携帯電話を使うノンバイナリーの若者。
The Gender Spectrum Collection
デートアプリやデートサイトを使った経験があるというLGBTQの人々は、ストレートの人々に比べて約2倍多いことが、アメリカで実施された最新調査で分かった。
ピュー・リサーチ・センターが行ったこの調査によると、調査対象者のうち、自身をLGBTQだと認識している人の半数以上がオンラインデートをしたいと考えたことがあるという。一方、自身をストレートだと認識している人でデートアプリやデートサイトを利用したことがあると答えたのは28%だった。
この違いは、LGBTQコミュニティーの人々がいかにオフラインでデートをするのが難しいかを示している。ストレートの人々が比較的容易に直接、他人と会える一方で、LGBTQコミュニティーの人々には"ならでは"のハードルがあり、なかなか同じようにはいかない。
出会いを求めて人々が携帯電話やパソコンなどを使う中、デートアプリの使用も急速に増えている。アメリカでは今、オンラインデートは30億ドル(3300億円)を超える産業となっていて、eMarketerによると、2019年には推定2500万人が定期的にデートアプリを使用していたという。加えて、オンラインデートを取り巻く負のイメージも少しずつ薄まってきているようだ。
とはいえ、オンラインデートをしている人はアメリカではまだ少数派だ。ピュー・リサーチ・センターの調査では、デートアプリを使ったことがあるというアメリカ人の成人は30%だ(その割合は30代以下でさらに多くなる)。恋人になるかもしれない相手と出会う一般的な方法は、今でも"直接会う" —— バーで出会う、街中で偶然出会う、お互いの友人を介して知り合う —— なのだ。
だが、LGBTQコミュニティーの人々がこうしたチャンスに恵まれることは少ない。自らをLGBTQと認識している人は、アメリカの人口の4.5% —— 数にして約1130万人しかいない。そのため、デートアプリやその他のプラットフォームを利用するのが、LGBTQの人々にとっては最も手軽に恋人候補を見つける方法になりがちだ。
加えて、LGBTQコミュニティーに対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)は年間1000件以上報告されていて、その数字は今も増えている。より進歩的とされる若い世代ですら、2019年のある調査では、18~34歳のLGBTQの受容が低下していることが分かった。
こうした受容の欠如と暴力への恐怖から、LGBTQコミュニティーのメンバーの多くが恋人候補を対面で探すことを難しい、または危険だと感じている。
[原文:LGBTQ adults are using dating apps nearly twice as much as straight adults, Pew study finds]
(翻訳、編集:山口佳美)