我々の故郷は淡く、青く、小さな点…歴史的写真撮影から30年、NASAが画像を再処理

NASAが公開した新たな「ペイル・ブルー・ドット」。

NASAが公開した新たな「ペイル・ブルー・ドット」。

NASA/JPL-Caltech

  • 太陽から約60億キロメートル離れたところから、小さな点にしか見えない地球の姿が撮影され、「ペイル・ブルー・ドット」として知られる写真になった。今年の2月14日は、その撮影から30年に当たる。
  • 撮影を行ったNASAの宇宙探査機ボイジャー1号は、1977年に打ち上げられ、2012年に星間空間に到達した。
  • NASAはアップデートした「ペイル・ブルー・ドット」を公開した。地球がより青く、クリアな点となっている。
  • オリジナル写真は、1990年に撮影された太陽系の「家族写真」のうちの1枚だ。

1990年2月14日、宇宙探査機ボイジャー1号が約60億キロメートルの彼方から地球を撮影した。それが「ペイル・ブルー・ドット(淡く、青い、点)」として広く知られるようになった写真だ。

この写真で、地球は1ピクセルにも満たない小さなサイズで、ぼんやりとしたひと筋の太陽光線に隠れているように見える。撮影したボイジャー1号は、双子機のボイジャー2号とともに1977年に打ち上げられた。1号は木星と土星の近くを通過し、2号はそれらに加え、天王星と海王星の近くも通過した。

ペイル・ブルー・ドットの写真は、これまでにない視点で、地球がいかに小さく儚い存在であるか我々に示した。写真とこのタイトルは、惑星科学者でボイジャー画像研究チームの一員でもあったカール・セーガン(Carl Sagan)が生み出したものだった。

「はるか彼方から我々のこの小さな世界を捉えたこの写真ほど、人類のうぬぼれた愚かさを実証するものはないだろう」と、セーガンは著書「惑星へ(原題:The Pale Blue Dot)」に記した

「私には人類の責任を問われているように感じられる。互いにいたわり合い、この“ペイル・ブルー・ドット”を守り、慈しむ必要があるのではないかと。我々の唯一の故郷なのだから」

発表から30周年を記念し、NASAは「撮影に関わった人々の意図を尊重」しながら、最新の技術を用いて画像処理を行ったと声明で述べた。トップに掲載したのがその新たな写真だ。

下に掲載したオリジナルの写真は、荘厳で前例のないものではあるが、ぼやけていて光の筋が目立つ。この筋は、ボイジャー1号が撮影のために太陽の方向を向いたため、散乱した太陽光線が粒子の粗い光の筋となって、点ほどの地球を覆ったものだ。

1990年2月14日に公開された、オリジナルの「ペイル・ブルー・ドット」。

1990年2月14日に公開された、オリジナルの「ペイル・ブルー・ドット」。

NASA

オリジナルの写真は、複数の画像を組み合わせたもので、3色のカラーフィルターが色の調整のために用いられた。新たな写真もカラーフィルターを用いているが、よりはっきりとした画像にするため、フィルターのバランスが調整された。加えて、太陽光線の色は、人間が感じるような白に調整された。

太陽系の巨大惑星を探検

太陽系の惑星は、1970年代から80年代にかけて、175年に1度しか起こらないというまれな配置となった。それをうまく利用してボイジャーのミッションが行われた。つまり双子の探査機は、それぞれの惑星の重力を利用して航路を次々と変更していく「スイングバイ航法」によって推進力を得た。そのため多くの燃料を搭載する必要がなかった。

当初、海王星の先から地球を含む太陽系の惑星を撮影する計画はなかった。だが、ミッションの司令官がボイジャー1号のカメラをシャットダウンする直前に、探査機を地球の方向に振り返らせて撮影が行われた。探査機が太陽に向き合う状態となったため、散乱した太陽光線が、カメラを通して地球を覆う粗い光の筋となって写り込んだ。写真では、我らの地球はわずか0.12ピクセルの点でしかない。

撮影から34分後、ボイジャー1号のカメラは、永遠にシャットダウンされた。

バイキング火星探査計画のために製造された着陸船モデルとカール・セーガン。カリフォルニア州デスバレーにて。

バイキング火星探査計画のために製造された着陸船モデルとカール・セーガン。カリフォルニア州デスバレーにて。

NASA

ボイジャー1号に地球の写真を撮らせようとチームを説得したのはセーガンだった。この距離では何も写らないかもしれないと理解した上での提案だった。そうだとしても、宇宙の中では地球がいかに小さく、はかない存在か捉えることができると考えたからだ。

太陽系の「家族写真」

ボイジャー1号は、太陽系の惑星の写真を他にも59枚撮影した。一連の「家族写真」となるものだ。

地球と同様、他の惑星も小さな点のようにしか写っていない。

写真の位置関係を示す画像(上段)と、太陽系の惑星を拡大した「家族写真」(下段)。

写真の位置関係を示す画像(上段)と、太陽系の惑星を拡大した「家族写真」(下段)。

NASA/JPL-Caltech

ボイジャー1号は海王星、天王星、土星、木星、金星を撮影した。しかし火星、水星、準惑星の冥王星(撮影当時はまだ惑星に分類されていた)は写らなかった。火星は太陽光線に隠され、水星は太陽に近すぎ、冥王星はあまりにも小さく、遠く離れていて暗かったためだ。

ボイジャー2号の進行方向の観測も兼ねて、1990年2月に「家族写真」が、ボイジャー1号の視点から撮影された。

ボイジャー2号の進行方向の観測も兼ねて、1990年2月に「家族写真」が、ボイジャー1号の視点から撮影された。

NASA/JPL-Caltech

単独の探査機が太陽系全体の撮影を試みたのは、ボイジャー1号の「家族写真」が、史上初にして唯一のものだ。

2012年8月、ボイジャー1号は星間空間に到達した。現在、地球から最も遠く離れた人工物となっている。

[原文:NASA slowly drains the oceans in an incredible animation, revealing hidden underwater mountain ranges and ancient land bridges

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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