがあります。これが恐らく、フィンランドが世界で最も幸せな国と評価される理由の1つでしょう」
ただ、マリーン首相はこうしたシステムを他の国に押し付けるべきではないと考えている。
「それぞれの国によって、状況は異なります」
「それぞれの国によって、政治的なムードも違います」
34歳のマリーン首相は2019年12月、フィンランド連立与党第1党の社会民主党のリーダーに選ばれたことで、世界で最も若い首相となった。
労働者階級で育ったマリーン首相は家族の中で初めて大学に進学し、在学中はセールス・アシスタントとして働いていた。
マリーン首相(左)とアメリカで北欧スタイルの社会主義を提唱するサンダース候補(右)。
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名前は出さなかったものの、マリーン首相のワシントン・ポストでのコメントは、アメリカの2020年の大統領選で民主党候補指名を争っている上院議員のバーニー・サンダース氏を暗に支持するかのようだ。
サンダース氏は以前から"北欧スタイル"の社会主義 —— 富裕層を中心に引き上げた税金によって医療費の無償化や高等教育に対する手厚い支援をまかなうといった社会福祉の充実したシステム —— への移行を提唱している。
2008年に地元バーモント州でフィンランド大使と会談したサンダース氏は、フィンランドには「世界で最も優れた経済的、社会的モデルの1つ」があると発言した。
サンダース氏の公式サイトによると、「フィンランドがどうやって子どもの貧困を事実上撲滅させ、質の高い保育や大学および大学院での教育を無償化できたのか、わたしたちは見習うべきだ」と述べたという。
「これらは、わたしたちが学ぶことのできるモデルだと思う」
(翻訳、編集:山口佳美)