街中からオフィス、食卓にまで広がったシェア文化。次に広がるのは頭の中?

一人で勉強する女性

shutterstock/Dean Drobot

シェアリングエコノミーの広がりはとどまることを知らない。今や、空き部屋やオフィスといった場所、自転車や自動車といったモノに限らず、労働力や空き時間までもが手軽にシェアされる時代だ。

日本国内のシェアリングエコノミーの経済規模は、2018年に1兆8874億円を超え、さらに2030年には11兆1275億円と約6倍の成長が見込まれている。

シェアリングエコノミーはカーシェアサービスなど大資本を持つ企業が参画する例もあるが、この経済圏の主役は個人や小規模の運営体である。ユーザー同士をつなぐプラットフォームこそ企業が用意するものの、サービスの提供者も受給者も一般消費者であるCtoC(Consumer to Consumer)がメインのビジネスなのだ。

そしてこのCtoCのビジネスは今、学びの世界にも変革をもたらしている。米国発のオンライン動画学習サービス「Udemy(ユーデミー)」はEdTech(Education+Technology)の大本命と言える存在だ。シェアリングエコノミーが教育の分野でどのような影響をもたらしているのかを見てみよう。

自分にぴったりなモノやサービスを選べるCtoC

スマホでオンライン決済をする様子

shutterstock/Surasak_Ch

誰もが気が付いているように、シェアリングエコノミーが広がった背景の一つにはインターネットの普及がある。多くの人が手軽にネットに繋がることができるようになったことから、遠隔地にいる人にも物やサービスが提供されるようになり、経済圏が広がることで受給者も供給者も増えた。また、巨額の資本を用意しなくても自分の身の回りにある物、事、技術を売ることができるようになったことから、誰もが生産者になることが可能になった。そこで生まれてきたのが、CtoCのビジネスである。

大量生産・大量消費の思想のもと商材が作られるわけではないCtoCの経済圏では、ニッチな需要にも対応できる強みがある。そのため消費者は自分にぴったりな商材を選び取ることが可能だ。

Airbnbにしてもメルカリにしてもスペースマーケットにしても、CtoCのシェアリングサービスはほとんどが利用者レビューによる評価制度を導入している。利用者が安心して参加できることもこれらのサービスの成長につながっている。

今、必要な知識もシェアしてもらえる

Udemyのトップ画面

あらゆる業界で成長が見込まれるCtoCだが、特に注目して見ていくと面白いのがスキルやテクニックに関する分野である。

現在、日本国内で人気を集めているのは、家事代行サービスのタスカジやベビーシッターサービスのキズナシッター、絵や文章を書いてもらう人を探せるココナラなどだ。衣類などの修繕や縫製を頼めるnutteのような、特定のスキルに特化したサイトも登場している。これらはいずれも消費者の代わりにプロが手を動かすテクニック提供型のサービスだ。

一方で、文字通りスキルやテクニック、知識を共有する教育型のサービスも始まっている。その代表格がUdemyである。

Udemyは、世界中の教えたい人(講師)と学びたい人(受講生)をオンラインでつなげる教育プラットフォームで、現在世界で5000万人以上(2020年2月現在)が利用しており、エクセルやプレゼンテーションなどのビジネススキルからAI(人工知能)、データサイエンスなどの最先端のテーマまで幅広い講座が15万以上存在する。1コースから購入でき、日本でもアーリーアダプターなビジネスパーソンを中心に利用者が急増している。

Udemyは各スキルの専門家が個人で講座を配信するため、情報が発せられるまでのスピードが非常に早い。日本ではまだほとんど知られていない最先端の技術に触れることも可能だ。

しかも、講座の内容は概論にとどまらず、明日の業務からすぐ役立つ実践的なものが多い。対面型のセミナーで受講するには授業料が高額になり、自力でテキストを読み解くには難解すぎるような講座も手軽に動画で視聴することができるのだ。

