LINEモバイルの新CMに出演する本田翼さん。
撮影:小林優多郎
ソフトバンク傘下で格安SIMを展開するLINEモバイルは2月10日、新料金プランおよびキャンペーンを発表。2月19日より提供する。
今回の新料金プランの特徴は以下のとおり。
- 料金プランの考え方に変更あり。LINEアプリのデータ量がカウントフリーになる「LINEデータフリー」が実質標準にし、「SNSデータフリー」(+月額280円)などオプションを追加していく方式に
- 最低月額料金が「音声通話SIM」が1100円、「データSIM(SMS付き)」で600円。
- 「データSIM(SMSなし)」は廃止。
- データ容量の選択肢は月間3GB、6GB、12GBに。
- LINEデータフリーのみ月間500MBを選択可能。
※いずれも価格は税抜
「LINE重視」もスマホ初心者の取り込みを強化
従来のLINEフリープランと、新プランのLINEデータフリーオプションを比較。
作成:Business Insider Japan
今回の料金変更は、一概に「値下げか値上げか」、「改善か改悪か」と決めるのは難しい。用途によって、評価が変わってくるからだ。
ただ、最も大きな変更はエントリー向けプランの選択肢の増加だ。従来のLINEフリープランでは月間1GBのデータ容量しかなかったが、月間500MB、3GB、6GB、12GBと選べるようになった。
月間500MBは非常に少ない容量だが、最低料金で新旧比べると、「データSIM(SMS付き)」だと月間20円、音声通話SIMだと月間100円の値引きとなっている。LINEの無料通話やチャットのみのやりとりだけを目的に、今は携帯電話を使っている人や家族に使ってもらうのにピッタリだ。
LINEモバイルが作成した他格安SIM事業者との料金比較。
撮影:小林優多郎
また、そのようなユーザーがよりスマートフォンを使いたくなったとき(データの使用量が増えるとき)、データ量を逐次増やすより(0.5GB毎に500円、1GB毎に1000円)、3GBのプランに上げる方がおトクな設定になっているのもポイントだ。
音楽+SNSのデータフリープランは「実質値下げ」
従来のMUSIC+プランと、新プランのSNS音楽データフリーオプションを比較。
作成:Business Insider Japan
明らかにおトクなのが、LINEと3種のSNS、そして音楽配信サービスの「LINE MUSIC」がカウントフリーになる「SNS音楽データフリー」(旧MUSIC+)のユーザーだ。
特に、月間データ容量が新旧で同じの3GBの場合はデータSIM(SMS付き)では月間350円、音声通話SIMでは月間430円の値引きになっているのもポイントだ。
また、5GBの音声通話SIMの場合も新料金プランの6GB・音声通話SIMに契約変更すれば、“月間1GB増えて40円引き”となる。
発表会でLINEモバイル副社長の今村隼人氏は、LINE MUSICに続くデータフリー対象となる音楽サービスを「(2020年)夏までには出す」と話しており、今後のサービス拡充にも期待はある。
「改悪」も? インスタ重視のユーザーは従来プランを
従来のコミュニケーションフリープランと、新プランのSNSデータフリーオプションを比較。
作成:Business Insider Japan
一方で、「改悪」ともとれる変更が行われたのはSNSデータフリーオプション(旧コミュニケーションフリー)だ。
従来は、LINE、Twitter、Facebook、Instagramの利用データ容量をノーカウントとしていたが、新オプションではInstagramが除外されている。
さらに、料金自体も3GBのプランで比較すると、データSIM(SMS付き)では150円、音声通話SIMでは70円の値上げだ。従来プランのユーザーで現状のデータ容量で満足できていれば、プラン変更する必要はない。
LINEモバイル代表取締役副社長の今村隼人氏。
撮影:小林優多郎
SNS重視のオプションからInstagramをデータフリー対象外とした背景を今村氏は「Instagramでは単なるメッセージのやりとり以上の内容が含まれている」と説明している。
なお、LINEモバイル公式ブログによると、従来プランは2月18日22時で申し込みが受付停止となるものの、現在契約中のユーザーはプラン変更・データ容量変更などをしない限り、そのまま利用可能としている。
(文、撮影・小林優多郎)