世界4000万人のデータから知る、今最も世界で学ばれているスキルとは?

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Shutterstock/Jacob Lund

情報感度の高い次世代のビジネスリーダーたちが今こぞって利用しているサービスがある。米国発のオンライン動画学習サービス「Udemy(ユーデミー)」だ。

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Udemyは、メルカリやUberと同じC2C(Consumer to Consumer)をビジネスモデルとするサービスである。エクセルやマーケティング、プレゼンテーションなどのビジネススキルからAI(人工知能)、データサイエンスなどの最先端のテーマまで幅広いスキルが身につく学習サービスで、1コースから購入できる。すでに世界で5000万人以上(2020年2月現在)が利用しており、日本でもアーリーアダプターなビジネスパーソンを中心に利用者が急増している。

なぜ日本のビジネスリーダーたちはUdemyで最新トレンドを学ぶのか?

Udemyの利用者データから得られた学習トレンドの動向から注目を集めている学びについて紹介する。

4000万人のデータから見る2020年の学習トレンド

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Shutterstock/dotshock

情報感度が高く、意欲的に学習に取り組むUdemyのユーザーたちはどのようなテーマを学んでいるのだろうか。Udemyのユーザー4000万人(調査当時)のデータを基にした「2020 Workplace Learning Trends Report」によれば、2020年の学びのトレンドは、AI、ソフトウェアを含む機械技術や人材活用の技術などが上位にあがっている。生産性向上のためのスキルや、データの活用方法なども人気だ。文系・理系問わず幅広いスキルを求めていることが分かる。

トップのITに関連する技術スキルの人気ランキングは以下の通りだ。

2020年に学びたいテックスキルランキング

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出典:「2020 Workplace Learning Trends Report」Workplace Learning Trends: Trend #1

トップは、最近注目されているプログラミング言語「Python」。従来の言語に比べてシンプルで分かりやすい点が評価されており、新たにプログラミングを学ぼうとしている人々から人気を集めている。

興味深いのは4位の機械学習と9位のディープラーニングである。これらはPythonと並んでAI開発に関連する知識だ。これからのビジネスシーンではますますAIの活用が求められていくことをユーザーの多くは感じ取っているのかもしれない。

〈人気のPython講座(日本語)〉

ユーデミーのパイソン講座

「現役シリコンバレーエンジニアが教えるPython 3 入門 + 応用 +アメリカのシリコンバレー流コードスタイル」

例えば、この講座は、シリコンバレーで現役のエンジニアとして働く講師が米国スタイルのPythonコードの書き方を教えるC2Cサービスならではのユニークな講座だ。日本からでも世界の先端を行く技術が学べるため、技術者を中心に人気を博している。

2020年に需要が急増するテックスキルランキング

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出典:「2020 Workplace Learning Trends Report」Workplace Learning Trends: Trend #1

また、ユーザーは2020年に需要の急増が見込まれるスキルとして以下のような項目を挙げている。

トップのGatsby.jpは、今後ウェブサイト制作の主流になっていくことが期待されるサイトジェネレーター。

2位はAWS Big Data。アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービスAWSに関連するスキルは、数年にわたり人気を集め続けており、2020年になってもその勢いは衰えそうもない。

インタラクティブなUIを作成でき、ウェブサイトの発展に寄与すると言われるReact Hooksが3位。AWSと並ぶ世界最大規模のクラウドサービスMicrosoft Azureが4位に入った。3位のReact Hooksと同様、React上で使われるフレームワークのNext.jpも、エンジニアたちから熱視線が注がれている。

異文化理解、ストーリーテリング……ソフトスキルのトレンドは?

