メルカリが狙う「3600万人超」フリマ潜在ユーザー。5分でわかるMercari Conference 2020

Mercari Conference 2020

メルカリは事業戦略発表会「Mercari Conference 2020」を開催。一般的な発表会形式で行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響により、ライブ配信となった。

出典:メルカリ

メルカリは2月20日、同社初となる事業戦略発表会「Mercari Conference 2020」を開催。フリマアプリ「メルカリ」に関するさまざまな新サービスや取り組みが明らかになった。

コンセプトとして掲げられたのは「CONNECT(コネクト)」で、発表されたのはすべて、メルカリだけではなく他社との提携によって実現するものばかり。提携する会社ごとに発表内容を整理してみよう。

【丸井】実店舗&ECサイトの両方で連携

メルカリステーション

メルカリの常設拠点となる「メルカリステーション」。

出典:メルカリ

  • 新宿マルイ本館に実店舗「メルカリステーション」をオープン
  • ECサイト「マルイウェブチャネル」とメルカリのデータ連携
  • 4月より新宿マルイ本館などがメルペイに対応。その後全店およびECでも導入

最も大きな発表と言えるのが、マルイやモディなどの商業施設を展開する丸井との業務提携だ。メルカリは丸井とともに新しい2つの取り組みを明らかにした。

1つ目のメルカリステーションは、これまで各地で行ってきたメルカリの使い方を学べる「メルカリ教室」に加えて、商品の撮影、梱包資材の販売、無人投函ボックスによる発送が行えるメルカリ初の現実世界の常設拠点。第1店舗が2020年春に東京・新宿マルイ本館でオープンする。

メルカリステーション自体は今後、新宿マルイ本館以外にも全国のショッピングモールや商業施設で展開する見通し。2021年夏までに主要10都市での展開を目指す。

丸井とのデータ連係

丸井とはデータ連携も行う。

出典:メルカリ

2つ目は、丸井のECサイトとメルカリのデータ連携。例えば、メルカリ内での検索時にマルイウェブチャネルの取り扱い商品を表示したり、IDを連携することでマルイウェブチャネルで購入した商品をメルカリですぐ出品できるようになるといったユースケースが想定されている。

また、そこで培われたノウハウは、メルカリステーションやマルイ、モディの運営にも活かされるという。

【ヤマト運輸】メルカリの「持続的な成長」を支援

メルカリポスト

売れた出品物を手軽に送れる「メルカリポスト」。

出典:メルカリ

  • 無人投函ボックス「メルカリポスト」を使って、売れた商品の配送が手軽に
  • 「大型らくらくメルカリ便」のサイズ拡張
  • 「クロネコメンバーズ」連携を含めた、さらに深い業務連携を進める

メルカリは実店舗展開だけではなく、ハードウエアの展開も発表した。それが、メルカリステーションにも配置される無人投函ボックス「メルカリポスト」だ。

メルカリポストでは、出品物が購入されたあと、特定の配送方法で表示されるQRコードを読み取るだけで、宛名ラベルの発行、投函まで行える。

メルカリでは自社拠点以外にも、ドラッグストアやスーパーマーケット、駅構内などの設置を想定している。すでに導入希望企業向けの特設サイトをオープン。2023年まで全国5000カ所への設置を目指す。

ヤマト運輸との取り組み

ヤマト運輸との今後の取り組み。

出典:メルカリ

このメルカリポストは、2015年からパートナーシップを結び、匿名配送の「らくらくメルカリ便」などを展開するヤマト運輸とともに運営していく。

発表会に登壇したヤマト運輸執行役員の櫻井敏之氏は、「メルカリの持続的な成長を後押ししていく」と話し、メルカリポスト以外にも家具や大型家電を集荷・配送できる「大型らくらくメルカリ便」の対応サイズの拡張(近日)や、ヤマト運輸の会員サービス「クロネコメンバーズ」との連携を深めていく旨を明かした。

【パナソニック】次世代ポストを開発

メルカリポストプラス

早くもメルカリポストの次世代機の構想も発表された。

出典:メルカリ

  • 次世代機「メルカリポストプラス」は2020年春までに詳細発表

メルカリポストは2020年夏から順次展開されるが、早くもそれに続く次世代機の予告も行われた。それがパナソニックとの協業で生まれる「メルカリポストプラス」だ。

メルカリポストプラスは、メルカリポストの機能に加えて、出品物の自動採寸も行える。さらに、無人レジや顔分析によるクーポン発行機能なども持つため、設置場所の業務効率化などにも役立つ。