各界の専門分野の講師が高品質なコンテンツを提供

星でレビューをつける

shutterstock /Jirsak

実際に、Udemyにどのような講座があるのかを見てみよう。

例えば、AI・データサイエンスについて学べる「みんなのAI講座ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習」というコースでは、ビジネスで役立つ人工知能に関する知識や、今最も注目度が高いプログラミング言語Python(パイソン)の基礎技術を身につけることができる。

みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習の画面

Udemy

講師はAI関係の研究開発や教育に携わるSai-Lab株式会社の代表取締役の我妻幸長氏だ。我妻氏はプログラミング講師として教室で1,000人以上、オンラインでは20,000人以上を指導してきた経歴があり、ディープラーニングやPythonをテーマに書籍を出版している。

当該コースでは、その我妻氏から動画で5時間半にわたるレクチャーを受けつつ、参考となる記事を読むこともできる。動画はユーザーが実際に演習を行いながら進められるようにできているため、ただ情報を頭に入れるだけでなく実際にスキルとして身に付けることができる作りとなっており、実際に教室などに通うのと変わらない効果が期待できる。

みんなのAI講座のパワーポイントの一部

みんなのAI講座 セクション「機械学習」より

Udemy

ほかにも下記のようなコースが人気を集めている。

・現役のYoutuberでもある動画編集のプロから学べる 「After Effects Class 初めてでも安心!現役クリエイターが教える動画コンテンツ制作術」

元外資系投資銀行マンの講師からプロの財務モデリングを学べる 「【初心者から財務プロまで】エクセルで学ぶビジネス・シミュレーション講座マスターコース」

いずれも関連する業務を担っているビジネスパーソンにとっては、少しでも早く効率的に身に付けたい知識だ。レビューには「動画のおかげで認定試験に合格した」「疑問がクリアになった」という声が集まっている。動画であるため専門書を読むよりも分かりやすく、理解が深まるのだろう。

年収、やりがい、社内改革……三方よしの理由は?

オフィスのイスに腰掛けをかけてパソコンを開く男性

shutterstock/skyNext

実際にUdemyを利用した人たちの声も紹介したい。

プログラマの黒澤さん(男性・30代)はもともとAccess/ExcelのVBAを使ってデータを整理する業務に携わっていたが、iOSアプリを開発するプロジェクトに参加することになったため、Udemyで学習をスタート。学んだことを生かして仕事に取り組んだところ、会社から高く評価されるようになった。その後の転職でも学んだスキルを生かし、年収は2.5倍になったという。

また、前述の人気コース「みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習」を提供している人気講師・酒井潤さんは「Udemyは自分の得意なことを生かして収入を得ることができる。誰にでも学校では教わることができない自分だけが持つ知識やスキルがあり、それを自分の体験として終わらせるだけでなく、次の世代へ伝えることも可能だ」と提供側のメリットを語っている。

CtoC向けのプラットフォームとしてスタートしたUdemyだが、DX人材育成や働き方改革を背景とした需要を受けて、今では法人の利用も増えてきておりCtoBビジネスとしても機能している。Udemyが日本で本格的にリリースされたのは2019年の6月だが、すでにNTTデータ、トヨタ自動車、みずほ銀行、三菱UFJ銀行といった企業でも利用されている

豊田通商ではITの肌感覚を持っているビジネスパーソンを育成するため2019年に全社導入を決定。一般的なe-Learningや集合研修などとは別に、社員が学びたい知識を身に付けることでトップアップ(素養のあるトップの社員を育てる)を図り、社内にデジタル変革を促す狙いだ。

個人の持つ先鋭的な能力を持つ人が、それを本当に必要としている人に届けることができるCtoCビジネス。教育の分野はUdemyの成長によって大きな変革が起きるだろう。その影響は数多の人に伝播し、世界中の人に計り知れない利益をもたらしてくれるかもしれない。


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