“1カ月で100万本”EXILE公式「レモンサワースクワッド」が大ヒットした理由

レモンサワースクワッド

LDH JAPANと宝酒造、ローソンが共同開発したEXILE監修の本格レモンサワー「LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO(レモンサワースクワッド)」は1カ月で累計販売本数が100万本のヒット商品となった。

撮影:西山里緒

“EXILE公式レモンサワー”として、2020年1月1日からローソンで販売している「LEMON SOUR SQUAD from NAKAMEGURO(以下、レモンサワースクワッド)」(220円/税込)が、大ヒットを飛ばしている。

累計販売本数は、約1カ月で100万本を突破。ローソンが1年以内に売り出したチューハイ新商品では最速の売れ行きだという。レモンサワー商品の中では後発だった「レモンサワースクワッド」大ヒットの理由とは?

福岡からレモンサワーが消えた日

異変は、2020年1月1日に起きた。

福岡市で行われた、EXILEや三代目J SOUL BROTHERSらが総出演したカウントダウンライブ。「LDH PERFECT YEAR 2020」開催を記念した「公式レモンサワー」を発売するという発表があると、大きなどよめきが起こった。

ライブ終了直後からファンが商品を買い求め、市内から同商品が「消えた」。

通常、酒類の売り上げは夕方がピーク(山)。深夜に山ができたのは今までにない売れ方」と、商品開発に携わったローソン・ドライ商品本部の中村良平さんも驚きを隠さない。

レモンサワースクワッド開発者

開発に携わった、宝酒造・酒類事業本部の小澤真一さん(左)、ローソン・ドライ商品本部の中村良平さん(中央)、LDH kitchen社長の鈴木裕之さん(右)。

撮影:西山里緒

売れ行きの特徴は「ケース買い」だ。通常、酒類品でのケース買いといえばビールが定番で、チューハイにこの傾向は見られない。しかし、1月の販売のうち、4%がケースで買われていたという。

2020年1月には、同商品が売り切れているとの投稿がTwitter上で相次いだ。その売れ行きは、ローソンで販売している他の主力レモンサワー商品の3倍以上の勢いだったという。

人気のため、ローソンは1月14日、急遽出荷を停止。増産体制を整え、1月28日から販売を再開。「正直、見たことがない数字だった」と中村さんは顔をほころばせる。

ファンがSNSや口コミで広めてくれた」とローソン担当者が話す通り、ファンを超えて裾野も広がった。当初は購入者の7割が女性だったが、現在はじわじわと男性の構成比が伸びているという。

EXILEがこだわった「強炭酸」

サントリー

サントリーの推計によると、2018年にRTD市場は過去最高となった。

出典:サントリー

レモンサワー(レモンチューハイ)市場はここ数年、伸長を続けている。

サントリーの2019年の推計によると、缶チューハイや缶カクテルなどのRTD(Ready To Drink、ふたを開けてそのまま飲めるアルコール飲料)市場は、2018年までに11年連続で伸長し、2億ケースを突破。直近10年間で市場規模は約2倍に拡大している。

レモンサワー商品に限ってみても、コカ・コーラボトラーズジャパンが販売している「檸檬堂」やサントリーの「こだわり酒場のレモンサワー」など、ヒット商品が続く。後発でも「レモンサワースクワッド」が、目覚ましい成功を収めた理由は何か?

実際に飲んでみると、印象に残るのはレモンの爽快感と、強いのどごしだ。後味の苦味はあるものの、ストロング系チューハイのような「アルコールを飲んでいる感」は少ない。甘みよりも酸味と苦味が押し出されるため、しょっぱい乾きものが欲しくなる味だ。

もともと、EXILEとレモンサワーのつながりは深い。「(アーティスト・スタッフが)ライブの打ち上げでレモンサワーを2500杯飲んだ」という逸話はファンの間では有名だ。

中目黒にある「居酒屋 三盃」の店内の様子。

LDHとレモンサワーの歴史は長い。LDH kitchenが運営する「居酒屋 三盃」でも生レモンサワーを提供している。

撮影:的野弘路

焼酎・レモン・強炭酸。慣れ親しんだレモンサワーの味を再現するため、EXILE HIROをはじめ、EXILE TRIBE、LDHのメンバーも開発に携わった。開発期間の約1年半にわたり、テイスティングを繰り返した。

宝酒造・酒類事業本部の小澤真一さんによると、特に苦労した点は「強炭酸の再現」だという。「もっと炭酸を強く」 —— LDHからのフィードバックに、新たに「強炭酸に堪えうる耐圧缶を採用する」ほど、ガツンと強いのどごしのレモンサワーが完成した。

パッケージデザインにも“異例”を採った。レモンサワー缶は通常、中央に大きなレモンのイラストや写真があしらわれているものがセオリーだが、あえてレモンを中心に置かず、代わりに鮮やかなレモン色の背景を採用。

(理想の色を缶に出すために)色校正は何度刷ったかわからないほど」と、宝酒造・広域流通本部の遠藤敦さんは、苦笑しながら明かす。

レモンサワー人気、どこまで続く?

先述したように、レモンサワー市場は活況だ。

日本蒸留酒酒造組合の2019年の発表によると、直近1年間でレモンサワーを飲んだことがある人は全体で8割近く、若い年代ほど「飲む回数が増えた」と回答した割合が高かったという。

『レモンサワースクワッド』を、ローソンの主力商品として大切に育てていきたい」(ローソン担当者)

ローソンはレモンサワースクワッドでサントリーとコカ・コーラというレモンサワー界の“2強”との戦いに参戦した形だが、このヒットは当分続くと見られる。「レモンサワー戦国時代」は、まだまだ続きそうだ。

(文、西山里緒)

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