スマホ値引きの抜け穴ではない? KDDIの残価設定型「かえトクプログラム」の狙い

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先週、ニューヨークで発表された「Galaxy Z Flip」が国内向け折り畳みスマホ第2弾として登場。女性も含めた幅広いターゲットに向けた端末だ。2月18日からau取扱店で予約開始。2月28日に発売される。

撮影:太田百合子

KDDIは2月17日に都内で会見を開き、先日グローバル発表されたサムスンの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip」の国内独占販売と、併せて導入する新たな端末購入サポート施策を発表した。

2月21日から新たに導入される「かえトクプログラム」は、スマートフォンでは初の「残価設定型」のプログラム。「残価」とは自動車ローンなどで採用されているしくみで、契約時に数年後の下取り価格を想定した金額を設定。販売価格からこれを差し引いた残りを割賦で支払い、払いきった段階でクルマを乗り換えれば、残価分の支払いが免除されるといったものだ。

コンパクトケースサイズで手のひらに乗る大きさ。折りたたんだ状態でも日時や着信を確認できる、タッチ対応のサブディスプレイも搭載。

Galaxy Z Flip

撮影:太田百合子


指紋センサーを兼ねる電源ボタン2度押しで、閉じた状態でカメラを起動。1200万画素×2のデュアルカメラを使って、セルフィーが撮れる機能も。

Galaxy Z Flip

撮影:太田百合子


約6.7インチのディスプレイに極薄のガラスパネルを採用。90度画面が曲がった状態で固定し、ジェスチャーによるシャッター操作でセルフィー撮影も。

Galaxy Z Flip

撮影:太田百合子


「かえトクプログラム」でも同様に、スマートフォンごとに2年後の下取り価格を想定した残価を設定。本体価格からこれを差し引いた金額を23回の割賦で支払う。払い終わった時点で端末を返却し、auの販売する新機種に買い換えれば残価分は免除。

もちろん残価を支払えば、端末を買い取ることもできる。なお、プログラムはauの回線契約の有無にかかわらず利用でき、利用料なども一切かからない。

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残価を設定することで、23回分の月々の支払い金額を安くおさえられる。残価は端末購入時から2年先を想定して設定されるため、同じ端末でも購入時期によって変動する可能性があるという。

撮影:太田百合子

現行の「アップグレードプログラムNX」でも36回の割賦払いから最大12回分の残債が免除されるが、新プログラムでは販売価格に対する残価の割合が、各機種ごとに異なっている。

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たとえば同日発表された「Galaxy Z Flip」の場合、販売価格は税込17万9630円で、残価は本体価格の約33%にあたる5万9760円。残りの11万9600円を23回に分けて支払うと、月々の支払金額は5200円となる。

撮影:太田百合子

また「アップグレードプログラムNX」では、対象機種が一部ハイエンドモデルに限られていたが、新プログラムでは残価を柔軟に設定できることから、「今後登場する5G対応のスマートフォンも含めて、基本的にはauが販売する全機種が対象になる」(KDDI コンシューマー事業企画本部 副本部長の松田浩路氏)という。

「かえトクプログラム」の導入にあわせて「アップグレードプログラムNX」は終了し、2月21日以降は現行機種にも新プログラムが適用される。

気になる残価設定額だが、機種ごとに傾向が異なるのは気になるところだ。

すでに公開されている現行機種の例を見ると、リセールバリューの高い「iPhone 11」などが、販売価格の40%を超えるなど残価が高め(ユーザー空見ると、端末価格に対する実費負担の割合が下がる)に設定される一方で、もともとの販売価格が安価なAndoroidのミドルレンジモデルは、20%程度と低くなっている。

残価の設定方法は「これまでに実施してきた、下取りなどで培ったノウハウに基づく」と松田氏。単純に過去の実績だけでなく「この先の中古市場の動きなども含めて予測、想定している」という。

「残価設定」は実質大幅値引きの抜け道にならない?

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KDDI コンシューマー事業企画本部 副本部長の松田浩路氏(右)と、同 次世代ビジネス企画部 部長の長谷川渡氏(左)。

撮影:太田百合子

2019年に施行された改正電気通信事業法では、割引額の上限を2万円に設定するなど、端末の大幅な値引きを規制している。

質疑応答では「残価を高く設定することで、実質的な大幅な値引きもできるのでは?」という、やや厳しい質問も飛んだ。

これに対しては、「今後は端末をauのお客様以外にも販売していく。端末販売事業単体で黒字化を目指していかなければならない」(コンシューマ事業企画本部 次世代ビジネス企画部 部長の長谷川渡氏)と説明。

「そのためにより魅力的な端末を揃えるなど工夫し、利益の出る健全な状態にしていく。極端な残価設定がされるような不健全な状況にはならない」(同)とした。

端末販売と通信料金の完全分離、前述のような割引規制によって、ハイエンドモデルが売りづらくなる中、高価格な5Gスマートフォンをいかに販売するか? 今まさに、各社は知恵を絞っている。

今回の会見では5Gについての言及がなく、プレスの間ではそのことに落胆する声もあったのも事実だ。

KDDIの狙いは、本格的な「5G商戦前」に先んじて新たな端末購入サポート施策を発表し、お得感をアピールすることで、少しでも5G商戦へのハードルを下げておきたい、ということにあるのだろう。

(文、写真・太田百合子)

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