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出典:「2020 Workplace Learning Trends Report」Workplace Learning Trends: Trend #2

一方、ソフトスキルとしては注目されているのは以下のようなジャンルだ。

1位はグロース・マインドセット。ボラティリティの高い環境では、人々のマインドは萎縮しがち。そうした中で、自分の能力は努力次第で伸ばすことができるという考えに基づき、高い目標を掲げてチャレンジできるしなやかなマインドセットが注目されている。

2位はクリエイティビティ(創造性)。AIが進化し、これまで人間が担っていた仕事をAIが代替するようになると、人間の仕事はよりクリエイティビティ(創造性)を求められるようになる。

Udemyの数あるカテゴリーの中でも高い人気を誇る集中力トレーニングのカテゴリーは3位に入った。自分の能力を最大限活用し、より効率的に高い成果を上げるために不可欠な能力だ。その他にもコミュニケーションやリーダーシップ、ストーリーテリングや異文化理解など、人と協働するために必須のスキルへの関心が高まっている。

〈人気のソフトスキル講座(日本語字幕)〉

起業からIPOまでを教える講座

「米国MBA教授が教える:起業からIPOまでMBAのすべて」

この講座は、TEDにも出演経験のある世界で4万人以上の生徒を持つ人気MBA講師の講座だ。海外版の日本語字幕版として提供されており、網羅的にビジネスの基礎を学ぶことができる。Udemyで15万存在する海外のベストセラー講座の中でも最も人気のあるソフトスキル講座の1つだ。

広がる社会人の学び直し。勉強時間を確保するための解決策

講義を受ける人々

Shutterstock/Monkey Business Images

人生100年時代と言われる現代のビジネスパーソンは、現役として活躍する時間がこれまでの世代よりも長くなることが予想される。そのため常にブラッシュアップをし続けなければ、身に付けた知識やスキルは錆びついたものとなってしまうだろう。特にリーダーとなることを目指す人材は、幅広いジャンルの知識を学び続けていくことが要求されることになる。

しかし多忙なビジネスパーソンが定期的に大学などの教育機関や民間の講座などに通うことは簡単ではない。働き方改革が進んでいるとはいえ未だ残業が減らない職場が少なくないうえ、専門職や企画職となれば裁量労働制が敷かれ労働時間が長時間化していることが多い。さらに大都市圏のビジネスパーソンの通勤時間は長く首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の通勤・通学時間の平均は1時間39分だ。日常的にスキルアップのための時間をわざわざ確保することは困難だと言えるだろう。

また、大学院がカリキュラムで重視する内容が「学際性に配慮した幅広い視点からの研究・学習が可能な内容」なのに対し、社会人学生がカリキュラムで重視する内容、すなわち学習のニーズは「特定の分野を深く追求した研究・学習が可能な内容」や「最先端をテーマに置いた内容」などが上位にあげられている。教育機関における学び直しは、ビジネスパーソンにとってギャップがある場合も少なくないのだ。

次世代リーダーがシリコンバレー発オンライン講座を選ぶ理由

PCを見ながら学習する女性

Shutterstock/JGaudiLab

しかしどんな環境の中にあっても何かしらの方策をみつけて、自分に合った知識を身につける人は存在する。現在、そのような人々が活用しているのがオンライン講座だ。多忙なビジネスパーソンが学び直しを図るには、スキマ時間の活用が鍵となる。

その点、スマホからでもPCからでもアクセスでき、場所を選ばず学習をスタートできるオンライン講座は強い味方だ。従来、学び直しの妨げとなっていた長い通勤時間もスキルアップのための貴重な時間となる。

しかし、質やトレンド性が伴わなければまるで意味がない。そこで選ばれているのが冒頭で紹介したUdemyというわけだ。講座の多くは個人の専門家が提供するため、まだ日本国内では話題となっていないような最新の知識に触れられるうえ、その質の高さには定評がある。各動画はレビューを読んでから購入を決められるため質の低い動画を買ってお金や時間を無駄にしてしまうリスクは低い。本気で学びたいと考える人々に支持される理由があるのだ。

Udemyの広がりによって2020年はさらなる成長を目指す人々のオンライン講座の活用元年となるかもしれない。

参照:総務省 統計局 平成 28 年社会生活基本調査 ― 生活時間に関する結果 ―

   文部科学省 社会人の学び直しに関する現状等について


Udemyについて詳しくはこちらから。

本記事で紹介したUdemyの「2020 Workplace Learning Trends Report」の詳細はこちら(英語のみ。資料のダウンロードには法人版Udemyの会員登録が必要です)

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