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楽天までも「不参加」、ドコモ、ソニー……新型ウイルスが直撃する通信業界:MWC2020

MWC2020公式サイト

Business Insider Japan

2020年2月24日から27日にわたって、スペイン・バルセロナで実施される予定の、通信業界の大規模な見本市「MWC Barcelona 2020(通称MWC2020)」の開催が、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で危ぶまれている。

今月に入って次々に「参加取りやめ」を表明する企業が出てくるなか、楽天(楽天モバイル)も2月12日、「参加取りやめ」を発表した。

これまで、2020年2月5日に韓国LGエレクトロニクスが、世界保健機構(WHO)の緊急事態宣言を受け、従業員の安全のため出展見合わせを表明。

さらに、通信業界として特にインパクトが大きいとされるのが、スウェーデンの通信機器大手、エリクソンが、LGと同日に出典見合わせを表明したことだ。エリクソンは毎年、MWCの一角に最大規模のブースを構えていたことから、同社の出展取りやめがそれ以外の企業の参加方針に大きく影響した可能性は高い。

MWC2019でのエリクソンブース

毎年MWCに大規模なブースを構えているエリクソンが参加を見合わせたことで、その後参加を見送る企業が相次いだと見られる。

撮影:佐野正弘(MWC2019にて撮影)

実際、エリクソンの参加見合わせを皮切りとして、2020年2月10日にはNVIDIAとアマゾン・ドット・コムが不参加を表明。一部報道ではインテルやFacebook、通信会社の米スプリントも不参加の方針とされている。

日本企業では2月10日同日に、ソニーモバイルコミュニケーションズとNTTドコモも「参加取りやめ」の方針を表明している。

ソニーのMWC2019での発表

ソニーモバイルは毎年、MWCに合わせてスマートフォン新機種を発表しているが、出展見送りに伴い、YouTubeで新機種発表すると見られている。

撮影:佐野正弘(MWC2019にて撮影)

MWC2019での楽天ブース

2019年のMWCでは完全仮想化ネットワークを大々的にアピールしていた楽天も、新型コロナウイルスCOVID-19の影響を受け不参加を表明した。

撮影:佐野正弘(MWC2019にて撮影)

MWCの主催者GSMAの判断は?

MWC2019

昨年のMWC2019の展示風景。

Shutterstock

一方で参加の方針、あるいはまだ明確な方針を示していないのは、大手でいえばフィンランドのノキア、米国企業のクアルコム、マイクロソフトなど。韓国サムスン電子は、参加予定ではあるもの、その規模は縮小するとしている。

またファーウェイ・テクノロジーズやZTE、シャオミといった中国の大手企業も、現時点では参加の方針を変えていないとみられる。現在のところ中国大手で不参加と報道が確認できる大手企業は、筆者の知る限りVivoとMediaTekなどがある。

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2019年のMWCでは折り畳みスタイルの「HUAWEI Mate X」を発表して話題を呼んだファーウェイ・テクノロジーズは、さまざまな対策はしながらも現在のところ参加する方針は変えていない。

撮影:佐野正弘(MWC2019にて撮影)

とはいえ中国ではCOVID-19が猛威を振るっていることから、MWCを主催するGSMAも、湖北省からの渡航者の参加を禁止し、中国に滞在していた人は、パスポートなどでイベントの14日前に中国を出国したことを照明する必要があるなどの厳しい対応を取っている。

それゆえ中国企業の多くは中国からスタッフが参加せず、現地スタッフを中心に対応するなどの方針を採るとみられ、ZTEやTCLなどは実施予定だった発表会を中止するなど、規模縮小を余儀なくされている状況だ。

COVID-19の影響は、少なくともMWC開催期間中は継続する可能性が高いことから、今後も先に挙げた大手企業がMWCへの不参加を表明する可能性は、小さくないと考えられる。

現地バルセロナへの経済的影響も……

Expediaのスクリーンショット

旅行予約サイトExpediaの2月12日時点の現地ホテル相場。大きな変化は現時点では発生していないが……。

Business Insider Japan

もしMWC2020が「中止」となった場合、気になるのは現地バルセロナの経済への影響だ。

MWCは全世界の携帯電話に関連する企業が集結する非常に大きなイベントであることから、その全体的な経済効果は近年で4億7300万ユーロ(約567億円)、来場者10万人と言われるほど、非常に大きい。

仮に「中止」や規模縮小となった場合、特に大きな影響を受ける1つは、ホテルなどの宿泊施設だろう。

毎年MWCのシーズンには市内ホテルの大半が満室となり、価格が通常の数倍に高騰することも珍しくない。

ただし、筆者がExpediaやAgoda、Booking.comなどで、期間中のバルセロナのホテルの空き状況を調べたところでは、2020年2月12日時点ではまだ空室が増えている様子は見られなかった。影響が出てくるのはもう少し先なのかもしれない。

そして実は筆者も、取材のためほぼ毎年MWCに参加しており、今年も参加を予定している1人だ。

宿泊施設は1年近く前から予約するなど準備をしてきたが、さすがにこうした事態の発生は想定していなかった。飛行機は既にキャンセルできず、宿泊施設の無料キャンセル期間も残り数日という状況だ。

新型コロナウイルスが及ぼす経済的影響に戦々恐々としながら、今はその行方を見守っている。

(文、写真・佐野正弘)

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