停泊中のダイヤモンド・プリンセス。
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クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に閉じ込められている、あるアメリカ人女性は、新型コロナウイルスに感染するのが船を降りる近道なのではないかと考え始めているという。ワシントン・ポストに語った。
クルーズ船が横浜港沖に停泊して以降、ダイヤモンド・プリンセスでは乗員乗客70人の感染が確認されている(2月9日現在)。残りの3500人あまりが今も下船できずにいる。
アメリカ人のファナ・メンディサバ(Vana Mendizabal)さんは、夫とともにこのクルーズ船に乗っている。
「わたしたちはただ船を降りたいんです」と、メンディサバさんはワシントン・ポストに語った。
船内で働く医療関係者。乗客が撮影し、ソーシャルメディアに投稿。
Twitter/daxa_tw
クルーズ旅行は2月4日に終わるはずだった。だが、乗客が船を降りられるのは2月19日以降になるという。
軽食や水、服などが不足する中、メンディサバさんや他の乗客たちは今、なんとか時間をやり過ごそうと努めている。
最初の数日間は、多くの乗客がソーシャルメディアを使って自分たちの経験をシェアしていた。Business Insiderが取材した別のある女性は、時間が経つにつれ、"隔離"は耐え難いものになりつつあると話している。
ワシントン・ポストによると、乗客の多くは船にとどまることで結果的に病気になる確率をただ上げているだけではないかと、不安を抱えているという。
メンディサバさんは、同じくクルーズ船に乗っている友人の1人が自分の母親が亡くなったと分かっても、彼女のもとに駆けつけることができなかった時、心の底から船を降りたいと感じたと同紙に語っている。
(翻訳、編集:山口佳美)