細かな仕様などはまだ公開されていないが、2020年春までに実用化の発表が行われる見込み。

登壇したパナソニック コネクティッドソリューションズ社副社長兼イノベーションセンター所長の江坂忠晴氏は「(パナソニックが法人向けに提供してきた)画像、センシング、ネットワーク技術をメルカリポストに集約した」と語っている。

【NTTドコモ】dポイント加盟店で買った商品の出品が手軽に

ドコモとメルカリ

NTTドコモと業務提携を結んだメルカリ。

出典:メルカリ

  • ドコモショップに「メルカリポスト」の設置
  • dポイントクラブ会員をベースとするdアカウントとメルカリIDの連携詳細

メルカリは2月4日に発表していたNTTドコモとの提携内容についても、さらに踏み込んだ内容を明らかにした。

決済残高の連携やドコモショップでのメルカリ教室の開催などは既報の通りだが、今回は新たにメルカリボックスのドコモショップへの配置やdポイントをベースにした商品購入データとの連携が行われる。

dポイント活用

dポイントの会員基盤で蓄積される購入履歴がメルカリで活用できるようになる。

出典:メルカリ

とくにdポイントとのデータ連携が実現すると、例えばdポイント加盟店でカードを提示して購入した商品を、すぐにメルカリに出品できるようになるといった利便性が実現する。

データを提供するか否かは、もちろん加盟店ごとの合意が必要だが、dポイントは累計1459億ポイントの利用、686種類もの提携先(いずれもNTTドコモ2019年第3四半期決算資料より)があり、非常に影響力のあるデータ連携先と言える。

他社と協業・データ連携の目的は、潜在ユーザーの掘り起こし

データ連携

メルカリは本格的に自身が持つ二次流通の購買データなどを活用していく。

出典:メルカリ

  • ECサイト「SHOPLIST」で購入した商品を簡単に出品できる機能は3月より提供開始
  • 商品管理・保管・梱包・送付を一気通貫で実現する「あとよろメルカリ便」を2月に試験運用開始
  • アパレル系サービス「STAFF START」が提供するコーディネート画像をメルカリ内でも表示し、類似の出品物や新品が買えるECサイトを案内
  • 「@cosme」とメルカリのIDを連携し、化粧品メーカーに対し、二次流通市場のデータの可視化を行う

田面木宏尚氏

メルカリ 日本事業CEOを務める田面木宏尚氏。

出典:メルカリ

そのほかにも、さまざまな業種や業態の企業との提携を発表したメルカリ。今回のすべての発表内容に共通するのは、メルカリは不要物の出品をさらに促すことを重視しているという点だ。

メルカリの日本事業のCEOを務める田面木宏尚氏は、メルカリの月間利用者数が1530万人と、出品意向はあるが未出品の人は推定3610万人もいる旨を明らかにしている。

メルカリは現在の2倍以上の規模にもなる潜在的ユーザーにアプローチするため、出品までに立ちふさがるさまざまな障壁を、実拠点やハードウェア、そして一次流通データとの連携によって解消しようとしている。

野辺一也氏

ローソンでマーケティング本部長を務めていたが、今はメルカリに転職し、執行役員兼ビジネスオペレーションのVPを担当する野辺一也氏。

出典:メルカリ

またそうした取り組みは、メルカリに対して「フリマで物が売れると、新品を買わなくなるのでは」などと懸念するメーカーや販売店などへのメリットの提示にもなり得る。

メルカリ執行役員の野辺一也氏は発表会で、フリマアプリ利用による新品商品の消費喚起効果は最大484億円という自社調査データを示し、「二次流通によって購入は喚起されている」と明言。データ連携によって業務や商品企画、マーケティング施策の効率化も図ることで、「データを解放することで、一次流通をエンパワーしたい」と述べている。

データの活用

メルカリが思い描くデータ活用。

出典:メルカリ

最後に、データ連携と聞いて気になるのはプライバシー保護の観点だが、野辺氏は「個人情報には最大限配慮する」としており、「データ(連携)からの収益化は考えていない。データを役立たせ、出品の体験を良くしていきたい」と、同社のデータの使い方に関する考えを示した。

(文・小林優多郎)

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