動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」はローンチ数カ月で会員3000万人を超える勢いだ。
REUTERS/Brendan McDermid
- 米銀大手ウェルス・ファーゴのアナリストチームは、「ディズニープラス」が2020年度内にインドで600万人の会員を獲得するとの見通しを示した。
- 競合するネットフリックスの(インドにおける)会員数は400万人。
- ウェルス・ファーゴがサードパーティから得たマーケットデータを分析した。
ウォール街のアナリストたちは、3月に「ディズニープラス」がローンチすれば、インドにおける動画配信サービスの会員数でトップの座を奪うと予測している。(ディズニー孫会社が運営する)姉妹サービス「ホットスター」とディズニーの強固なファン基盤がすでにあるからだ。
ウェルス・ファーゴのアナリストチームが2月18日に発表したレポートによれば、ディズニープラスは2020年度内に600万人の会員を獲得すると見込まれている。インドではネットフリックスを抜いて首位に躍り出ることになる。
ネットフリックスは2016年にインド進出。現在同国内で400万人の会員を抱える。ウェルス・ファーゴのレポートでは、ネットフリックスが2020年にどのくらい会員を増やすかは触れられていない。
ディズニープラスは2019年11月に北米とオランダでローンチ。2月4日時点で「2860万人を超えた」(米ウォルト・ディズニーのボブ・アイガーCEO)。インドでは3月29日にサービス開始を予定している。
インドではスマホ所有率とインターネット普及率が爆発的に拡大しており、ネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオも含め、動画配信サービスへのニーズが高まっている。
ディズニーはクリケット・プレミアリーグの今シーズンが始まる5月に合わせ、ホットスターとディズニープラスをまとめたバンドルサービスを提供する予定。クリケットはインドの国民的人気スポーツで、ホットスターの会員数増加をけん引するキラーコンテンツとなっている。
なお、ホットスターはディズニーの21世紀フォックス買収に伴って同社の傘下入り。無料・有料会員を合わせた月間アクティブユーザー(MAU)は3億人。
インドでディズニーは受け入れられるか
ディズニー傘下ルーカスフィルムの「マンダロリアン」プレミア上映会の様子。インドのディズニープラスでも見られることになりそうだ。
REUTERS/Mario Anzuoni
ウェルス・ファーゴのレポートは、ホットスターがディズニープラスのインド進出の「足がかり」であるとし、ローンチ後の有料会員の規模感を予想する上では、ディズニー映画の(映画館における)観客数が指標になるとしている。
レポートをまとめたアナリストチームによると、インドは地元の映画会社との競争が激しく、チケット料金も安いため、ディズニー映画はアメリカやヨーロッパに比べると収益を伸ばせていない。
しかし、インドで「アベンジャーズ/エンドゲーム」「ライオン・キング」「アナと雪の女王2」「インクレディブル・ファミリー」を映画館で観た家族は1200万世帯と推定され、それらの家族がいずれも2つ以上の作品を観ていることから想定すると、ディズニープラスの会員登録は600万人程度は期待できるという。
レポートは次のように結論している。
「結局のところ、会員数はディズニーのコンテンツがいかに受け入れられるか次第だ。インドに『ディズニー家族』がどれくらいいるか、つまりは、自分の子どもを日常的にディズニー映画を観られるスマホやモニターの前に置いておきたいと思う親が何人いるか、ということだ」
ディズニーはディズニープラスの会員料金をまだ発表していない。現時点では(プレミアム会員を含む)2種類の料金設定が用意されるとみられており、スターウォーズ初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」も観られるようになるようだ。
(翻訳・編集:川村力)