新たな産地も登場! キャビアが「高級品」のステータスを失いつつある

キャビア

Brett Jordan/Insider

  • キャビアは富裕層向けの高級品として知られているかもしれない。だが、近年、その価格は下がり、手が届きやすくなっている。
  • 2009年にフランスの企業が養魚場を作ったこともあり、マダガスカルは新たなキャビアの産地の1つになった。
  • キャビアの消費はアメリカでも増加していて、フロリダ州のキャビア農家は需要に応え続けるべく努力しているという。

キャビアは長らく富裕層向けのオードブルの1つと見なされてきた。

だが、マダガスカルからアメリカのフロリダ州まで、世界各地でキャビア農家が誕生する中、この光り輝く黒い真珠はもはや珍しいごちそうではない。

近年、キャビアの価格は下がっていて、これまでになく手が届きやすくなっている。世界のキャビア市場は2025年までに5億6000万ドル(約616億円)規模に成長する見込みだ。

マダガスカルが世界有数のキャビアの産地に

アフリカで初めてかつ唯一のキャビア農家は、海抜4500フィート(約1370メートル)のマダガスカルの高原にある。

冷たい水と安い人件費に引きつけられたフランスの3人の起業家が2009年、マンタソア湖で"水に浮かぶ農場"を始めた。彼らはそれをキャビアがとれるチョウザメの1種にちなんで「アシペンサー(Acipenser)」と名付けた。

ビジネスを始めるにはリスクもあった。マダガスカルは高級品になじみがないわけではないが、人口の75%が1日2ドル(約220円)以下で生活していて、まだまだ貧困に苦しんでいる。慢性的な栄養失調に陥っている人の割合も世界で4番目に高い。

アシペンサーで作られているキャビアは、1オンス(約28グラム)あたり約50ドルで売られていて、これはマダガスカルの多くの人にとってほぼ手が届かない。そして何より、マダガスカルに天然のチョウザメはいない。3人の起業家が2013年に初めて、チョウザメの受精卵を輸入した。

「友人は、わたしたちをクレイジーだと思っていました」と、創業者の1人であるデルフィーヌ・ダブジ(Delphyne Dabezies)さんはロイターに語った

「親友ですら『マダガスカルでキャビアだなんてバカバカしい。次は何? 砂漠でサーモン?』と言っていました。多くの友人が笑ったんです」

しかし、それから10年が経ち、ダブジさんの会社が手掛けるブランド「ロバ・キャビア(Rova Caviar)」はマダガスカルのフードシーンで評判になっているだけでなく、パリでも話題になっている。

2019年、同社は約5000キログラムのキャビアを生産し、主にフランスに輸出した。

ダブジさんは、今後5年で生産量を倍にしたいと考えていると、ロイターに語っている。

キャビアの消費はアメリカでも増加している

マーク・ザスラフスキー氏

スタージョン・アクアファームのオーナー、マーク・ザスラフスキーさん。

Brett Jordan/Insider

ロバ・キャビアは、キャビアの消費が増えているアメリカにも輸出されている。

アメリカのキャビアの輸入は、2019年11月までに16億9000万ドルにのぼり、1年前に比べて3.5%以上増えている。

アメリカでの需要の高まりは、別のキャビア農家の追い風になっている。

フロリダ州バスコンにあるスタージョン・アクアファーム(Sturgeon AquaFarms)は、オオチョウザメの養殖を専門にしている。オオチョウザメは主にカスピ海などに生息し、乱獲によって絶滅の危機に瀕している。

その結果、アメリカの魚類野生生物局はオオチョウザメの輸入を禁止した。スタージョン・アクアファームのオーナー、マーク・ザスラフスキー(Mark Zaslavsky)さんが数匹のオオチョウザメをアメリカに運んだ後のことだった。

スタージョン・アクアファームは現在、アメリカでオオチョウザメの養殖が認められている唯一の企業だ。そして、現在カスピ海に生息していると考えられている数以上のオオチョウザメを生産している。

「ここにいる全てのオオチョウザメは、わたしたちが2003年から2004年にかけて運んできた最初のオオチョウザメから生まれたものです」とザスラフスキーさんはBusiness Insiderに語った。

スタージョン・アクアファームでは、チョウザメを数年間タンクで育ててから卵 —— つまりキャビアを取り出している。塩の混合物を加えて商品化されたキャビアは春の間、オンラインとニューヨークのマンハッタンにある店で販売される。

キャビア農家は中国から市場に流れ込んでくる安価なキャビアと競争しなければならない。だが、キャビアの生産コストが下がる中、世界中の人々がついに、かつて富裕層向けのアイテムだったキャビアを味わえるようになりつつある。

[原文:Caviar could lose its luxury status as the global market is expected to grow to $560 billion by 2025

(翻訳、編集:山口佳美)

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