新型コロナウイルスとの戦いに備えて、坊主頭で武漢に向かう看護師たち

髪を剃り落とし、防護服を着てポースをとる看護師たち。中国湖北省武漢市にて。

髪を剃り落とし、防護服を着てポースをとる看護師たち。中国湖北省武漢市にて。

China Xinhua News/Twitter

  • 看護師たちは武漢市へ医療支援に向かう前に頭髪を剃り、新型コロナウイルスとの戦いに備える。
  • 髪がないことは、露出した髪を介したウイルスの拡散を防ぎ、防護服の脱ぎ着もしやすいといったいくつかの利点がある。
  • やるべきことは限りなく多く、武漢市の医療スタッフの活動は時間との戦いだ。1日のうちのほんの数分でさえ無駄にできない。
  • トイレ休憩を取らずに済むよう、大人用おむつを着用するということまでしている。

中国湖北省武漢市の病院では、新型コロナウイルスとの戦いのさなか、二次感染のリスクを軽減するために、髪を剃る看護師がいる。

これは、感染の最前線に行くに当たって、医療スタッフが払う犠牲の一例に過ぎない。

2月13日午前の時点で、新型コロナウイルスによる死者は1300人を超え、感染者は6万人に達している。中国の新聞最大手、人民日報のツイッターに投稿された動画では、陝西省の看護師たちが、武漢市へ向かう前に、髪を剃る様子が映されている。

リスペクト!新型コロナウイルス大流行の最前線へ赴く前に、二次感染防止のために髪を剃り落とした看護師チーム

国営新華社通信のツイッターに投稿された動画によると、髪がなければ、ウイルスの拡散防止につながるだけでなく、防護服の脱ぎ着もしやすいという。

武漢大学人民医院で看護師として勤務するShan Xiaさんは、1月末に髪をすべて剃り落としたと、チャイナデイリーが報じた。

「支援活動のため武漢市へ向かう前に、新型コロナウイルスとの戦いに備えて看護師たちは髪を短くカットした」

武漢市の医療スタッフは、より多くの患者に対応するために、トイレ休憩を取る替わりに大人用おむつを装着するといったことまでしている。手は消毒薬で荒れて白くなり、顔にはマスクが食い込んだ跡がつくなど、医療スタッフは身体的ダメージを受けている。

精神的なダメージが大きいことも明らかだ。増え続ける患者に対応する中、ついには心が悲鳴を上げるかのような状態となる医師もいる。

「武漢で治療に当たっているすべての医師や看護師は、身体的、精神的に相当な無理をしていると思う」と北京を拠点に活動するセラピスト、Candice Qinさんは、ワシントンポストに語った。

「患者は不安だと思うが、医師たちも同じ人間だということを忘れてはならない」


[原文:Chinese nurses heading to Wuhan are shaving their heads to treat coronavirus patients because long hair can spread the disease

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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