アマゾンCEOのジェフ・ベゾス。
Clodagh Kilcoyne/Reuters
- ジェフ・ベゾスが気候変動と戦うために100億ドルを投じ、「ベゾス・アース・ファンド」という新たな取り組みを開始すると述べた。
- 「我々は地球を救うことができる」とベゾスはインスタグラムの投稿で述べた。「大企業、中小企業、国家、国際的組織、そして個人が協力し、行動する必要がある」
- 世界で最も裕福なベゾスの純資産は、推定1300億ドル(約14兆2600億円)。誓約した100億ドルは、その約7.7%だ。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)が2月17日(現地時間)、100億ドル(約1兆1000億円)を投じて気候変動と戦うと述べた。
アマゾン(Amazon)のCEOで世界で最も裕福なこの人物は、インスタグラムの投稿で「ベゾス・アース・ファンド(Bezos Earth Fund)」の設立を発表した。この基金からの資金の提供は今年の夏に開始する予定だという。
彼の純資産は推定で1300億ドルなので、基金に投じられる資金はその資産の約7.7%に相当する。
「気候変動は地球にとって最大の脅威」とベゾスは述べた。
「皆とともに、皆で共有するこの地球に気候変動が与える壊滅的な影響と戦うため、既存の方法を拡大し、新たな方法も見つけたい」
この動きは、会社は気候変動と闘うためもっと多くのことをするべきだという、アマゾン従業員たちからのプレッシャーを受けたものだ。2020年1月、350人以上の従業員が、2030年までの排出量実質ゼロなどを求め、Mediumで署名していた。
2019年9月には、アマゾンは気候変動対策に関する誓約(The Climate Pledge)を発表した。2040年までにカーボン・ニュートラルに、2030年までに使用するエネルギーを100%再生可能なものに、2030年までに配達車両10万台を電動にする、というものだ。
ベゾスは、世界で最も裕福な5人のうちで唯一、「寄付誓約宣言(Giving Pledge)」に署名していないアメリカ人だ。同宣言の賛同者は、生きている内に、あるいは遺言によって、資産の半分以上を寄付することを誓約する。元妻のマッケンジー・ベゾス(MacKenzie Bezos)は5月に、この誓約に署名している。
インスタグラムに投稿された全文は以下のとおり。
今日、ベゾス・アース・ファンドの立ち上げを発表できてうれしく思う。気候変動は地球にとって最大の脅威だ。皆とともに、皆で共有するこの地球に気候変動が与える壊滅的な影響と闘うため、既存の方法は拡大し、新たな方法も見つけたい。このグローバルな取り組みは、科学者、活動家、NGOなど、自然界の維持と保護に役立つ真の可能性をもたらすあらゆる取り組みに対し、資金を提供する。我々は地球を救うことができる。大企業、中小企業、国家、国際的組織、そして個人が協力し、行動する必要があるだろう。
100億ドルを準備し、今年の夏に資金提供を開始する。地球は、我々が皆で共有する唯一のものだ 。守ろう、ともに。
ジェフ
[原文:Jeff Bezos says he's giving $10 billion — about 7.7% of his net worth — to fight climate change]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)